自宅で料理教室を  清閑な世田谷のマンションから 食の楽しみを発信

自宅で料理教室を清閑な世田谷のマンションから
食の楽しみを発信

自然を感じる静かな環境

等々力緑地や多摩川に近い、世田谷区上野毛の閑静な住宅街。この地に、料理家の山口はるのさんが暮らすマンションがある。「1年半くらい前に、近所の別のマンションから引っ越してきました。前の住まいは幹線道路沿いでうるさくて落ち着かなかったのですが、ここは緑が多くて本当に静か。見つけた時、ここだ!と思いました」。

山口さんは、以前のマンションに住んでいた頃から自宅にて、料理教室「spring’ kitchen」を開催し、今の住まいでも継続している。「このマンションは、落ち着いて教室に集中できると、生徒さんからも好評です」。

春になると、窓の外に桜が咲きウグイスがやってくるそう。

春になると、窓の外に桜が咲きウグイスがやってくるそう。

味のあるアンティーク家具と白いカーテンやシャンデリアの調和が心地よいダイニング。

味のあるアンティーク家具と白いカーテンやシャンデリアの調和が心地よいダイニング。

歴史を重ねた家具たち

料理教室の舞台となるダイニングに足を踏み入れると、重厚で存在感のあるテーブルと椅子が
目に飛び込んで来た。どちらもイギリスのアンティークで、25年ほど愛用しているそうだ。「テーブルは時を重ねた天板の表情がお気に入り。お料理をとっても引き立ててくれるんです。椅子はテーブルとセットで売られていたもの。最初のカバーはシミだらけだったので、張り替えて使っています」と話す山口さん。愛着のある家具たちは、料理教室の頼れる相棒なのだろう。

テーブルの材は、ヨーロッパで貴族に愛されてきたマホガニー。いつの時代のものなのか、どんな人が使ってきたのか、想像が膨らむ。

テーブルの材は、ヨーロッパで貴族に愛されてきたマホガニー。いつの時代のものなのか、どんな人が使ってきたのか、想像が膨らむ。

キャビネットはアメリカのアンティーク。器や食材をたっぷり収納できる。

キャビネットはアメリカのアンティーク。器や食材をたっぷり収納できる。

椅子は、幅が広めで安定感がある。「カバーを張り替え続けて、ずっと使い続けたいです」と山口さん。

椅子は、幅が広めで安定感がある。「カバーを張り替え続けて、ずっと使い続けたいです」と山口さん。

25年ほど愛用したテーブルと椅子は、山口さんのからだにしっくり馴染む。

25年ほど愛用したテーブルと椅子は、山口さんのからだにしっくり馴染む。

シャンデリアはIKEA。「サイズが丁度よくて、ゴージャス過ぎずシンプル過ぎないところが気に入っています」。

シャンデリアはIKEA。「サイズが丁度よくて、ゴージャス過ぎずシンプル過ぎないところが気に入っています」。

野菜や豆腐の魅力を伝えたい

「spring’ kitchen」では、「美的創作料理」を合い言葉に、野菜と豆腐の美味しさや効能を再確認してもらえるような、創作料理を教えている。「地味、ださい、と思われてしまうこともある日本の伝統的な食材を、『あれ?美味しい!』、『おしゃれ!』と思ってもらえるような、オリジナルのレシピをご提案しています。日本の在来野菜も積極的に使います。からだをきれいに、心を健やかにしてくれる、魅力的な食材を、次世代に残したいのです」。

「まったくの正統派ではなくて、話して楽しくなるような、クリエイティビティを持たせた料理が好き」と話す山口さん。中には、豆腐でつくるタルタルソースや、お肉のかわりに豆腐を使ったガパオライスなど、「えっ!これが豆腐!」と驚かれるよう料理もある。「TSUKIJI COOKINGでは、海外の方向けの料理レッスンもしています。私の料理を通して、TOFUに興味を持っていただけたらうれしいですね」。

キッチンの雰囲気を明るくしている赤いポピーの絵は、IKEAのウォールステッカー。

キッチンの雰囲気を明るくしている赤いポピーの絵は、IKEAのウォールステッカー。

壁にかけられていた素敵な切り絵のボード。「spring’ kitchen」という名前には、「春のような心温まるやさしい居場所でありたい」という思いが込められている。

