物件選びから資金計画までリノベを考え始めたら
最初に知っておきたいこと
後悔しないリノベのために
家選びの選択肢のひとつとして、今や外せなくなった既存マンションのリノベーション。実際にスタートする際には、何から始めたらよいのだろうか? 後悔しないリノベーションとは?大手メーカー、建築設計事務所、インテリアショップのリノベーション事業に、物件探しから施工までワンストップで依頼できるリノベーション会社など、相談窓口は様々だ。今回は、アドバイザーが不動産仲介からワンストップで面倒を見てくれるリノベーション会社「nu(エヌ・ユー)リノベーション」の高橋大悟さんと森誠也さんに、お話を伺った。
物件選びのポイントとは
リノベーションの場合、数ある物件の中で、何を基準に選択したらよいのだろうか。
「家探しはネット検索から始めることが多いので、将来的に売却することを考えるのなら駅近など、ヒットしやすいところを狙うのはイメージしやすいです。ただ、それを単純に資産価値としては捉えていません」。
駅近であっても相場より割高であれば、よい買い物とは言えない。
「駅徒歩5分の物件もあれば、徒歩15分坂の上、という物件もあります。それに対して、毎日通勤があるので駅に近い方がいいという方もいれば、リモート中心なのでバス便でもいいという方など、人によって求める価値は様々です。駅から遠くなったことで、スーパーや公園など別の生活圏に近くなったり、逆に暮らしやすくなった、というケースもあります」。
それぞれのライフスタイルや家族構成などによって、選ぶべき物件は変わってくる。
「大事なのは何に優先順位をつけるか、ということです。リノベーションを強く希望する人は、比較的、売却しやすい物件かどうかを基準にするというよりは、好みの内装に仕上げ、理想の暮らしができるかどうかを大事にされていると感じていますね」。
「家探しはネット検索から始めることが多いので、将来的に売却することを考えるのなら駅近など、ヒットしやすいところを狙うのはイメージしやすいです。ただ、それを単純に資産価値としては捉えていません」。
駅近であっても相場より割高であれば、よい買い物とは言えない。
「駅徒歩5分の物件もあれば、徒歩15分坂の上、という物件もあります。それに対して、毎日通勤があるので駅に近い方がいいという方もいれば、リモート中心なのでバス便でもいいという方など、人によって求める価値は様々です。駅から遠くなったことで、スーパーや公園など別の生活圏に近くなったり、逆に暮らしやすくなった、というケースもあります」。
それぞれのライフスタイルや家族構成などによって、選ぶべき物件は変わってくる。
「大事なのは何に優先順位をつけるか、ということです。リノベーションを強く希望する人は、比較的、売却しやすい物件かどうかを基準にするというよりは、好みの内装に仕上げ、理想の暮らしができるかどうかを大事にされていると感じていますね」。
耐震面について考える
長く住むためにも、気になるのは耐震面などの安全性。日本のマンションは、1981年を境として旧耐震基準・新耐震基準に分けられる。
「旧耐震の時代から建っているマンションの方が、実は立地がいいということがあり、これも優先順位により考えるべきところです。ただ、新耐震を選んでも地盤が弱い場合もあるので、ハザードマップなどで確認することが必要ですね」。
古いマンションであれば、耐震補強されているものを選ぶ手もある。また、構造壁で建物を支える「壁式構造」と、柱や梁で支える「ラーメン構造」があるが、どちらがよいのだろうか。
「壁式の方が安心な場合は多いです。ただ、そもそも4〜5階建てくらい迄しか造れず、エレベーターがついていない物件が多いのが壁式です。また、リノベのしやすさで言うと、ラーメン構造のように壁を壊せた方が可変性や自由度は高くなりますが、壊せない壁を活かして意匠として魅せた実例もあります」。
リノベであれば設計技術とセンスで、建物の持つそれぞれの条件を、個人の希望に合わせて活かすことも。新耐震or旧耐震、壁式構造orラーメン構造だけで選ぶのではなく、予算の中でライフスタイルに合わせ、トータルに考えることが求められる。
「旧耐震の時代から建っているマンションの方が、実は立地がいいということがあり、これも優先順位により考えるべきところです。ただ、新耐震を選んでも地盤が弱い場合もあるので、ハザードマップなどで確認することが必要ですね」。
古いマンションであれば、耐震補強されているものを選ぶ手もある。また、構造壁で建物を支える「壁式構造」と、柱や梁で支える「ラーメン構造」があるが、どちらがよいのだろうか。
「壁式の方が安心な場合は多いです。ただ、そもそも4〜5階建てくらい迄しか造れず、エレベーターがついていない物件が多いのが壁式です。また、リノベのしやすさで言うと、ラーメン構造のように壁を壊せた方が可変性や自由度は高くなりますが、壊せない壁を活かして意匠として魅せた実例もあります」。
リノベであれば設計技術とセンスで、建物の持つそれぞれの条件を、個人の希望に合わせて活かすことも。新耐震or旧耐震、壁式構造orラーメン構造だけで選ぶのではなく、予算の中でライフスタイルに合わせ、トータルに考えることが求められる。
内見時に把握したいこと
いくつか物件を絞ったら、内見に行く際には何を見てきたらいいのだろう。
「私たちがご案内するときは、基本的に管理会社が発行する重要事項調査報告書を取り寄せて、ある程度色々な数字をお伝えします。お客様が注意して見て頂くのであれば、外観や共有部がきれいにされているかどうかを確認したり、オーナーさんが居住中なら、まわりにどんな人が住んでいるかなどを聞いてみるといいでしょう」。
実際の暮らしや管理費・修繕の面などから考えて、マンションの規模はどの程度が理想的なのだろうか。
