モノの住所を決めておくすっきり快適に暮らす
おひとり様仕様のワンルーム
腰壁で視線の広がりと明るさを確保
実家から徒歩20分の場所に、ひとり暮らしの城を作ったグラフィックデザイナーのSさん。頻繁に実家に帰るので、場所を限定して物件を探したそう。そしてリノベーションをする前提で、世田谷区内の築40年、45㎡の物件を購入。25㎡の小さなワンルーム、120㎡という広いテラスハウスに住んだ経験から、40〜50㎡ほどのサイズの家が住みやすいと考えた。
リノベーションは『HandiHouse Project(ハンディハウスプロジェクト)』メンバーの加藤渓一さんの家を本サイトで見て、パートナーに選んだ。
「『HandiHouse Project』が一緒に家づくりを進めてくださること、そして加藤さんがキッチンで使っているMDF素材が私も好きだったのでぜひお願いしたいと思いました」
家づくりは『HandiHouse Project』の大石義高さんと二人三脚でスタート。
ベッドは腰壁で囲い、キッチンを壁付けにするなど、リノベーションのアイディアは施主が、経験豊富な大石さんが設計と施工を担当。
そのベッドを囲う腰壁には棚が埋め込まれている。
「壁に棚を埋め込んでいる海外の写真を見て、ぜひ自分もやってみたいと思いました」
伸びやかなL字カウンター
壁際にデスクまで一体化させたL字型にカウンターを配置。伸びやかな直線が空間に広がりを感じさせる。コニファーという名前の色のダークグリーンのリノリウムを面材に使用。キッチンも同じリノリウムで仕上げ、統一感をもたせている。
カウンターの薄型の引き出しは、しまうモノに合わせて前開きと引き出しに分けた。
造作家具の木の色を合わせ、リノリウムの素材感を絞ることで、部屋に統一感が生まれている。
モノは増やさない
部屋をスッキリをさせるために、設計段階で自分が持っているものの量や大きさを測り、予めモノの住所を決めた。
そして居場所が決まったモノ以外の数は増やさない。
収納の少なさに大石さんも心配するほどだったとか。
「掃除が楽な部屋にしたかったんです。モノの数が少ないほうが掃除が楽なんです」
この住まいの素晴らしさは、施工の完成度の高さにもある。配置やバランス、細かな部分の収まりがしっかり詰められていて、とても美しい。
「工事中に何度かお邪魔して相談をさせてもらったことがよい経験になりました。
なにより、自分が描いたパースどおりにきれいに仕上がっていて、丁寧な仕事に感動しました」