住みながら仕上げる住まい急な転居を逆手に取り、
スケルトン空間を楽しむ
とにかく住めるようにすることを優先
『toolbox』スタッフの小林孝寿さんは、彩さんと孝輔くんの住む島根県と、職場のある首都圏を行き来する生活をしていた。
「このまま二拠点生活が続くだろうと思っていたのですが、妻も東京の会社に転職することになり、大急ぎで家族が住む家を見つなければならなくなりました」
猶予期間はわずか4ヶ月。その間に、物件を探して購入し、設計、施工、引っ越しまで済ませる必要があった。
「知人の紹介で見つけたのがこのテラスハウスです。緑の多い敷地にあり、広さも充分、妻の実家にも近いと環境は抜群。けれど築40年の建物が数年空き家だったこともあり、内装はボロボロ。1階の床下は腐っていました」 。
さらには動かせない構造壁があり、階段の位置も変えられず、間取りの変更が難しいという制限もあった。
「時間のない中、あまり手の込んだリノベーションは難しい。ならば最低限の機能だけ備えた、“住めるスケルトン住宅”にしてしまおう、と考えました」
「このまま二拠点生活が続くだろうと思っていたのですが、妻も東京の会社に転職することになり、大急ぎで家族が住む家を見つなければならなくなりました」
猶予期間はわずか4ヶ月。その間に、物件を探して購入し、設計、施工、引っ越しまで済ませる必要があった。
「知人の紹介で見つけたのがこのテラスハウスです。緑の多い敷地にあり、広さも充分、妻の実家にも近いと環境は抜群。けれど築40年の建物が数年空き家だったこともあり、内装はボロボロ。1階の床下は腐っていました」 。
さらには動かせない構造壁があり、階段の位置も変えられず、間取りの変更が難しいという制限もあった。
「時間のない中、あまり手の込んだリノベーションは難しい。ならば最低限の機能だけ備えた、“住めるスケルトン住宅”にしてしまおう、と考えました」
あえて“スタイル”を作らない
“住めるスケルトン住宅”とはどんなものか……。
「最低限のインフラは備えながら、特定のインテリアのスタイルやテイストを持つに至る前の空間だと考えました」
そこで内装を剥がし、床や壁、天井を躯体現しに。外に面する壁だけ、断熱をし直してグレーに塗装。ロフト収納などの不要なものは撤去した。
「ひとつひとつの空間をどう使うかを考える時間的余裕がなかったこともあり、フローリングなどの床材を使わず、できるだけ躯体現しにしています」
そして生活に必要なキッチンやトイレと洗面、バスルーム、冷暖房設備を整えた。
「水回りの位置を移動するのが難しかったため、場所はほとんど動かしていません」
「最低限のインフラは備えながら、特定のインテリアのスタイルやテイストを持つに至る前の空間だと考えました」
そこで内装を剥がし、床や壁、天井を躯体現しに。外に面する壁だけ、断熱をし直してグレーに塗装。ロフト収納などの不要なものは撤去した。
「ひとつひとつの空間をどう使うかを考える時間的余裕がなかったこともあり、フローリングなどの床材を使わず、できるだけ躯体現しにしています」
そして生活に必要なキッチンやトイレと洗面、バスルーム、冷暖房設備を整えた。
「水回りの位置を移動するのが難しかったため、場所はほとんど動かしていません」
収納と子ども部屋の計画はこれから
設計時に収納の計画を立てる時間的余裕がなかった小林さんは、住みながら物をしまう位置を検討し、家具を選んだ。
スペースの使い方も住みながら考えている。
「今は2階の一部屋が寝室兼ワークスペースになっています。来年の春に小学生になる息子の子供部屋をどう作ろうか、頭を悩ませている最中です」
スペースの使い方も住みながら考えている。
「今は2階の一部屋が寝室兼ワークスペースになっています。来年の春に小学生になる息子の子供部屋をどう作ろうか、頭を悩ませている最中です」
リノベーションの仕事を通し、建物を素材として使うとおもしろいと教えてもらったという小林さん。部屋の使用目的はもちろん、家具を置く位置を予め決めてデザインを作り込むリノベーションがある一方で、小林さんのお宅はあえて何も決めないスケルトン住宅。住む人が選ぶ家具や暮らし方で住人の好みに染まる、個性を受け入れる余白がある空間だ。
「今は中古のマーケットが充実していることもあり、一生同じ家具を使い続ける必要はありません。暮らしの変化に合わせて家具を選び、部屋の使い方を柔軟に変えていく暮らし方を楽しみたいと思っています」