5人家族で暮らす75㎡思い出の家に住み続けるために
16年後のリノベーション
家族形態の変化に合わせて
自然豊かな東京西部の多摩地域。商業施設などの開発も進行中の注目の街に、門脇さんご夫妻は2006年、新築マンションを購入した。
「これから発展していく街だな、という直感がありました」というのはご主人の恵二さん。75㎡強の2LDK に16年間暮らした中で、家族形態は大きく変化した。
「子供が3人生まれ成長するにつれて、それまでの間取りでは厳しくなってきたんです。持ちものも多かったので、もっと広い部屋に移りたいと考えていました」。
奥様の亜澄さんは、引っ越しを視野に入れ、色々と検討したそう。
「でも、駅近の立地やバルコニーから見える景色、地域コミュニティーなど、ここ以上の物件は見つかりそうにないし、離れることを想像するとやっぱり寂しくて。悩んでいたとき、LOHAS studioさんを知り相談に伺いました」。
当初はとりあえず収納だけでも増設したい、と軽いリフォームを希望していたそう。
「デザインのことなど、お話を聞いていたらだんだん気持ちが上がってきてしまって(笑)。クリエイティブな仕事をしていることもあり、家に帰っても刺激を受けるような空間に暮らしてみたいと思うようになりました」(恵二さん)。
結果、フルスケルトンにしてゼロからリノベーションをすることに。
アイランドキッチンは“部屋”感覚で
「いちばんの希望は、ものがちゃんと収められること、暮らしやすい動線にすることでした。出していただいた間取りを見たとき、“こんなことできるの?”とびっくりして。同じ面積の中に希望が全部入っていたんです」(亜澄さん)。
2LDK+WICだった間取りから、3LDK+WICへ。各スペースはコンパクトになりながらも、WICやパントリーはたっぷりと空間を確保、玄関三和土(たたき)も1.5倍の広さになった。
「以前はキッチンが独立していました。今はLDKの中心にアイランドキッチンがあるのですが、ここはキッチンというよりは“部屋”。手入れがしやすいので、キッチン台の上で子どもの勉強の丸つけもできたり、洗濯ものも畳めたり(笑)、もう1つのテーブルのような感覚なんです」(亜澄さん)。
隣接するダイニングスペースは、テーブルとベンチを造り付けに。
「ファミレスみたいで気に入っています(笑)。テーブルがガタガタしないし、コンセントもあり仕事ができる。ゲストが来たときには、詰めれば大人数で座ることもできます」(恵二さん)。
ベンチはキッチンからステップ状になっていてお子さんも移動しやすく、さらに下が収納に。亜澄さんが愛用する着物や着付け小物、家電などをたっぷりと収めている。
色使いで空間を遊んでみる
LDだったスペースの一角には主寝室を設けた。ステップのある小上がりになっていて、下は大容量の収納に。LDK側とベランダ側から、収めているものを出し入れすることができる。
「TVを壁付けにして、デッキなどを小上がりの下に収めているので、その分LDKのスペースを広く見せることができています」。
テレビまわりの壁は、使いたかったモールテックスで塗装。珪藻土の壁と天井、無垢のオークの床に包まれた自然の風合いの中、濃いグレーのアイランドキッチンとともに、スタイリッシュな雰囲気を添えている。
「黒系×木目が好きなテイストです。壁の色はベッドルームのグレー、トイレのボルドーなど、空間によってそれぞれ楽しんでいます。メイクスペースには柄のある壁紙を選びました」。
バスルームの向きを変えることによって確保した空間に、メイクスペースを。
「以前は洗面台の収納だけだったので、メイク道具などすべてを収める場所が欲しかったんです。バスルームと洗面の間にあり、動線もいいですね」。
余裕ある暮らしを楽しむ
ホテルに泊まるのが好きだというご夫妻。アマン東京やハイアットなど、泊まったホテルのインテリアが参考になったそう。
「黒を効かせたインテリアがイメージでした。スイッチなども目立たせないよう、細かいところまでこだわりましたね。LDKは夜になると間接照明でさらにいい雰囲気になり、バーにいるような気分になるんです。仕事が終わって帰宅してからの、このアイドルタイムが自分にとって大事です」と恵二さん。亜澄さんは、
「正直、出来上がるまでは半信半疑だったんです。でも部屋数は増えたのに、狭くなった感じが全くしていなくて。デッドスペースがなくなり広く使えるようになって、とても快適です。掃除もラクだし家事がしやすくなって、広さがあればいいわけではない、ということを実感しています」。
今は、以前から好きだったというグリーンやお花も楽しんでいる。
「前はうまく飾れなかったのですが、リノベーションをしてからどこに置いても映えるので嬉しくて。キッチン前では特に、垂れてくる植物がなんて似合うの、と毎日うっとりしています(笑)」。
たくさん揃えるフラワーベースなどの雑貨を収めるスペースもまだまだ余裕。豊かな暮らしが営まれている。