生活感が漂いすぎない空間北欧ビンテージ家具が溶け込む
スタイリッシュな暮らし
在宅時間のクオリティを上げる工夫
宮尾さん夫妻が築21年、およそ81㎡で3LDKのマンションの購入を決めたのは出産がきっかけだった。「元々近くに住んでいて居心地が良かったのですが、家族が増えて手狭になることが分かったタイミングで購入しました」と夫の拓さん。この時はそのまま住み始め、あらためてリノベーションをしたのはお子さんが1歳になってから。「育児が落ち着いたところで、一旦仮住まいに引っ越してからリノベーションをしました」と、バタバタだったけれど楽しかったと振り返る妻の千絵子さん。
テーマは“ほっこりしすぎないシックな空間”。「生活感がある空間ではなく、スタイリッシュな雰囲気を保ちたいという思いがあって。在宅ワークで長い時間を家で過ごすので、在宅時間のクオリティを上げたかった」と拓さん。一日を通して最も長い時間滞在するリビングダイニングを中心に、生活感が漂いすぎない工夫が随所に見られる。
北欧ビンテージ家具が合う空間
物件を購入後、リノベーションを依頼する施工会社を探したのは千絵子さんだった。「インターネットで様々な施工事例を見る中でSHUKEN Reを見つけまして。中でも1人のプランナーさんの事例が好みに合うしブレがないなと思って、その方を指名してお願いしました」。そんな宮尾さん夫妻が最も気に入っているのがダイニングキッチン。プランナーからの提案が全体をまとめる上で大事なポイントの一つになった。「西側の壁に備え付けの造作棚を設置するか悩んでいました。プランナーさんに相談したら、北欧のビンテージ家具に合う空間にしたいという私たちの想いを汲んでくれ、気に入った家具を購入して置いたほうがいいと勧められて」と千絵子さん。結果、購入したビンテージ家具が配色のベースになり統一感のある空間が生まれた。
壁は白の珪藻土がベースだが、リビングダイニングの西側はアクセントでモルタル壁になっている。ギリギリまで悩んだと千絵子さん。「日当たりが良い場所なので全て白だと明るすぎるなと。だからこそ空間をしめる色が欲しいと思って変えました」。アンセントとしてだけでなく、隣接するキッチンに貼られたグレーがかったタイルとの相性がいい。
リビングダイニングの開放感を確保するため、東側のワークスペースとは透明な間仕切りを設置した。「閉鎖的にならないよう広い繋がりを持たせるために、室内を見えるようにしました」とワークスペースを担当した拓さん。素材が割れにくいアクリルと頑丈なアルミで、子供への配慮もある。
カフェに居るようなくつろぎ感
全体的にシックな印象を与えるキッチンには千絵子さんのこだわりが随所に見られる。キッチンの奥にあるパントリーもこだわりの一つ。収納力を上げるため、キッチンと洗面室を繋ぐ動線をなくして、コの字型のパントリーにした。リビングダイニングから見える所には色が統一された家電が置かれ、見えない側に食材などが並んでいる。ほとんどがパントリーに収まっているため、作業スペースに余裕がありスッキリした印象を与える。腰壁には細かいひだのような表情が特徴的なリブ材が使われており、暗めのトーンがあるキッチンをリビングダイニングになじませる。
オンとオフの切り替えが難しいとも言われる在宅ワークをこなす宮尾さん夫妻の自邸は“オン”のワークスペースと、“オフ”の生活感ある空間がハッキリと分かれている。そんな中で、スタイリッシュに仕上げたリビングダイニングは、ニュートラルな空間としてオシャレなカフェに居るような雰囲気を持ち、完全なオフではないからこそ得られる、程よいくつろぎ感がある。
「家にいる時間のクオリティが上がったかなと。出かけるより家にいる方が多くなりました」と拓さん。
“オン”と“オフ”の間にニュートラルなリビングダイニングを設けることで、仕事や子育てに引っ張られすぎない日常を過ごすことのできる空間が作られている。