一軒家レストランのシェフの自宅リノベ 鋼板のキッチンが主役。
大きな壁で仕切れるワンルーム。
ワンルームがツールームに。寝室エリアとキッチンエリア。
今年で結婚11年目を迎える湯澤家は夫婦と息子さんの3人暮らし。7年前に約53㎡ある築40年のマンション物件を購入し、フルリノベーションをした。
「義理の兄(妻の姉の旦那)が建築事務所をやっているので、マンションさえ安く買うことができれば、リノベーションはお願いしようと思っていました。物件探しの条件は、引っ越す前に住んでいた賃貸の家賃と比べて、引越し後も支払う金額が変わらないこと。それに加えて、息子の学区が変わらないエリアで、かつ自分の職場へも自転車で通える範囲内であることを念頭に入れて探しました」と話すのは、夫の湯澤秀充さん。
設計を担当したのは、親族でもある田中昭成ケンチク事務所の建築家・田中昭成さんだ。
「最初にデザインのテーマを決めたというよりは、やりたいことの優先順位を決める過程で自然と今の形になりました。まずやりたいことをリストアップしていただき、予算の中で何ができて、何ができないのか、どこを削るのかをじっくりと検討していきました」と、田中さんは当時を振り返る。
湯澤家の間取りはワンルームだが、壁を使って部屋を完全に二分することができる。玄関側に寝室、お風呂、クローゼットなどの生活エリアがまとまっていて、奥側には25㎡の大きなダイニングキッチンがある。その間にある複数の扉をすっかりと締め切れば、寝室エリアとキッチンエリアが二分されるという仕組みだ。
「義理の兄(妻の姉の旦那)が建築事務所をやっているので、マンションさえ安く買うことができれば、リノベーションはお願いしようと思っていました。物件探しの条件は、引っ越す前に住んでいた賃貸の家賃と比べて、引越し後も支払う金額が変わらないこと。それに加えて、息子の学区が変わらないエリアで、かつ自分の職場へも自転車で通える範囲内であることを念頭に入れて探しました」と話すのは、夫の湯澤秀充さん。
設計を担当したのは、親族でもある田中昭成ケンチク事務所の建築家・田中昭成さんだ。
「最初にデザインのテーマを決めたというよりは、やりたいことの優先順位を決める過程で自然と今の形になりました。まずやりたいことをリストアップしていただき、予算の中で何ができて、何ができないのか、どこを削るのかをじっくりと検討していきました」と、田中さんは当時を振り返る。
湯澤家の間取りはワンルームだが、壁を使って部屋を完全に二分することができる。玄関側に寝室、お風呂、クローゼットなどの生活エリアがまとまっていて、奥側には25㎡の大きなダイニングキッチンがある。その間にある複数の扉をすっかりと締め切れば、寝室エリアとキッチンエリアが二分されるという仕組みだ。
仏料理シェフのキッチン。グリル、鉄板、ガスコンロ、IHを完備。
夫である湯澤秀充さんは、フランスで修行を積んだフランス料理のシェフだ。現在は港区芝の路地裏に佇む古民家を改装したモダンフレンチレストラン「Restaurant eos(エオス)」を営んでいる。この家の主役であるキッチンには、そんな湯澤さんのこだわりが満載だ。
「食事を作る人も食べる人も、両方が楽しめるキッチンをつくりました。たとえば揚げたての天ぷらを目の前で配ったり、鉄板で焼肉をしながらその場で食べたり。カウンター席だけの小料理屋さん感覚で楽しめるのが理想でした」と話す。
なかでもこだわりは、長さ2.8mの鋼板で造作したキッチンの調理台。表面にはサビ加工を施した。
「工場へ行き、サビ加工の工程に立ち会いました。好みのサビ具合になったところで、台の表面にテフロン加工を施しサビを止めます。そうすることで、サビが手や衣類につかなくなるだけでなく、鍋などの調理器具を直に調理台に置くこともできます」と続けた。
そしてその調理台には、グリル、鉄板、ガスコンロ、IHと4種類の加熱設備を設けた。
