100㎡超の4LDKリノベーション 壁が主役。スムーズに繋がる6つの部屋。

100㎡超の4LDKリノベーション主役は壁。
ぐるりと繋がる6つの部屋。

建築系マッチングサイト『SUVACO(スバコ)』で再会。

今年で結婚19年目を迎える須崎家は、夫婦と高校生になる息子の3人暮らし。去年、約108㎡ある築28年のマンション物件を購入し、フルリノベーションをした。
「ずっと前からリノベーションに興味はあったのですが、引越しをすると息子の学区が変わってしまうのが気がかりでした。昨年、息子が高校生になったことで学区に縛られず自由に物件探しをできるようになり、本格的にスタートしました」と話すのは、妻のみゆきさん。
1950年代のミッドセンチュリー系や、北欧ビンデージ家具が好きだという須崎夫妻。リノベーション業者を決めるにあたって役立ったのが、建築系マッチングサイト『SUVACO(スバコ)』だったという。
「サイトには施工事例がたくさん載っていて、その中でイメージしていた内装に一番近かった業者『HOUSETRAD』さんに施工をお願いすることにしました。実は数年前に雑誌『Casa BRUTUS(カーサブルータス)』で同じ事例を見つけていて、それ以来ずっと気になっていたんです。だからサイトで再発見したときは「あ!あの雑誌で見た家だ!」と即決でした」と続けた。
アイランドキッチンからの眺め。

アイランドキッチンからの眺め。

デンマーク家具の専門店「haluta」で買った丸テーブル。

デンマーク家具の専門店「haluta」で買った丸テーブル。

キッチン横にある構造体をレンガで覆ってアクセントに。

キッチン横にある構造体をレンガで覆ってアクセントに。

書斎のキャビネットは北欧家具専門店「HIKE」のもの。

書斎のキャビネットは北欧家具専門店「HIKE」のもの。

書斎からキッチンへの眺め。

書斎からキッチンへの眺め。

壊せない壁は個性的に作り込み、内装の主役に。

壊せない壁は個性的に作り込み、内装の主役に。

大型収納のほとんどが現場造作。

この物件を語る上で欠かせないのが、ダイニングキッチン。3方向の窓から日光の注ぐ明るいキッチンの真ん中には、アイランドキッチンが鎮座する。
「もともとの間取りでは、現在テレビのある部屋にキッチンがありました。水回りの場所を大幅に変えたので、排水を通すためアイランドキッチンの床は15cmほど上げてあります。そのためキッチンに立っていると、窓の景色と各部屋を見下ろすような、開放感のある眺望が楽しめます」と、みゆきさん。
そして見えないところでは、無駄を省くための工夫も隠されている。
「造作キッチンのように見えると思いますが、実は内側にはシステムキッチンが入っています。背板や腰壁など露出する部分だけを造作することで、費用を抑えながらも理想のデザインに近づけることができました」と話すのは、ハウストラッド広報の水野さん。

また、大型の収納棚はほとんどが作り付け家具。つまり施工の際、現場で造作したものだ。ダイニング壁面の棚や、玄関の靴箱、テレビ台まで造作されている。
「現場造作のメリットは、寸法を細かく調整できて効率のよい収納をつくれるだけではないんです。家具をあとからオーダーメイドで注文するより、費用を抑えられるケースが多いという利点も。そのため、うちでは家具作りもできる大工さんを採用しています」と続けた。
「以前の住まいでは収納が部屋ごとに分かれていたので、頻繁にものを取りに移動していました。今はほとんどがダイニングの壁面収納に収まっているので、動線がスムーズに。かなり暮らしやすくなりました」と、みゆきさんも満足している様子。

築28年、総面積は約108㎡。

築28年、総面積は約108㎡。

ソファとコーヒーテーブルは「IKEA」で揃えた。

ソファとコーヒーテーブルは「IKEA」で揃えた。

テレビ台をはじめ、大型家具の多くは造作した。

テレビ台をはじめ、大型家具の多くは造作した。

息子さんの寝室。

息子さんの寝室。

ご夫妻の寝室。

ご夫妻の寝室。

リビングからバスルーム方向への眺め。

リビングからバスルーム方向への眺め。

脱衣所の壁は正方形の白タイルで統一。

脱衣所の壁は正方形の白タイルで統一。

壁が主役。マイナス点をプラスに昇華。

リノベーションをする際に頭を悩ませたのが、空間を3つに遮る構造体の壁。今回のような100㎡を超えるマンション物件では、こうした問題が計画の制約になることは少なくない。
内装デザインを担当した細田さんは語る。
「壁が壊せないとわかった時点で、壁をインテリアの主役にしようと決めました。たとえばリビングの壁には内装での使用は珍しい石の素材・石英岩、書斎にはミッドセンチュリーらしい木の素材・シナを選びました。そして壁が空間を分断するのではなく、壁をぐるりと回遊しながら各部屋に行けるような、全体に繋がりのあるデザインを意識しました。一見マイナスに思えるこうした制約も、工夫次第では唯一無二のチャームポイントに変えられる。そんなところも中古物件リノベーションならではの魅力だと思います」
生活空間は、床に足触りのいいカーペットを選択。

生活空間は、床に足触りのいいカーペットを選択。

玄関の壁にはコペンハーゲンリブを採用。

玄関の壁にはコペンハーゲンリブを採用。

高さはトイレのドアに合わせて統一感を。

高さはトイレのドアに合わせて統一感を。

19㎡と広いウォークインクローゼット。

19㎡と広いウォークインクローゼット。

コートやスカートも掛けられる高さに。

コートやスカートも掛けられる高さに。

リノベーションは「HOUSETRAD」に依頼。

リノベーションは「HOUSETRAD」に依頼。

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