ToKoSie ー トコシエ

やさしい灯りと素材感古き良き時代を愛おしむ
ヴィンテージ空間

築50年のビルの一室をリノベ

目黒通りでアンティーク&ヴィンテージ家具ショップ「POINT No.39」「POINT No.38」を営む杉村聡さん。妻とともに暮らす部屋は、築50年の古いビルの最上階の一室をリノベーション。ご自身が愛する1920年代のアメリカをイメージしたインテリアで統一している。
「もともとビルのオーナーと知り合いで、最初は倉庫として使っていたんです。そのうちに管理人をやりながら住んでほしいと言われ、ある程度自由にリノベーションできることを条件に入居しました」。

倉庫にする前は和室のある4Kの間取りだった。天井を抜き、床をはずし、壁を壊してスケルトンに。さらに居住用として使う際には、ベッドルームを仕切る壁を真ん中に取り付け、天井は白で塗り、照明を色々と取り付けられるようレールを敷いた。
「今と規格が全然違うんですよね。柱の位置だったり、真ん中に梁が出ている構造だったり。形も真四角ではなくて、変形しているのが面白いなと思います」。

かつてはビルのオーナーが、その後は外国人が住んでいたという一室。右側の壁は後から取り付けたもの。杉村さんはアンティーク家具とヴィンテージ自転車・ライトの「POINT NO.39」「POINT No.38」を営む。
かつてはビルのオーナーが、その後は外国人が住んでいたという一室。右側の壁は後から取り付けたもの。
杉村さんはアンティーク家具とヴィンテージ自転車・ライトの「POINT NO.39」「POINT No.38」を営む。
2面に開口部があり明るい室内。リビング部分には板を張り、絨毯を敷いてクラシカルな雰囲気に。
2面に開口部があり明るい室内。リビング部分には板を張り、絨毯を敷いてクラシカルな雰囲気に。
テラス、ダイニング側は白を基調にしたやわらかな雰囲気。ダイニングの照明はボストンで購入。1940年代に工場で使われていたもの。
テラス、ダイニング側は白を基調にしたやわらかな雰囲気。ダイニングの照明はボストンで購入。1940年代に工場で使われていたもの。

部屋は照明から考えてもいい

もともとミッドセンチュリーの家具屋に勤めていた杉村さん。アメリカに何度も買い付けに行くうち、1920年代のアメリカのインテリアに惹かれていった。
「ミッドセンチュリーも集めていましたが、部屋をきれいにしてないといけないんですよね。汚れても味があるものって何だろう? と考えていったときに、素材によって差が出ることに気づいたんです」。

朽ちていった時に味が出る木、だんだん擦れていって表情が変わる皮。年月を経て魅力を増したものたちが、杉村さんの部屋を彩っている。
「国や年代で選ぶのは好きではなくて、バラバラでいいと思っています。でもボコボコとした形とか曲線とか、特徴的な一部分を揃えると不思議とマッチしたりします。そんなコーディネートを楽しんでいますね」。

例えば、アメリカのソファーにフランスのコーヒーテーブル。手すりと脚の部分の装飾の曲線が一致したものを繋ぎ合わせる。するとしっくりとなじんでくれる。また、照明は、杉村さんがデザインしたものを古いパーツを組み合わせてプロダクトしたものばかりだ。真鍮の素材が味を出し、部屋にマッチしている。
「真鍮は木とも鉄とも、白い壁とも相性がいいんです。照明ひとつで部屋の雰囲気って変わってくるので、僕は大事に考えていますね。部屋作りをする時、明かりから考えるのはありだと思います」。

錆び付いた金属の扉はもともとあったもの。「ちょっと可愛すぎるかなと思っていますが…」。
錆び付いた金属の扉はもともとあったもの。「ちょっと可愛すぎるかなと思っていますが…」。
オープンシェルフは、自らホームセンターで購入した板に色を塗り、DIYで作ったもの。
オープンシェルフは、自らホームセンターで購入した板に色を塗り、DIYで作ったもの。
手作り感が気に入っているアメリカのアンティークの椅子とテーブルは、ほどよく装飾のあるミッション様式。カーテンをパーテーション代わりに。
手作り感が気に入っているアメリカのアンティークの椅子とテーブルは、ほどよく装飾のあるミッション様式。カーテンをパーテーション代わりに。
ソファーの手すりとテーブルの脚。出自の違うものもディテールで揃えればマッチする。
ソファーの手すりとテーブルの脚。出自の違うものもディテールで揃えればマッチする。
掃除がしやすいように、キッチンはステンレスでオーダー。シンプルに徹して使いやすく。
掃除がしやすいように、キッチンはステンレスでオーダー。シンプルに徹して使いやすく。
模様入りのガラスブロックは元からあった。入居前からお気に入り。
模様入りのガラスブロックは元からあった。入居前からお気に入り。
真鍮を使った照明は、杉村さんのデザイン。やわらかい明かりが古い家具を照らし出す。
真鍮を使った照明は、杉村さんのデザイン。やわらかい明かりが古い家具を照らし出す。
水回りはすべてリフォーム。白いタイルと木の天板に、ハンギングのグリーンが素朴な雰囲気。
水回りはすべてリフォーム。白いタイルと木の天板に、ハンギングのグリーンが素朴な雰囲気。
キッチン前に飾られたキッチンツールの壁掛けは、東海岸で。
キッチン前に飾られたキッチンツールの壁掛けは、東海岸で。

部屋の一画にサンルームを

杉村さんのインテリアで、もうひとつ欠かせないのがグリーン。
「前は広いテラスを囲むような部屋に住んでいて、いつも外にいるような感じだったんです。ここに引っ越してきた時、テラスっぽさは出したいなと思いました」。

植物を置くスペースの床は、コンクリートのままにして、テラスのような雰囲気を出した。リビング部分には板を張り、“テラスとリビングが共存している雰囲気”に。
「古い家具だけだとどこか仰々しくなるのですが、そこにグリーンがあるとうまく中和させてくれるんです。この部屋のインテリアと相性がいいので、ここに来て、いろいろ増やしていきました」。

単調な緑ではなく、黄色っぽい葉のものも選び、濃淡をつけると表情が出てよいとか。現在もアメリカに買い付けに行く度、古い雑貨などを見つけては入手してくるという杉村さん。ユニークで愛嬌のある雑貨たちも味を加える、どこかノスタルジックな空間が広がっていた。

テラス側の床はコンクリート剥き出しの状態に。サンルームのように明るい。
テラス側の床はコンクリート剥き出しの状態に。サンルームのように明るい。
手前は熱帯アメリカ原産のグレープ・アイビー。ほかに生命力のあるフィカスなどを育てている。カーテンは妻がセレクト。
手前は熱帯アメリカ原産のグレープ・アイビー。ほかに生命力のあるフィカスなどを育てている。カーテンは妻がセレクト。
アメリカで買ってきた古いバスケットを収納ケースに。
アメリカで買ってきた古いバスケットを収納ケースに。
鉢のセレクトとグリーンの合わせ方にもセンスが光る。
鉢のセレクトとグリーンの合わせ方にもセンスが光る。
1960年代アメリカのミラー付き飾り棚がレトロな雰囲気。
1960年代アメリカのミラー付き飾り棚がレトロな雰囲気。
棚の上では多肉植物やハーブ類を育てる。
棚の上では多肉植物やハーブ類を育てる。
1970年代にアメリカで流行ったメッセージドールは、見つける度に購入。
1970年代にアメリカで流行ったメッセージドールは、見つける度に購入。