「これで一通りの加熱はできます。たとえばIHはお湯が沸くのが早いので、IHでパスタを茹でながら、コンロではソースを作ったり。自宅でもストレスなく調理を楽しめています」
「食事を作る人も食べる人も、両方が楽しめるキッチンをつくりました。たとえば揚げたての天ぷらを目の前で配ったり、鉄板で焼肉をしながらその場で食べたり。カウンター席だけの小料理屋さん感覚で楽しめるのが理想でした」と話す。
なかでもこだわりは、長さ2.8mの鋼板で造作したキッチンの調理台。表面にはサビ加工を施した。
「工場へ行き、サビ加工の工程に立ち会いました。好みのサビ具合になったところで、台の表面にテフロン加工を施しサビを止めます。そうすることで、サビが手や衣類につかなくなるだけでなく、鍋などの調理器具を直に調理台に置くこともできます」と続けた。
そしてその調理台には、グリル、鉄板、ガスコンロ、IHと4種類の加熱設備を設けた。
「これで一通りの加熱はできます。たとえばIHはお湯が沸くのが早いので、IHでパスタを茹でながら、コンロではソースを作ったり。自宅でもストレスなく調理を楽しめています」
通路&クローゼット&書斎。3役をこなす空間使い。
総面積53㎡の実に25㎡をダイニングキッチンが占める湯澤家。キッチンを大きくする代わりに、その他の部分はコンパクトかつ機能的な設計になっているのもポイントだ。たとえばリビングのベンチは、ダイニングの椅子としての役割も担っている。
「リビングにはソファを置きたいと思っていました。でも大きなキッチンとソファを両方置くスペースの余裕はなかったので、どうしようか?と考えた結果、ダイニングの椅子とソファを兼用する今のアイディアが生まれました」と建築家の田中さん。
そして、部屋の左半分にまとめられた2つの寝室にも工夫を凝らした。
「寝室はコンパクトだけど窮屈さを感じさせないよう、可変性をもたせました。2枚の扉を開ければ、かなり開放的な空間になります(田中さん)」
「普段は家族みんなでリビングで過ごして、寝る時間になったらそれぞれの巣箱に戻る。そんなイメージです。秘密基地みたいで息子も気に入っているみたい」と、妻の暁子さん。
子供の寝室の下は、本棚に囲まれた書斎スペースとなっている。現在は、秀充さんが料理の本を読んだり、新しいメニューを考えたりするときに使うことが多い。
「通路であり、クローゼットであり、書斎でもある多機能スペースです。子供が大きくなって自分の部屋が必要になったら、仕切りをつけて個室にすることもできます(秀充さん)」
それぞれの空間が複数の機能を併せもつことで、やりたいことをしっかりと叶えながらも、家族4人でも窮屈さを感じさせない53㎡の空間が完成した。これからの湯澤家が家族とともに、どんな風に成長していくのか楽しみだ。
「リビングにはソファを置きたいと思っていました。でも大きなキッチンとソファを両方置くスペースの余裕はなかったので、どうしようか?と考えた結果、ダイニングの椅子とソファを兼用する今のアイディアが生まれました」と建築家の田中さん。
そして、部屋の左半分にまとめられた2つの寝室にも工夫を凝らした。
「寝室はコンパクトだけど窮屈さを感じさせないよう、可変性をもたせました。2枚の扉を開ければ、かなり開放的な空間になります(田中さん)」
「普段は家族みんなでリビングで過ごして、寝る時間になったらそれぞれの巣箱に戻る。そんなイメージです。秘密基地みたいで息子も気に入っているみたい」と、妻の暁子さん。
子供の寝室の下は、本棚に囲まれた書斎スペースとなっている。現在は、秀充さんが料理の本を読んだり、新しいメニューを考えたりするときに使うことが多い。
「通路であり、クローゼットであり、書斎でもある多機能スペースです。子供が大きくなって自分の部屋が必要になったら、仕切りをつけて個室にすることもできます(秀充さん)」
それぞれの空間が複数の機能を併せもつことで、やりたいことをしっかりと叶えながらも、家族4人でも窮屈さを感じさせない53㎡の空間が完成した。これからの湯澤家が家族とともに、どんな風に成長していくのか楽しみだ。