7〜8割を意識する余白収納Part2 欲しいモノを欲しい場所に キレイをキープする水廻り

7〜8割を意識する余白収納Part2 欲しいモノを欲しい場所に
キレイをキープする水廻り

アイデアを活かしたキッチン収納

「不要なモノを手放したら余白が生まれ、心と暮らしにも余裕が生まれた」という、整理収納アドバイザーの清水幸子さん。コンパクトな空間もゆとりを持たせて心地よく暮らす、そのアイデアと工夫とは? 今回はキッチンなどの水廻りを見せていただく。
「今の家に越してから、家具を始め色々なモノを手放しました。キッチンも、食器棚は使わず、冷蔵庫は小さいサイズに変更し、炊飯器は炊飯用のお鍋に変更…など、色々と見直しました」。
ダウンサイジングしつつ、本当に必要なモノだけを選ぶことでより快適になったそう。
「キッチンには収納スペースがほとんどなかったので、夫に浅型の壁面収納をつくってもらいました」。
キッチン台から振り返るだけで、1歩も歩かず手が届く壁面収納には、動線を考えてモノを配置。上段には無印良品のラタンのバスケットを活用し、アイテム・用途別に食材や小物を収納。腰の高さの位置には空きスペースがあり、お茶を淹れるなどの作業ができる。
「下段は木製のゴミ箱を使って、ラップや袋類、料理本などを収納しています。いちばん下はゴミステーション。燃えるゴミや資源ゴミなどを箱ごとに分けて入れられるようにしています」。
統一した箱を使うことで、見た目にも美しい。ゴミ箱の使い方もひとつに限定することなく、様々な用途に活用するアイデアを見習いたい。
上段にはバスケットを用い、乾麺、乾物、コーヒー・紅茶を、アイテム別に分けて収めている。キッチン台では洗い物の手間を減らすため、水切りカゴを使用せず、洗った食器はワークトップに置き、布巾で拭いて収納しているそう。

上段にはバスケットを用い、乾麺、乾物、コーヒー・紅茶を、アイテム別に分けて収めている。キッチン台では洗い物の手間を減らすため、水切りカゴを使用せず、洗った食器はワークトップに置き、布巾で拭いて収納しているそう。

上段は無印良品のラタン長方形バスケット、下段では無印良品の木製ごみ箱を活用。DIYした収納棚にぴったりと収まっている。

上段は無印良品のラタン長方形バスケット、下段では無印良品の木製ごみ箱を活用。DIYした収納棚にぴったりと収まっている。

チャック付き袋を一括に収納。箱をカットして立てて収めれば、1枚ずつさっと取り出すことができ、上からひと目見ただけで袋のサイズも把握できる。

チャック付き袋を一括に収納。箱をカットして立てて収めれば、1枚ずつさっと取り出すことができ、上からひと目見ただけで袋のサイズも把握できる。

乱雑になりがちなゴミ袋収納をひと工夫。プラスチックダンボールをカットし、両サイドに入れた切れ込みにヘアゴムを留め、ゴミ袋を挟んで1枚ずつ取り出せるようにしている。サイズ毎に作ってひとまとめに。

乱雑になりがちなゴミ袋収納をひと工夫。プラスチックダンボールをカットし、両サイドに入れた切れ込みにヘアゴムを留め、ゴミ袋を挟んで1枚ずつ取り出せるようにしている。サイズ毎に作ってひとまとめに。

ラベリングして入れるモノを整理。ゴミ箱も、プラスチックゴミ、ビン、缶、ペットボトルなど細かく分かれている。

ラベリングして入れるモノを整理。ゴミ箱も、プラスチックゴミ、ビン、缶、ペットボトルなど細かく分かれている。

ネームタグは、プラ板を加工して麻ひもで取り付けた。

ネームタグは、プラ板を加工して麻ひもで取り付けた。

必要なモノに手が届くように

「キッチンはコックピットだと考えています。必要な時に必要なモノにすぐ手が届くことが大事です」。
壁面収納以外のキッチン用品の収納スペースはキッチン台下と吊り戸棚のみ。限られた空間を活用しながら、効率的に作業をするためのアイデアが満載されている。
「シンクやコンロの下は観音扉なので、扉裏も収納スペースとして活用しています」。
フックを使ってボックスを取り付けて布巾などを収め、上から立ったままで取り出し可能に。他のモノに埋もれがちな丸型の鍋敷きも、フックを3カ所に取り付けて固定している。
「シンク下のデッドスペースも有効活用しています。突っ張り棒を渡してスプレーボトルをかけているのですが、しゃがまずにさっと取り出せて便利です」。
吊り戸棚には食器などを、ファイルボックスを活用して収めている。
「大皿は重ねると取り出しにくいので、ファイルボックスに立てて収納しています。こうすると1枚ずつさっと取り出すことができます」。
自由な発想がキッチンのシステム化に役立っている。
シンク下にはラックを設置して、空間を分けて収納。デッドスペースになる上部に、突っ張り棒を渡してスプレーボトルをかけている。

