二人の趣味が響き合う 無国籍な空間

築30年の部屋をリノベーション二人の趣味が響き合うオリジナルな空間

光と風に満ちる最上階の角部屋

飲食業を営むTさんと会社員の奥さま、そして2匹の愛猫・2羽のカナリアが暮らすのは、神楽坂の住宅街に建つ築30年ほどのマンション。部屋が最上階の角に位置するため、3面に開口部があり、光と風がたっぷりと入るのが特徴だ。「風通しがいいので、夏でも窓を開ければ心地よく過ごせます」(奥さま)。
Tさんがここに暮らすようになったのは7年前のこと。「入居を機に、大幅にリノベーションを行いました。和室をダイニングに変えてリビングとの間にあった壁を取り払い、さらにキッチンとダイニングの間の壁を一部抜いてカウンターを設けました。LDKがひとつながりの空間となったことで、開放感が生まれました。また使いづらかった廊下にウォークインクロゼットを設けて収納を確保しました」(Tさん)。
床や扉、家具などダークブランを基調とした落ち着いた空間に、海外生活の経験も豊富な奥さまが愛用する家具などが加わったことで、空間に彩りと華やかさが加わった。
マンションの最上階のため、気持ちの良い風が吹き抜ける。窓の外のグリーンカーテンは朝顔。「毎年夏には朝顔を植え、冬になったら刈り取って日差しを入れています」。

マンションの最上階のため、気持ちの良い風が吹き抜ける。窓の外のグリーンカーテンは朝顔。「毎年夏には朝顔を植え、冬になったら刈り取って日差しを入れています」。

ベランダだけでなく、室内にもグリーンがたくさん。奥の丸い穴の開いた茶色いボックスは、2匹の愛猫、つぐみとひばりのトイレ。左手は佐原で買った食器棚。

ベランダだけでなく、室内にもグリーンがたくさん。奥の丸い穴の開いた茶色いボックスは、2匹の愛猫、つぐみとひばりのトイレ。左手は佐原で買った食器棚。

光と風が通るため、植物がすくすくと育つ。グリーンの世話はTさんが担当。

光と風が通るため、植物がすくすくと育つ。グリーンの世話はTさんが担当。

5、6年育てているステファニアエレクタの葉をリビング中に誘引している。

5、6年育てているステファニアエレクタの葉をリビング中に誘引している。

イギリス製のライティングビューローは近所のアンティークショップで購入したもの。Tさんのデスクとして使っている。

イギリス製のライティングビューローは近所のアンティークショップで購入したもの。Tさんのデスクとして使っている。

2羽のカナリアの鳥籠は、猫たちの手が届かないところに吊っている。下部を包む布は、エサや羽の飛び散り防止のためのもので、ケニヤの布で知人に作ってもらったもの。

2羽のカナリアの鳥籠は、猫たちの手が届かないところに吊っている。下部を包む布は、エサや羽の飛び散り防止のためのもので、ケニヤの布で知人に作ってもらったもの。

イモのような塊根が見事に育ったステファニアエレクタ。「本来は冬になると葉が枯れるはずなのすが、常緑で茂り続け、ツルがどんどん伸びています」(Tさん)。

イモのような塊根が見事に育ったステファニアエレクタ。「本来は冬になると葉が枯れるはずなのすが、常緑で茂り続け、ツルがどんどん伸びています」(Tさん)。

ダイニングの一画にワークスペースを新設

家具類はアンティークショップや古道具店で見つけることが多いというTさん。ライティングビューローやバーカウンターなど、設置する壁面にぴったりのサイズのものを探すのが得意なのだそう。最近では、コロナの影響で在宅ワークが中心になった奥さまのために、ダイニングスペースの一画にワークスペースを新設。古道具屋で見つけたアンティークの棚をデスクとして使えるように調整した。「おかげで、家にいても快適に仕事ができるようになりました」(奥さま)。

