ヴィンテージ家具が映える モダン系から癒しの北欧系に 賃貸を自由に住みこなす

ヴィンテージ家具が映えるモダン系から癒しの北欧系に
賃貸を自由に住みこなす

デザイナーズ賃貸を選択

都心に近く緑も豊かな高台に建つ、コンクリート打ち放しのモダンな集合住宅。人気の賃貸デザイナーズマンションに、小玉千陽さんは3年程暮らしている。
「以前は同じ建物の90㎡強のメゾネットタイプを借り、オフィス兼用にしていたんです。でも仕事場を別の場所に設けようと思い、35㎡の1LDKに移りました。この物件がとても気に入って、他のマンションには引っ越せなかったですね」。
大きな開口が2面にある、天井の高い空間には、光がたっぷり降り注ぐ。LDKとベッドルームを分けるのは、天井との間を塞がないクローゼットのみで、ワンルームのように光と空気が流れ、どこにいても開放感が感じられる。
「入居当初はモダンな内装が気に入っていて、コンクリートに似合うハード系のシンプルなインテリアで揃えました。唯一ピンとこなかった床材は、黒いクッションフロアを自分で敷いてしまいました」。
スタイリッシュな1LDK。リビングに鎮座するのは、デンマークの女性デザイナー、グレーテ・ヤルクのイージーチェア。

スタイリッシュな1LDK。リビングに鎮座するのは、デンマークの女性デザイナー、グレーテ・ヤルクのイージーチェア。

オープンなキッチンからは、LDKを一望できる。

オープンなキッチンからは、LDKを一望できる。

タイル貼りのバスルームの一角。天窓から光が射し込んでくる。

タイル貼りのバスルームの一角。天窓から光が射し込んでくる。

LDKと寝室を、クローゼットが緩やかに分ける。

LDKと寝室を、クローゼットが緩やかに分ける。

寝室兼ワークスペース。大きな開口から入る明るい日差しが、白い空間に反射する。

寝室兼ワークスペース。大きな開口から入る明るい日差しが、白い空間に反射する。

癒しを求めてインテリアを変更

インテリアを変更しようと思い始めたのは、コロナ禍がきっかけだった。
「リモートワークで家にいる時間が長くなって、スタイリッシュな空間よりも温かみがあって癒される雰囲気を求めるようになっていったんです」。
“ずっといても疲れない空間”を求めて、床材を無垢のフローリングにDIYで変更。
「家具を動かしたりしながら、1枚ずつ板を噛み合わせてハンマーで上から叩いて張っていきました。端に使う板は電動ノコギリを買ってきてカットしたりして、めちゃくちゃ大変でしたよ(笑)」。
その後、大きなソファーやコンクリート調のテーブルは処分し、気になり始めた北欧系のインテリアに変えていったそう。ヴィンテージの家具もひとつひとつ揃えていった。
「HIKEを訪れたとき、たまたま出会ったヴィンテージのキャビネットに一目惚れしてしまったんです。脳裏に焼き付いて離れなくて、無くなる前に買わなきゃと、翌日、早速購入しに行きました」。
滑らかな木肌とチーク材の深みのある色合いが存在感を放つキャビネットは、壁沿いにサイズもぴったりと収まった。
「ヴィンテージ家具はそれぞれ仕上げが違っていて、シリーズであってもひとつとして同じものがないんです。家具との出会いは一期一会なので、時間を見つけてはヴィンテージものを扱うお店を巡っています」。
一目惚れしたピーター・ヴィッツ&オムラ・ミュルゴー・ニールセンのキャビネット。蛇腹の扉、チークの色味、精巧な造りが秀逸。

一目惚れしたピーター・ヴィッツ&オムラ・ミュルゴー・ニールセンのキャビネット。蛇腹の扉、チークの色味、精巧な造りが秀逸。

キャビネットの上ではディスプレイを楽しんでいる。

キャビネットの上ではディスプレイを楽しんでいる。

TVボードは友人に造ってもらった。木の板に和紙を貼ったもの。

TVボードは友人に造ってもらった。木の板に和紙を貼ったもの。

ハンス・J・ウェグナーのCH23、CH24、作家によるスツール。toolboxで選んだ無垢の床材に似合う。8時間程かけてDIY。

ハンス・J・ウェグナーのCH23、CH24、作家によるスツール。toolboxで選んだ無垢の床材に似合う。8時間程かけてDIY。

緑の借景も望める絶好の環境。

緑の借景も望める絶好の環境。

仕事の合間に、リビングで寛ぐのが至福の時間。

仕事の合間に、リビングで寛ぐのが至福の時間。

名作照明で空間を演出

「家呑みが増えて、大事だなと思うようになったのが照明です。ライトも色々と揃えていきました」。
ガラスを通してオレンジ色の光が拡散するペンダントライトや、丸い月のようなフロアランプ、テーブルランプ。持ち運んで移動させられるコードレスのテーブルランプ。明かりの名作が数々揃えられ、夜には幻想的な雰囲気に。
「明かりが家具を照らして、空間をより引き立ててくれるんです。スマートホーム化しているので、固定しているライトは声ひとつで点灯してくれるのもいいです」。
ショップやレストランなど、訪れる度に空間アレンジをチェック。
「インテリアにこだわるようになってから色々なお店を参考にしていて、家具を移動させて雰囲気を変えてみたりしています。大きな家具がないので、気軽に変えられる自由度もちょうどいいと思っています」。
コンクリートブロックのクールなキッチンに、FLOSのスタンドライトが似合う。

コンクリートブロックのクールなキッチンに、FLOSのスタンドライトが似合う。

富山在住のガラス作家ピーター・アイビーのLight Capsule。

富山在住のガラス作家ピーター・アイビーのLight Capsule。

床に置いた照明は101 COPENHAGENのHoop Table Lamp Brass。奥のアートは、小玉さんがベルリンの美術館で制作したもの。

床に置いた照明は101 COPENHAGENのHoop Table Lamp Brass。奥のアートは、小玉さんがベルリンの美術館で制作したもの。

柔らかな光を放つのはAmbientecのTURN。コードレスで持ち運びができる。端正な佇まいと金属の硬質なテクスチャーが魅力。

柔らかな光を放つのはAmbientecのTURN。コードレスで持ち運びができる。端正な佇まいと金属の硬質なテクスチャーが魅力。

家時間が楽しくなった

オープンなキッチンカウンターはパーティーにも向いている。こだわりのインテリアで揃えた空間に、友人を招くことも多いのだそうだ。
「以前は年に3〜4回海外に行っていたのが、コロナで行けなくなり残念。でも、家にいる時間も楽しく過ごせるようになったので、良かったかなと思っています。これからはアートを増やしていきたいですね。賃貸の制約はあるけれど、その中で色々とやってみるのも楽しいし、自分の解像度がわかってから、ゼロから家づくりをスタートしてみるのもいいかもと思っています」。
キッチンに立つ小玉さん。冷蔵庫と並んで洗濯機置き場がある。

キッチンに立つ小玉さん。冷蔵庫と並んで洗濯機置き場がある。

ワークスペースのイスはハンス・J・ウェグナーのPP502 Swivel Chair。

ワークスペースのイスはハンス・J・ウェグナーのPP502 Swivel Chair。

ワークスペースからちりと見えるこの光景がお気に入り。

ワークスペースからちりと見えるこの光景がお気に入り。

デザイナー小玉千陽さん。デザインスタジオium inc.代表。

デザイナー小玉千陽さん。デザインスタジオium inc.代表。

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