シンク下にはラックを設置して、空間を分けて収納。デッドスペースになる上部に、突っ張り棒を渡してスプレーボトルをかけている。

上段には取り出しやすいように取っ手付きのケースを活用。大皿を立てて収めたファイルボックスには、滑り止めシートを敷いている。

上段には取り出しやすいように取っ手付きのケースを活用。大皿を立てて収めたファイルボックスには、滑り止めシートを敷いている。

扉裏を活用。鍋敷きは形に合わせてフックを取り付けた。

扉裏を活用。鍋敷きは形に合わせてフックを取り付けた。

食器やハンドソープは浮かせて配置し、拭き掃除の手間をカット。

食器やハンドソープは浮かせて配置し、拭き掃除の手間をカット。

調理や洗い物の作業中、さっと取り出したいタオルや布巾は、楽に手が届くように。

調理や洗い物の作業中、さっと取り出したいタオルや布巾は、楽に手が届くように。

カトラリーはアイテム別に分けて収納。ラベリングすることで定位置をキープ。

カトラリーはアイテム別に分けて収納。ラベリングすることで定位置をキープ。

突っ張り棒で空間を有効活用

「我が家の洗面所の収納は、縦長の棚がひとつと洗面台下しかないので、わずかなデッドスペースも見逃さずに収納場所を確保しています」。
縦長の棚にはタオル類や化粧品、洗濯、掃除用具などをアイテム別にカゴに入れて。数を絞ることで余白も十分に感じられる。コードが絡みやすく、置き場に困るドライヤーは、
「突っ張り棒を使って吊るしています。ストッパー付きS字フックを使っているので、取り出すときも外れにくく、使いやすいです」。
洗面台下も、突っ張り棒を活かしたアイデアで収納力と使いやすさをアップ。
「キッチンと同じくここも扉式なので、デッドスペースになりがちな空間の活用を考えました」。
突っ張り棒2本で収納場所を上下に設けられる棚を設置。さらに奥に1本設置することで、載せたケースの全面がキレイに揃うように。2層になった扉の中は、ファイルボックスとケースがぴったりと美しく収まっている。
「収納とはしまいこむことではなく取り出しやすく収めることです。整理とは不必要なモノを取り除き、本当に必要なモノを残すこと。使いやすくする為には、収納する前にまず整理をすることが必要です。こうしてシステムを最初につくると、空間にも心にも余裕が生まれて、心地よく過ごすことができますよ」。
上段にはタオルや化粧品を、下段には洗剤や掃除用具を主に収めている。

上段にはタオルや化粧品を、下段には洗剤や掃除用具を主に収めている。

ドライヤーは取り出しやすいよう吊り下げ式に。S字フックとドライヤーの間に文具用のリングをつけ、かけやすくしている。

ドライヤーは取り出しやすいよう吊り下げ式に。S字フックとドライヤーの間に文具用のリングをつけ、かけやすくしている。

デッドスペースを活用してアクセサリーを。ひと目で分かる上、この位置なら手に取りやすい。

デッドスペースを活用してアクセサリーを。ひと目で分かる上、この位置なら手に取りやすい。

棚の側面もフックを使って収納場所に。さっと手に取りたい掃除道具を。

棚の側面もフックを使って収納場所に。さっと手に取りたい掃除道具を。

洗面台の下の無印良品のファイルボックス。中もケースを活用してアイテム分け。

洗面台の下の無印良品のファイルボックス。中もケースを活用してアイテム分け。

突っ張り棒を3本使った洗面台下収納。2本で棚を作り、さらに奥に1本渡して上段のケースがキレイに並ぶように支えている。

突っ張り棒を3本使った洗面台下収納。2本で棚を作り、さらに奥に1本渡して上段のケースがキレイに並ぶように支えている。

整理収納アドバイザー・清水幸子 (https://yohaku-sukkiri.com/) さん。住まいとオフィスの整理収納を提案。著書に「片づけを楽しむ、好きになる。」 (Gakken) がある。長女の清水麻帆さんは、史上最年少整理収納アドバイザー。

整理収納アドバイザー・清水幸子さん。住まいとオフィスの整理収納を提案。著書に「片づけを楽しむ、好きになる。」(Gakken)がある。長女の清水麻帆さんは、史上最年少整理収納アドバイザー。

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