ホテルライクな住まい 余白を残した空間を 5年後に追加リノベーション

ホテルライクに暮らす余白を残した空間を
5年後に追加リノベーション

既存物件にない理想の空間を求めて

お子さんの幼稚園入園を機に、引っ越しを考えたのは6年程前。
「住みたい地域は決まっていました。当時はリノベーションのことはよく知らなくて。まず賃貸で探したところちょうどいい物件が見つからず、次に新築やリフォーム済みの分譲を探したのですが、細かく仕切られている間取りが、何か違うなと感じました」。
という安河内亮さん。そんな中、たまたま仕事でかかわりのあったワンストップサービス「リノベる。」のスタッフさんを通して、リノベーションという選択肢があることを再認識。探し始めて4軒目で見つけた、都心の人気エリアに建つ当時築20年程の物件を購入し、リノベーションすることに。
「「リノベる。」には管理組合や修繕計画の状況を調べてもらうなど、色々とサポートしてもらいました。初めてで分からないことが多かったのですが、安心して進めることができましたね」。
75.75㎡の角部屋をフルスケルトンにして、4LDKから1LDK+WICにリノベーション。

75.75㎡の角部屋をフルスケルトンにして、4LDKから1LDK+WICにリノベーション。

安河内亮さんと長男・優君。小上がり、リビング、キッチン、ダイニングがひとつながりになった空間を中心に、家族で過ごす。

安河内亮さんと長男・優君。小上がり、リビング、キッチン、ダイニングがひとつながりになった空間を中心に、家族で過ごす。

洞窟のような小上がりを

大通りから少し中に入った閑静な住宅街。水廻り以外すべてのスペースに窓がある、3角形のような形をした角部屋の4LDKをフルスケルトンにしてスタートした。
「当初は部屋が細かく分かれていて、本当にこの壁いるのかな、と思いました。デザイナーさんにできるだけワンルームっぽくつなげたいことを伝えました」。
独立していたキッチンの壁は取り払い、リビングダイニングに隣接していた和室と洋室も取り払って、広々としたLDKに。和室だったところには小上がりを設けた。
「小上がりの入り口の上の梁は壊せないんです。それならばと、左右に壁を設けて逆に入り口を狭くして、洞窟をくぐり抜けるような雰囲気にデザインしてもらいました」。
現在、小学生と幼稚園児のお子さんと家族4人で、夜はここに布団を敷き寝室にして就寝。ベッドのような雰囲気にするため、床も一段上に上げた。
「キッチンは壁付けからオープンな対面式にしました。ここに立つと小上がりもダイニングも全て見通せて、妻も子供たちの様子を見守りながら調理をすることができます」。
キッチンから小上がり方向を眺める。モルタルの壁、無垢の木の床と天井に包まれた空間を間接照明が照らす。

キッチンから小上がり方向を眺める。モルタルの壁、無垢の木の床と天井に包まれた空間を間接照明が照らす。

小上がりからLDKを。あえて壁を立てて囲った入り口にはカーテンレールを設置し、カーテンで仕切ることもできるようにした。

小上がりからLDKを。あえて壁を立てて囲った入り口にはカーテンレールを設置し、カーテンで仕切ることもできるようにした。

キッチンの奥にあった洋室を取り壊してダイニングに。ひとつながりの空間も、ゆるやかにゾーニングされている。

キッチンの奥にあった洋室を取り壊してダイニングに。ひとつながりの空間も、ゆるやかにゾーニングされている。

小上がりの部屋の出窓を活かして、掘りごたつのようなスペースを設置。ここで本を読んだりも。

小上がりの部屋の出窓を活かして、掘りごたつのようなスペースを設置。ここで本を読んだりも。

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ワイドバルコニーから光が差し込む。ブルーのカーペットは、安河内さんが気に入って集めた事例をヒントにして敷いた。

