設計士夫妻の実験住宅商店街に面した古いビル。
1階に小商いのスペースを併設
解体後に設計変更も
横浜市内の商店街に面した築約40年のビルの3階が梅村陽一郎さんと侑子さんのお宅。
「クリエイターと一緒に古いビルをリノベーションして再生する、ユニークな活動をしている泰有社が手掛ける物件の一室です。
3階の自室の他に、1階の店舗スペースも借り受けて、『アキナイガーデン』を運営しています。
以前から住まいと同じ建物内に“商いの場”を作りたいと考えていました。賃料が手頃で、自室のリノベーションも自由にできる物件を探し、ここに決めました」
「クリエイターと一緒に古いビルをリノベーションして再生する、ユニークな活動をしている泰有社が手掛ける物件の一室です。
3階の自室の他に、1階の店舗スペースも借り受けて、『アキナイガーデン』を運営しています。
以前から住まいと同じ建物内に“商いの場”を作りたいと考えていました。賃料が手頃で、自室のリノベーションも自由にできる物件を探し、ここに決めました」
陽一郎さんと侑子さんはともに設計士。自室と『アキナイガーデン』のリノベーション設計は自分たちで行った。
「天井、床、壁、かなりの部分を断舎離し、寝室の天井と床、一部の照明器具を残しました。
古いビルなので、解体してみないと配線や配管のはっきりとした位置がわからず、現場につきっきりで都度判断しなければならないことが多かったです。実際、浴室の配管が予想とまったく違い、設計をし直すことになりました」
リノベーションで床材を剥がして出てきた荒々しい床面。「凹凸があるので、キッチンの設置の際は苦労をおかけしました」
床材を剥がしたら出てきた黒い接着剤が、凹凸のある床にさらに表情を加えている。
黒い長いバーはプロジェクターのためのスピーカー。壁は床と同様躯体現しに。「壁の防塵塗装はこれからやりたいと思っています」
キッチンは素地のMDFで納品されるtoolboxのオリジナル。「床を剥がして出てきた接着剤の黒に合わせてキッチンの扉を黒に決め、DIYで塗装しました」
サボテンの鉢は黒に統一。サボテンのカタチの面白さが際立つ。
1階には小商いのスペース
念願の小商いのスペースも3階の自室と同時にリノベーション。奥にはお茶や軽食を作ることができるキッチンがあるので、小売の他、飲食の商いも可能だ。
床は砂を混ぜた樹脂塗料を使ってザラリとした質感に。
「屋号がアキナイ“ガーデン”なので、庭にいるイメージに仕上がったので満足しています」
窓の上の本棚は最近設置したのだそう。
「昨年6月のオープン当初はモノが少なかったのですが、家にいるようなくつろげる空間にしたいので、少しづつ手を加えています」
コロナ感染予防の自粛期間中は、梅村さんがセカンドオフィスとして活用したそう。
窓の外に大岡川の緑が広がる。桜の時期は川沿いの道がとても賑わうのだとか。窓の上にも本棚を設置。
棚にはガラス作家の高橋漠さんの作品が飾られている。
『アキナイガーデン』の刺繍は、陽一郎さんの友人が見つけた作家さんに依頼して製作してもらったそう。
日替わりオーナー店舗『アキナイガーデン』。スケジュールが外壁にわかりやすく書かれている。
壁や机はDIYで
「内装の9割方は大工さんに依頼しましたが、自分たちでできるところはDIYしています。壁を塗ったり、床に防塵塗装したり、キッチンの扉は床を剥がして現れた黒い接着剤の色に合わせて黒に塗装しました」
住みながらのDIYは、日中の光の加減を見ながら塗料や色を決められるのが良かったのだそう。
「ただ、まだキッチンも届いていない、ガスも使えない状態で引っ越したので、お風呂にも入れず、大変でした(笑)」