「例えば総戸数が5戸程度であれば、ゴミ捨てや掃除などを自主管理でやらなければならない場合が多いです。もちろんそれが楽しいという方であればいいのですが。管理人さんを雇っている場合でいえば、管理費は世帯で割るので、ある程度総戸数のある物件の方が各世帯の負担は軽くなります」。
戸数などマンションの規模、立地、築年数など変えられないハード面をトータルで判断した上で、ソフト面も視野に入れたい。
「管理面は後から改善しようと思えばできるので、買った後も自分たちの物件を守る努力はし続けてほしいとお伝えしています。何よりも、その建物に入ったときに住むイメージが持てるかどうか、気持ちがいいと感じられるかどうかが、大事な決め手になりますね」。
「私たちがご案内するときは、基本的に管理会社が発行する重要事項調査報告書を取り寄せて、ある程度色々な数字をお伝えします。お客様が注意して見て頂くのであれば、外観や共有部がきれいにされているかどうかを確認したり、オーナーさんが居住中なら、まわりにどんな人が住んでいるかなどを聞いてみるといいでしょう」。
実際の暮らしや管理費・修繕の面などから考えて、マンションの規模はどの程度が理想的なのだろうか。
「例えば総戸数が5戸程度であれば、ゴミ捨てや掃除などを自主管理でやらなければならない場合が多いです。もちろんそれが楽しいという方であればいいのですが。管理人さんを雇っている場合でいえば、管理費は世帯で割るので、ある程度総戸数のある物件の方が各世帯の負担は軽くなります」。
戸数などマンションの規模、立地、築年数など変えられないハード面をトータルで判断した上で、ソフト面も視野に入れたい。
「管理面は後から改善しようと思えばできるので、買った後も自分たちの物件を守る努力はし続けてほしいとお伝えしています。何よりも、その建物に入ったときに住むイメージが持てるかどうか、気持ちがいいと感じられるかどうかが、大事な決め手になりますね」。
気になる資金計画は
住宅購入が決まったら、キャッシュで購入する場合を除き、ローンを組む流れへと進む。リノベーションの場合は物件代金+リノベ費用を一括で借りることができる。ここで選択するのが「固定金利」と「変動金利」。固定金利の場合、元々の金利は変動金利よりも高めに設定されているが、金利が上がった場合もその影響を受けないのがメリット。一方で、金利の上昇・下降の影響を受けて常に利率が変わり、上昇のリスクを伴うのが変動金利だが、現在ならば0.5%前後の低金利で借りられるのは魅力的だ。
「固定金利は保険のようなもので、利息が変わらない安心感に対して保険料を支払いたい、という人には向いています」。
冒険はせず安定感を重視するのか、リスクを把握した上で低金利を選ぶのか。それぞれのメリット・デメリット、市場の動向を考慮して選びたい。
「固定金利は保険のようなもので、利息が変わらない安心感に対して保険料を支払いたい、という人には向いています」。
冒険はせず安定感を重視するのか、リスクを把握した上で低金利を選ぶのか。それぞれのメリット・デメリット、市場の動向を考慮して選びたい。
購買層は若い世代に拡大
キャッシュがあるのであれば、できるだけローンを軽くして、利息を減らした方が良いだろうか。
「ライフスタイルによって考え方は異なると思います。特に子育て世代では、学費のことなど、キャッシュを手元に残しておけるメリットは高いです。子育てが落ちついたところで繰り上げ返済する方法もあります」。
ローンは最長で35年まで組むことができるが(*最長40年の銀行も出てきている)、その通りに完済するケースはほとんどないという。
「繰り上げ返済したり、途中で売却したりする人が多いですね。最近はポストコロナで在宅が増え、購買者の年齢層も下がってきたと感じています」。
マンション人気は若年層に拡がっている。年齢や就業など、人生のどのタイミングで購入するのがいいだろうか。
「住宅購入の動機は人それぞれですし、買いたいと思った時がタイミングだと思います。個人的には、早い段階で購入するメリットは高いと考えます。当たり前ですが30歳と45歳であれば、返済期間に15年の差があります。また、今では、住宅購入を一生の買い物として考える人は少なく、ライフステージ・ライフスタイルの変化に伴い、カジュアルに家を買い替える人が増えています。新築から中古へ住み替える人もいれば、戸建からマンションに住み替える人もいます。家に暮らしを合わせる時代は終わり、暮らしに家を合わせる時代へと移り変わり、そしてリノベーションは暮らしの自由度をさらに向上させます」。
「ライフスタイルによって考え方は異なると思います。特に子育て世代では、学費のことなど、キャッシュを手元に残しておけるメリットは高いです。子育てが落ちついたところで繰り上げ返済する方法もあります」。
ローンは最長で35年まで組むことができるが(*最長40年の銀行も出てきている)、その通りに完済するケースはほとんどないという。
「繰り上げ返済したり、途中で売却したりする人が多いですね。最近はポストコロナで在宅が増え、購買者の年齢層も下がってきたと感じています」。
マンション人気は若年層に拡がっている。年齢や就業など、人生のどのタイミングで購入するのがいいだろうか。
「住宅購入の動機は人それぞれですし、買いたいと思った時がタイミングだと思います。個人的には、早い段階で購入するメリットは高いと考えます。当たり前ですが30歳と45歳であれば、返済期間に15年の差があります。また、今では、住宅購入を一生の買い物として考える人は少なく、ライフステージ・ライフスタイルの変化に伴い、カジュアルに家を買い替える人が増えています。新築から中古へ住み替える人もいれば、戸建からマンションに住み替える人もいます。家に暮らしを合わせる時代は終わり、暮らしに家を合わせる時代へと移り変わり、そしてリノベーションは暮らしの自由度をさらに向上させます」。