壁にかけられていた素敵な切り絵のボード。「spring’ kitchen」という名前には、「春のような心温まるやさしい居場所でありたい」という思いが込められている。

大根、にんじん、クレソンに、生ハムを合わせたサラダ。野菜の味が濃厚で、食べるとパワーが沸いてくる。

大根、にんじん、クレソンに、生ハムを合わせたサラダ。野菜の味が濃厚で、食べるとパワーが沸いてくる。

パパッとサラダをつくってくれた山口さん。切っているのは、赤くて細い珍しい大根。

パパッとサラダをつくってくれた山口さん。切っているのは、赤くて細い珍しい大根。

山口さんは、静岡の三島にあるフードカルチャー・ルネサンスという農園から、珍しい在来野菜などを取り寄せている。「味が濃くて本当に美味しい。いつも届くのが楽しみです」。

山口さんは、静岡の三島にあるフードカルチャー・ルネサンスという農園から、珍しい在来野菜などを取り寄せている。「味が濃くて本当に美味しい。いつも届くのが楽しみです」。

ベランダにかけられていたウェルカムボードに、温かなホスピタリティを感じる。手前はオリーブの木。

ベランダにかけられていたウェルカムボードに、温かなホスピタリティを感じる。手前はオリーブの木。

自由に食を楽しむ場所

山口さんは大の器好き。「新しい器を買うと、次のレッスンが待ちきれなくなります」と微笑む。数点見せていただくと、「素敵!」とため息がでるような、アーティスティックなものぞろいだった。

個性的で素敵な器と料理をどう合わせたらよいのかを伺うと「どんなお料理だって合いますよ」と、意外な答えが返ってきた。「器に尻込みする必要は全くありません。器が素敵だと、普通のお料理も絶対に素敵に見えます。お料理にあまり自信がない人にこそ、かっこいい器を使って欲しいなって思います。やる気や自信がどんどん沸いてきますよ」。

山口さんのマンションではこれからも、心温まるやさしい雰囲気の中、食の楽しみが発信されていくのだろう。

毎年浸けている梅酒は、ブランデーと黒砂糖を使うのがこだわりだそう。手前の小さいビンは、息子さんが修学旅行先でつくってきた梅ジュース。

毎年浸けている梅酒は、ブランデーと黒砂糖を使うのがこだわりだそう。手前の小さいビンは、息子さんが修学旅行先でつくってきた梅ジュース。

数年前に漬けた手づくり味噌は、よく熟成して深みのある色合いに。二人の息子さんは、山口さんのお味噌汁が大好きだそう。

数年前に漬けた手づくり味噌は、よく熟成して深みのある色合いに。二人の息子さんは、山口さんのお味噌汁が大好きだそう。

ベランダで干されていた野菜。大根やにんじんの葉はすぐだめになるが、干しておけば、煮物や汁物に便利に使える。

ベランダで干されていた野菜。大根やにんじんの葉はすぐだめになるが、干しておけば、煮物や汁物に便利に使える。

陶芸家・堺克弘さんの作品。「個性的で愛着が湧くところが好き」と山口さん。小さい方は、お漬物をのせたり、小花を飾ったりして使うそう。

陶芸家・堺克弘さんの作品。「個性的で愛着が湧くところが好き」と山口さん。小さい方は、お漬物をのせたり、小花を飾ったりして使うそう。

オンラインストア「ワンオーバーエフ」で購入した漆の器は、和モダンなテイストがお気に入り。漆器にガラスを組み合わせるのが山口さん流。

オンラインストア「ワンオーバーエフ」で購入した漆の器は、和モダンなテイストがお気に入り。漆器にガラスを組み合わせるのが山口さん流。

赤いハートのガラスの器。だれと何を食べようか、考えると楽しくなる。

赤いハートのガラスの器。だれと何を食べようか、考えると楽しくなる。

料理家・山口はるのさん。「教室はデモンストレーション形式なので、初心者の方も安心していらしてください」。

料理家・山口はるのさん。「教室はデモンストレーション形式なので、初心者の方も安心していらしてください」。

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