マンションライフの潮流 今、求められる
間取りの傾向を知る
ライフスタイルの多様化に応じて
マンションライフは、画一的な間取りやデザイン空間から、それぞれの好みに応じたスタイルへ。リノベーションの自由度もますます高まっている。なぜ今リノベブームが巻き起こっているのか、どんなプランが人気なのか。ワンストップリノベーションサービス「リノベる。」の一級建築士・山神達彦さんに伺った。
「最近では予めリノベーションして販売された中古マンションなども、少しここを変えたいという要望もあったりして、より自分らしい暮らしがしたい、こだわった空間に住みたいという気運がますます高まっていると感じています」。
かつては廊下を挟んで細かく分けられていた田の字プランが間取りの主流だった。
「住宅難の時代に大量供給された集合住宅は、供給の効率化が重要視されていたため画一的なプランでした。その頃はサラリーマンが多く生活形態も似ていて、家は住むところであり仕事は会社でするもの、と考える人が多かったんです。それが今は仕事も多様化していて、家族のカタチもライフスタイルも様々。そのため、それぞれの暮らしに応じた間取りが求められていると思います」。
「最近では予めリノベーションして販売された中古マンションなども、少しここを変えたいという要望もあったりして、より自分らしい暮らしがしたい、こだわった空間に住みたいという気運がますます高まっていると感じています」。
かつては廊下を挟んで細かく分けられていた田の字プランが間取りの主流だった。
「住宅難の時代に大量供給された集合住宅は、供給の効率化が重要視されていたため画一的なプランでした。その頃はサラリーマンが多く生活形態も似ていて、家は住むところであり仕事は会社でするもの、と考える人が多かったんです。それが今は仕事も多様化していて、家族のカタチもライフスタイルも様々。そのため、それぞれの暮らしに応じた間取りが求められていると思います」。
緩やかにプライベート空間を設ける
仕事も多様化し、テレワークも普及した今、家は職住分離から、職住近接へ。寝るだけでなく、仕事や趣味など、様々なことを叶えられる空間が求められている。
「ワンルームのような広い空間が人気の傾向は続いていますが、それと同時にワークスペースなど、自分だけの空間が欲しいというリクエストも、テレワークが始まるのと平行して増えてきました」。
書斎として独立させたり、LDKや廊下、またはクローゼットなどの一角に設けたり。家の中にプライベートな居場所を求める傾向も高まっているそう。
「プライベート空間を設ける場合も、半個室を造りながらガラスの室内窓を取り付けて、つながりを持たせたりするのが人気です。お子さんの様子を見守りながら仕事をすることができるし、空間のアクセントにもなります」。
仕事も趣味も楽しめる空間に
「色々な相談を受け、本当に今は趣味が多様であるなと感じています。洋服が好きなのでショップのようなウォークスルークローゼットが欲しいとか、マンガを楽しむための図書館のような本棚が欲しいとか、バスタイムを楽しみたいからガラス張りのバスルームが欲しい、とか。そういう個性や、趣味、ニーズに応じて間取りをパーソナライズしていく、というのが最近の傾向です」。
自宅でホームパーティーを開く人も増えていて、ゲストを呼ぶための空間を求める人、ペットと暮らすために共生空間を考える人など、家づくりはパーソナルに。
「特に今、アウトドアグッズを置くために土間が欲しいという要望がとても多いですね」。
アウトドアグッズに加え、キャリーケースやベビーカー、自転車など、日常的に使うものも置くことができる土間は大人気。玄関に広いスペースを設けることで、家全体を大きく見せる効果も望める。
「土間という形態はルーツを辿ると、昔の日本の農家と同じ考え方なんです。土間は外で必要なものを家の中に持ち込まず保管する場所であり、外と中との中間ゾーンとして存在していました。そういう空間が必要とされるのは、住宅の大量供給時代の前の、職住近接だった昔の時代に回帰してきている気がします」。
自宅でホームパーティーを開く人も増えていて、ゲストを呼ぶための空間を求める人、ペットと暮らすために共生空間を考える人など、家づくりはパーソナルに。
「特に今、アウトドアグッズを置くために土間が欲しいという要望がとても多いですね」。
アウトドアグッズに加え、キャリーケースやベビーカー、自転車など、日常的に使うものも置くことができる土間は大人気。玄関に広いスペースを設けることで、家全体を大きく見せる効果も望める。
「土間という形態はルーツを辿ると、昔の日本の農家と同じ考え方なんです。土間は外で必要なものを家の中に持ち込まず保管する場所であり、外と中との中間ゾーンとして存在していました。そういう空間が必要とされるのは、住宅の大量供給時代の前の、職住近接だった昔の時代に回帰してきている気がします」。
動線、効率化を大事に考える
職住近接、趣味も楽しみたい。家に多くが求められるようになった中で、マンションの限られた空間をどのように活用したらよいのか。プロがどう提案しているのかを聞いてみた。
「縦空間を活かしたいというニーズは高く、小上がりやロフトは人気です。ベッド代わりにもなるし、収納力も高められます。小上がりは畳を敷けば和の寛ぎも与えられるし、アクセントとしても有効です」。
快適に暮らす上で、考えたいのは収納と生活動線だ。
「回遊できるウォークスルークローゼットも人気ですが、そこに洗濯機を置き脱衣室とつなげて洗濯から収納までの動線を効率化するというプランを望む方も多いです。家事の簡略化は大事なポイントです」。
コロナ禍が続く中、注目されているのが“クリーンルーム”。玄関に近い位置に上着などをかけられるスペースと洗面を設け、そこで菌を落として室内へ入るためのスペースだ。
「動線を考える時、衛生面も考慮する人が多いですね。玄関付近に洗面台を設置するのは、もう標準といっていいくらいです。これまで、間取りはスペックから考えがちだったのですが、それぞれのライフスタイルや重視したいものによって考えていくのが、今のリノベーションです。そういった自由なプランニングのお手伝いをしていきたいですね」。
「縦空間を活かしたいというニーズは高く、小上がりやロフトは人気です。ベッド代わりにもなるし、収納力も高められます。小上がりは畳を敷けば和の寛ぎも与えられるし、アクセントとしても有効です」。
快適に暮らす上で、考えたいのは収納と生活動線だ。
「回遊できるウォークスルークローゼットも人気ですが、そこに洗濯機を置き脱衣室とつなげて洗濯から収納までの動線を効率化するというプランを望む方も多いです。家事の簡略化は大事なポイントです」。
コロナ禍が続く中、注目されているのが“クリーンルーム”。玄関に近い位置に上着などをかけられるスペースと洗面を設け、そこで菌を落として室内へ入るためのスペースだ。
「動線を考える時、衛生面も考慮する人が多いですね。玄関付近に洗面台を設置するのは、もう標準といっていいくらいです。これまで、間取りはスペックから考えがちだったのですが、それぞれのライフスタイルや重視したいものによって考えていくのが、今のリノベーションです。そういった自由なプランニングのお手伝いをしていきたいですね」。