50㎡未満の建築家自宅リノベーション狭くても快適に過ごせる、
置き家具のない家
大きな家具は、すべて造り付けにしました。
大内久美子さんはパートナーと2人、そして猫1匹で暮らしている。5年前に約46㎡ある築43年の中古マンションを購入し、フルリノベーションをした。共に建築士として働く大内さんたちは、この家の設計図面から管理監督までを自分たちで手掛けた。
「2人とも建築関係の仕事をしていますが、最初から最後まで意見が割れることはほとんどなかったです。というのも、それぞれ見ているポイントが違ったからだと思います。たとえば引き戸の立て付けなどの実用的なところは彼、全体的なデザインは私が担当しました」と、話す久美子さん。
内装デザインを決める上で意識したことは、大きく分けて2つあると久美子さんは話す。ひとつ目は、置き家具を置かないこと。リビングにあるコーヒーテーブル以外は、すべて造り付けの家具だ。
「ダイニングテーブルもベッドも、大きな家具は全て造り付けにしました。この空間にいろんな種類の置き家具をもってくると、それだけですごい場所をとってしまうんですよね。総面積が46㎡でも狭く感じない理由は、そこだと思います」
「2人とも建築関係の仕事をしていますが、最初から最後まで意見が割れることはほとんどなかったです。というのも、それぞれ見ているポイントが違ったからだと思います。たとえば引き戸の立て付けなどの実用的なところは彼、全体的なデザインは私が担当しました」と、話す久美子さん。
内装デザインを決める上で意識したことは、大きく分けて2つあると久美子さんは話す。ひとつ目は、置き家具を置かないこと。リビングにあるコーヒーテーブル以外は、すべて造り付けの家具だ。
「ダイニングテーブルもベッドも、大きな家具は全て造り付けにしました。この空間にいろんな種類の置き家具をもってくると、それだけですごい場所をとってしまうんですよね。総面積が46㎡でも狭く感じない理由は、そこだと思います」
居るだけで落ち着く。ピットリビングとは?
ふたつ目は、色のトーンを揃えること。目指したのはシンプルなデザインでありながら冷たくなりすぎない家だった。
「簡素でスッキリしている空間が好みなのですが、味気なくなってしまうのは嫌でした。オフィスではなく自宅なので、人肌を感じる、温かみのある場所であることを大切にしています」
壁や床にはベージュとグレイの中間色を使いつつ、ところどころに使われた木材が温かみを感じさせる。
「全体に似たような色のトーンで合わせているのがポイントです。なぜかというと、完成したあとにもってくる雑貨や家具には色鮮やかなものが多いからです。それらとかち合わないように、ベースをつくりました」
そして地続きになっているリビングとダイニングは、床の素材と段差に変化をつけることでゾーニングさせた。
「トーンを統一したことで、キッチンとリビングの区分けが曖昧になり、窮屈に感じることが心配でした。そこでキッチンの床を15㎝上げて、リビングの床はカーペット素材に。床が一段低いピットリビングにすることで、おこもり感のあるくつろぎスペースになりました」と続けた。
「簡素でスッキリしている空間が好みなのですが、味気なくなってしまうのは嫌でした。オフィスではなく自宅なので、人肌を感じる、温かみのある場所であることを大切にしています」
壁や床にはベージュとグレイの中間色を使いつつ、ところどころに使われた木材が温かみを感じさせる。
「全体に似たような色のトーンで合わせているのがポイントです。なぜかというと、完成したあとにもってくる雑貨や家具には色鮮やかなものが多いからです。それらとかち合わないように、ベースをつくりました」
そして地続きになっているリビングとダイニングは、床の素材と段差に変化をつけることでゾーニングさせた。
「トーンを統一したことで、キッチンとリビングの区分けが曖昧になり、窮屈に感じることが心配でした。そこでキッチンの床を15㎝上げて、リビングの床はカーペット素材に。床が一段低いピットリビングにすることで、おこもり感のあるくつろぎスペースになりました」と続けた。
エレベーターのないマンションは明るい。
物件選びにも、建築士ならではの視点が活きている。
「一番の決め手は、エレベーターがなかったことです。エレベーターのあるマンションには構造上、必ず廊下があります。そうなると部屋の片側が暗く、廊下の先に長方形の部屋があるウナギの寝床みたいな、あの定番の間取りができあがります」と、説明してくれた。
この物件のような古い低層マンションのほか、団地にもエレベーターのない物件は多いという。そうした物件は両面採光がとれていて、明るく良好な環境である可能性が高い、と久美子さんは話す。
「在宅勤務を前提としていたので、視界が抜けないと息がつまるだろうなと思っていました。ここへ内見に来たとき、三面窓から流れる風と日光が印象的でした。北西側に窓があると、風が抜けやすいんですよ。奥行き感があって、視線が抜ける感じも好印象でした」
また実際に住み始めて、ものを持つことへの考えに変化があったという久美子さん。
「自分がものに対してどう向き合っていくのか、考えをきちんともっていれば、狭い家でも快適に過ごしていけると思います。家が大きくなればなるほど、掃除する時間もかかるし、整理整頓が難しく、ものを溜めがちになります。きれい好きな人なら問題ないと思うのですが、私は片付けが得意ではないので(笑)。家が小さいとたくさんの物を置けないので、常に取捨選択をしていかなければいけない。そうすると、自分でものを整頓する習慣がつきやすいんですよね。掃除もさっと終わるし、狭いというのは決してデメリットではないと思います」と、笑顔で締め括ってくれた。
「一番の決め手は、エレベーターがなかったことです。エレベーターのあるマンションには構造上、必ず廊下があります。そうなると部屋の片側が暗く、廊下の先に長方形の部屋があるウナギの寝床みたいな、あの定番の間取りができあがります」と、説明してくれた。
この物件のような古い低層マンションのほか、団地にもエレベーターのない物件は多いという。そうした物件は両面採光がとれていて、明るく良好な環境である可能性が高い、と久美子さんは話す。
「在宅勤務を前提としていたので、視界が抜けないと息がつまるだろうなと思っていました。ここへ内見に来たとき、三面窓から流れる風と日光が印象的でした。北西側に窓があると、風が抜けやすいんですよ。奥行き感があって、視線が抜ける感じも好印象でした」
また実際に住み始めて、ものを持つことへの考えに変化があったという久美子さん。
「自分がものに対してどう向き合っていくのか、考えをきちんともっていれば、狭い家でも快適に過ごしていけると思います。家が大きくなればなるほど、掃除する時間もかかるし、整理整頓が難しく、ものを溜めがちになります。きれい好きな人なら問題ないと思うのですが、私は片付けが得意ではないので(笑)。家が小さいとたくさんの物を置けないので、常に取捨選択をしていかなければいけない。そうすると、自分でものを整頓する習慣がつきやすいんですよね。掃除もさっと終わるし、狭いというのは決してデメリットではないと思います」と、笑顔で締め括ってくれた。