自然素材でリノベーション 白い漆喰壁と木が調和する ナチュラルな住まい

自然素材でリノベーション白い漆喰壁と木が調和する
ナチュラルな住まい

購入までの内覧は50軒以上!?

横浜市の静かな住宅街の一角にある、築20年のマンション。昨年、ここに引っ越してきたばかりの長倉さん家族は、会社員の夫・嘉彦さん、グラフィックデザイナーの妻・ルイさん、あみなちゃんの3人暮らし。嘉彦さんは、マンションの購入を決めるまで多くの時間を費やしたという。「5年くらいかけて、新築から中古まで50軒以上は内覧したんじゃないかと思います(笑)。最終的には駅からの立地と日当たりを重要ポイントとして、このマンションに狙いを定めたんですが、中古なので売却待ちでした」。
あみなちゃんも生まれ、当時住んでいたマンションも手狭になってきたころに、たまたま売り出しの連絡を受けた。購入決定は抽選次第だったが、嘉彦さんは見事アタリを引いたのだ。「まさか当選するとは思いませんでしたよ。でも縁があったんでしょうね。購入の覚悟が決まりました」。実際に、購入する部屋を内覧すると、自分たちらしい空間を1からつくりあげたい思いが生まれ、フルリノベーションを検討し始めた夫妻。そこで自分たちの理想に近かったのが同じ横浜市を拠点とする設計事務所「もくもくはうす」だった。
ガラスランプがオシャレな玄関スペース。ステンドグラスで装飾された引き戸がシューズボックスの目隠しに。

ガラスランプがオシャレな玄関スペース。ステンドグラスで装飾された引き戸がシューズボックスの目隠しに。

娘のあみなちゃんがお出迎え。ミツロウワックスのみが塗られた無垢材の床は、木の風合いそのままで気持ちいい。

娘のあみなちゃんがお出迎え。ミツロウワックスのみが塗られた無垢材の床は、木の風合いそのままで気持ちいい。

引き戸に装飾されたカラフルなステンドグラスが白い漆喰壁に映える。

引き戸に装飾されたカラフルなステンドグラスが白い漆喰壁に映える。

冬でもポカポカの空間に魅かれて

「もくもくはうすのショールームを訪れると、冬なのに部屋全体があたたかくて気持ちよかったんです。いいなあ、と思いましたね。もともと友人宅で体感したことのあった自然素材の家にいつか住みたいなという思いもあり、もくもくはうす一択でした。私自身もアレルギー体質だったり、子どもも生まれたばかりだったので、より心地よさを家に求めましたね」とルイさん。

加えて、生活動線をコンパクトにまとめるなど日々の暮らしに寄り添った細やかな設計方針にも共感できたという。実際に、長倉家もキッチンから、ランドリールーム、洗面所、バスルームがまとまり、リビングまで回遊できる間取りだ。機能的で気に入っているという。
さらに、東南から光がたっぷり入る広いリビングは、小上がりの畳スペース、キッチン、将来の子ども部屋、寝室とがつながり、どこにいても明るく開放感を感じる。実はこれ、ルイさんの希望が採用されたもの。ルイさんが手描きのラフ図案を見せてくれた。可愛い絵とともに、これからの暮らしの希望も書かれていた。
「娘には、どんな人とも楽しくコミュニケーションできたり、そんな誰かの気配を感じながらでも集中できるような環境をつくれないかと思いました。でも……良くも悪くも隠れる場所がないので娘が年頃になったら嫌がられるかもしれません」とルイさんは笑う。

リビングの天井には、テレビのかわりに照明が一体化したプロジェクターを設置。奥の白い壁にYouTubeなどの映像を投影できる。客室としても区切れるようにとつけたカーテンは、北欧雑貨「マリメッコ」のもの。

リビングの天井には、テレビのかわりに照明が一体化したプロジェクターを設置。奥の白い壁にYouTubeなどの映像を投影できる。客室としても区切れるようにとつけたカーテンは、北欧雑貨「マリメッコ」のもの。

緑のタイルが印象的な可愛いキッチンカウンター。ダイニングテーブルを造り付けにすることで、さらにリビングを広く。

緑のタイルが印象的な可愛いキッチンカウンター。ダイニングテーブルを造り付けにすることで、さらにリビングを広く。

キッチンの造り付けの棚にも一部無垢材が使われ、統一感あるナチュラルな雰囲気に。

キッチンの造り付けの棚にも一部無垢材が使われ、統一感あるナチュラルな雰囲気に。

キッチンの引き戸を引けばトイレ、洗面所、ランドリールームへとつながる。

キッチンの引き戸を引けばトイレ、洗面所、ランドリールームへとつながる。

トイレ、洗面所、ランドリールームの壁、天井にも漆喰が使われているのでニオイがこもらないという。

トイレ、洗面所、ランドリールームの壁、天井にも漆喰が使われているのでニオイがこもらないという。

リビングから玄関方向を見る。左の収納スペース隣の扉は寝室へとつづく。ワークスペースの右奥には将来子供部屋となるよう、造り付けの2段ベッドがつくられている。

リビングから玄関方向を見る。左の収納スペース隣の扉は寝室へとつづく。ワークスペースの右奥には将来子供部屋となるよう、造り付けの2段ベッドがつくられている。

リビングの一角には、グラフィックデザイナーのルイさんのワークスペースも。たっぷりサイズの収納スペースは、使いやすさを重視。

リビングの一角には、グラフィックデザイナーのルイさんのワークスペースも。たっぷりサイズの収納スペースは、使いやすさを重視。

楽しそうにリビングを走り回るあみなちゃん。

楽しそうにリビングを走り回るあみなちゃん。

居心地の良さは、素材にも

そして、夫妻が一番こだわったのは、リノベーションに使う建築素材だ。もくもくはうすからの提案で、天井とすべての壁は、調湿効果が高いと言われる漆喰が使われている。
「特にキッチンの隣にあるランドリールームは、トイレと洗面所も一緒になった場所。ニオイが少し心配だったんですが、引っ越してみるとまったく気にならずびっくりしました」(ルイさん)。床には、無垢の国産杉材が使われ、家族みんな、気持ちのよさからか床で過ごす時間が増えたようだ。冬でも晴れた日は、ほとんど暖房をつけずに快適に過ごしているという。
夫妻は、引っ越してきてから、あみなちゃんがよりアクティブになったと変化をうれしそうに話してくれた。「娘がこの家でのびのび遊ぶ姿を見て、よかったなと思いました。私たちもゆとりが生まれ、会話も自然と増えた気がします。もともと子どものふるさとをつくってあげたい思いもあって家の購入を考えたので、ここで娘が健やかに育ってくれたらいいなと思います」
南北の窓から気持ちいい風がリビングを通り抜けていく。

南北の窓から気持ちいい風がリビングを通り抜けていく。

調湿効果の高いと言われる漆喰壁。ほどよいコテ跡の風合いが素敵だ。

調湿効果の高いと言われる漆喰壁。ほどよいコテ跡の風合いが素敵だ。

夫妻のお気に入りは、小上がりの畳スペース。減農薬のい草が使われていて、本を読んだり、ヨガをしたりそれぞれの時間をゆるりと楽しんでいるという。

夫妻のお気に入りは、小上がりの畳スペース。減農薬のい草が使われていて、本を読んだり、ヨガをしたりそれぞれの時間をゆるりと楽しんでいるという。

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