去年は、夫妻で訪れた千葉県佐原の古道具屋で食器棚を購入。2つセットでダイニングに据えられている棚は、江戸時代のものだという。「二人とも器が好きなので、どんどん増えてしまって(笑)。ずっと食器棚を探していて、やっと見つけました」(Tさん)。

リビングとダイニングは収納家具を使って間仕切っている。テレビ台はキャスター付きの可動式のため、リビングとダイニングのどちらにも動かせる。

リビングとダイニングは収納家具を使って間仕切っている。テレビ台はキャスター付きの可動式のため、リビングとダイニングのどちらにも動かせる。

収納家具は猫たちの居場所でもある。ペットグラスのある段に座り、下の段の金魚の水槽の水を飲むのがお気に入りなのだそう。

収納家具は猫たちの居場所でもある。ペットグラスのある段に座り、下の段の金魚の水槽の水を飲むのがお気に入りなのだそう。

愛猫は福井県熊川宿で保護されたきょうだい猫を引き取った。住まいの随所に猫のためのスペースが設けられている。

愛猫は福井県熊川宿で保護されたきょうだい猫を引き取った。住まいの随所に猫のためのスペースが設けられている。

ダイニングスペースの一画に、奥さまのワークスペースを設けた。

ダイニングスペースの一画に、奥さまのワークスペースを設けた。

デスクはアンティークの棚の脚を切って高さを調節したもの。使わないときは扉を閉めておける。

デスクはアンティークの棚の脚を切って高さを調節したもの。使わないときは扉を閉めておける。

ダイニングからキッチンを見る。キッチンカウンターはブラインドで間仕切ることができる。

ダイニングからキッチンを見る。キッチンカウンターはブラインドで間仕切ることができる。

カウンター越しにキッチンを見る。二人とも料理は得意だが、今はTさんがキッチンに立つことが多いそう。

カウンター越しにキッチンを見る。二人とも料理は得意だが、今はTさんがキッチンに立つことが多いそう。

使いやすく整えられたキッチン。最近扉を交換したばかり。

使いやすく整えられたキッチン。最近扉を交換したばかり。

キッチンからリビングを見る。

キッチンからリビングを見る。

暮らしの楽しみが詰まった空間

ダイニングは、もともとは独立型だったキッチンの壁の一部を取り払い、ダイニング側にカウンターを設置してある。壁を抜いたことにより、キッチンで料理をしつつ、ダイニングやリビングの家族の気配を感じることができるようになった。
コロナ禍以前には友人を招いてお酒を楽しむことも多かったというTさん。そんなとき大活躍するのが、バーカウンターになるアンティークのキャビネットだ。観音開きの扉を開けると、内側にグラスやお酒を収納することができる本格的なもので、パーティをおおいに盛り上げてくれる。「これも古道具屋で見つけたものですが、もとは横浜のお屋敷で使われていたそうです」。
時間をかけて見つけた家具や蔵書、アートが彩る空間は、一言で「○○風」と表現できないオリジナルな空間。旅の思い出や日々の楽しみがぎゅっと詰まった住まいは、インテリアの楽しみを改めて教えてくれる。
リビングの一画に置かれた重厚な棚。

リビングの一画に置かれた重厚な棚。

扉の中に、グラスやお酒が収納されている。

使う時は扉を開き、収納部を内側にしてバー仕様に。

使う時は扉を開き、、収納部を内側にしてバー仕様に。

玄関ホール。奥の廊下の本棚には二人の蔵書が並ぶ。

玄関ホール。奥の廊下の本棚には二人の蔵書が並ぶ。

玄関ホールにはポスターや絵画が飾られている。

玄関ホールにはポスターや絵画が飾られている。

ディスプレイが楽しい廊下。

ディスプレイが楽しい廊下。

廊下からリビングを見る。左手に見えるのがウォークインクロゼットの扉。

廊下からリビングを見る。左手に見えるのがウォークインクロゼットの扉。

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