暮らしに寄り添うリノベーション夫婦二人が心地よく過ごす
柔らかな光に包まれた住空間
夫婦二人に適した住まいへ
豊かな緑と水辺の景観が美しい公園の側に建つ東京都台東区の築9年のマンション。60代の蟻川さん夫妻は、55㎡の2LDKの一室を購入し、リノベーションを行った。「もともとは長野県の55坪の戸建ての家に住んでいました。息子と娘も独立し、長らく二人暮らしをしていたのですが、部屋数なども多かったため掃除などが大きな負担となっていました。また、息子夫婦の仕事の関係で孫の面倒をみる必要性も出てきたため、今回東京への移住を決めました」(ご主人)。
今回、蟻川邸の設計を担当したのは、蟻川さん夫妻の息子であり、設計事務所「蟻川建築設計事務所」を主宰する蟻川佑太さん。佑太さんは今回のリノベーションについてにこう話す。「2LDKは近年では一般的な家族向けの間取りですが、高齢者の二人暮らしにとっては、必ずしも必要ではありません。ほとんどを家の中で過ごすことを想定して、ゆったりと過ごせる広々としたスペースを確保することが、二人にとっても満足度の高い住まいになると考えました」(佑太さん)。
既存の柱を生かした窓辺空間
リノベーションのテーマとなった広々としたLDKを実現するために、佑太さんはもともと洋室とLDKがあった空間を一つにするプランを提案。キッチンの配置を洋室があった場所に変更することで、リビング・ダイニングを用途に縛られることなくヨガスペースや書斎などとして自由に活用できるゆとりある広さを確保した。「このマンションは高層のため、大きな構造柱が外周に点在しているのが特徴でした。既存の建物がもつこの特徴を生かすデザインを考え、柱の間に造作の収納家具やソファを配置し、温かみのある窓辺空間をつくりました」(佑太さん)。この設計プランに対して、奥さまは「当初は、息子家族や娘家族が泊まることを考慮し、部屋数を減らすかどうか悩みました。レールなどで仕切れる間取りも選択肢にはありましたが、我々の普段の生活を優先して、2LDKから1LDKに部屋数を減らし、その分、LDKを広くし、収納スペースをしっかりと確保することにしました」と振り返る。
心地よい光と風が通り抜ける
リノベーションでは、リビング・ダイニングだけではなくキッチンの使いやすさにもこだわった。「スペースの都合で食器棚などを置くことが難しかったため、できるだけ多く収納できるように要望しました。私の背の高さに合わせた吊り戸棚なども造作してもらい、食器類も余裕をもって収納することができ、使い勝手のよいキッチンになりました」(奥さま)。
佑太さんとともに、ライフスタイルに合った心地よいLDKをつくり上げた蟻川さん夫妻。「二面の大きな窓からはたっぷりと光が入り、部屋中に風が通り抜けるのでとても気持ちがいいです」とご主人。一方、奥さまは「白をベースに随所にオーク材を組み合わせたデザインも気に入っています。家具も一新したのですが、どの家具も空間にぴったりとフィットして感動したのを覚えています」と振り返る。この住まいでの蟻川さん夫妻の暮らしはまだ始まったばかり。佑太さん一家や娘さん一家も交えた豊かな家族の時間が、これから紡がれていくことだろう。
佑太さんとともに、ライフスタイルに合った心地よいLDKをつくり上げた蟻川さん夫妻。「二面の大きな窓からはたっぷりと光が入り、部屋中に風が通り抜けるのでとても気持ちがいいです」とご主人。一方、奥さまは「白をベースに随所にオーク材を組み合わせたデザインも気に入っています。家具も一新したのですが、どの家具も空間にぴったりとフィットして感動したのを覚えています」と振り返る。この住まいでの蟻川さん夫妻の暮らしはまだ始まったばかり。佑太さん一家や娘さん一家も交えた豊かな家族の時間が、これから紡がれていくことだろう。