玄関から回遊できるWIC

「玄関は広めの土間にしたい、というリクエストもしました。当時はベビーカーがあったので正解でしたね」。
土間玄関から、シューズクローゼット、ウォークインクローゼットとつながり、廊下に抜ける回遊できる動線を確保。かつて洋室だった1室を使ったクローゼットに、家族全員分の衣類を収めている。
「実は入居後5年経って、追加のリノベーションを行ったんです。クローゼットのチェストはその時に造作しました。収納量が把握できてから造ったことで無駄がなく、ちょうどいいものができましたね」。
同時に行ったのは、子供部屋のリノベーション。
「床や壁は仕上げていましたが、その他は購入時のままでした。ここも、最初につくり込まないようにして、子供がある程度成長してから考えたいと思っていたんです」。
追加のリノベでは造作のベンチやテーブル、本棚などを設置。成長に合わせ考えられる余白を残したことも、正解だったそう。
左手のWICを通り、シューズクローゼットの向こう側から廊下に出ることも。オープンな収納は、ひと目で分かって便利。

左手のWICを通り、シューズクローゼットの向こう側から廊下に出ることも。オープンな収納は、ひと目で分かって便利。

かつてベビーカーを置いていたところはディスプレイスペースに。

かつてベビーカーを置いていたところはディスプレイスペースに。

家族全員分の衣類などを収めるWIC。収納量を考えて後からチェストを造作。

家族全員分の衣類などを収めるWIC。収納量を考えて後からチェストを造作。

ベンチとデスク、イスを造作した子供部屋。ベンチ下は収納になっている。デスクの天板やイスに用いたカラーは、お子さん達のリクエスト。

ベンチとデスク、イスを造作した子供部屋。ベンチ下は収納になっている。デスクの天板やイスに用いたカラーは、お子さん達のリクエスト。

子供部屋の本棚も造作で。ぴったり収まる上、既製品よりもリーズナブルだったそう。

子供部屋の本棚も造作で。ぴったり収まる上、既製品よりもリーズナブルだったそう。

素材にこだわり統一感を

ホテルのように洗練された居心地のいい空間は、デザイナーさんと打ち合わせを重ねて生まれたものだ。
「がちゃがちゃするのが好きではなくて、統一感のある感じにしたいと相談しました。素材も色々なものが混じり合うのではなく、いくつか組み合わせながらも1本でつながるイメージです」。
LDKの天井は、床の無垢フローリングより濃い色味にして変化をつけつつ、テレビボードやキッチンの棚、廊下のドアは同じラワン材で仕上げて統一感をもたせている。
「空間の大きさや雰囲気に合わせて、ダイニングテーブルも造作しました。選んでもらったペンダントライトなどのインテリアも、空間に合っていて気に入っています」。
初めてリノベーションを行ったことで、リノベの楽しさを知った、という安河内さん。もう1軒、挑戦したい気持ちも沸いているそう。
「でも子どもたちがここを気に入っていて離れたくないと言うんです(笑)。上の子は特に、一緒にリノベの経緯を体験しているので愛着が深く、この家が大好きなようですね。また今後、ゆっくりと考えていくつもりです」。
「なるべく生活感を消したい」と、キッチンには食器などがすべて収まる棚を造作。サンワカンパニーのシンプルなアイランドキッチンに、鉄と真鍮を使ったペンダントライトが似合う。

「なるべく生活感を消したい」と、キッチンには食器などがすべて収まる棚を造作。サンワカンパニーのシンプルなアイランドキッチンに、鉄と真鍮を使ったペンダントライトが似合う。

ソファは色、素材、デザインからFLANNEL SOFAをセレクト。

ソファは色、素材、デザインからFLANNEL SOFAをセレクト。

ダイニングテーブルは最初のリノベーション時に、この空間に合わせて造作。イスはマルニ木工のHIROSHIMA。ペンダントライトはFUTAGAMI 。

ダイニングテーブルは最初のリノベーション時に、この空間に合わせて造作。イスはマルニ木工のHIROSHIMA。ペンダントライトはFUTAGAMI 。

TVボードはラワンで造作。床から浮き上がっていることで奥行きを感じさせる。

TVボードはラワンで造作。床から浮き上がっていることで奥行きを感じさせる。

安河内亮さん。子供部屋でリモートワーク中。現在はリノベる株式会社に勤務。

安河内亮さん。子供部屋でリモートワーク中。現在はリノベる株式会社に勤務。

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