海外住宅のような雰囲気の空間に細部にまでこだわった
リノベーション
購入して数年後のリノベーション
都内の閑静な住宅街のマンションに暮らすT氏一家。夫妻がこのマンションを購入・入居したのは、2015年のこと。ご主人は「当時は別の街に住んでいたのですが、職場に近く、落ち着いた環境に住みかえたいと考えて探す中で、このマンションに出会いました」と話す。
夫妻が購入したのは、築8年の80.89平方メートルの1室。入居の際には壁紙を張り替えた程度で、大きな改修は行わなかった。「築浅だったこともあってあまり手をいれませんでしたが、いつかはリノベーションで自分たち好みの空間にできればと考えていました」(奥さま)。
夫妻がリノベーションを検討し始めたのは、2021年夏のこと。ご主人は「在宅勤務がメインになって家にいる時間が長くなったので、住環境を充実させたいと考えました」と振り返る。奥さまも「水回りも古くなってきていたので、タイミング的にもちょうどいいかなと考えたのです」という。
空間の主役は框組のオーダーキッチン
夫妻は、リノベーションをFINDに依頼。デザイナーの奥さまがインテリアが好きで、定期的にTOKOSIEを見ていてFINDを知ったそう。「FINDさんのサイトを見たところ、リノベーション実例のバリエーションがとても多く、私たちのマニアックな要望も聞いてもらえるかなと思い(笑)、連絡させていただきました」(奥さま)。
リノベーションを担当したのは、FINDの齊藤加奈子さん。夫妻が齊藤さんに伝えた要望は、自分たちの好みに合った内装に一新したいということだった。ほかに水回りを新しくすること、セミクローズドキッチンをオープンに変えること、収納を増やすことなどもリクエストした。齊藤さんは「もともとお使いの家具がセンスのよいものばかりでしたので、家具に合わせたリノベーションを提案させていただきました」と振り返る。
メインとなるLDKについては、齊藤さんはオーダーメイドキッチンを提案。奥さまは「当初はコスト面からメーカーキッチンも検討しましたが、最終的にオーダーにしました」と話す。デザインやカラーなどを決めるために何度もショールームに出かけてつくりあげたキッチンとカップボードは、ディスプレイも含めて空間の主役となっている。
ヘリンボーンの床で廊下も心地よい空間に
玄関から各室へと続く廊下はヘリンボーン張りで、框組のドアと調和して海外の住まいのような雰囲気を醸し出している。奥さまは「当初からヘリンボーンの床がいいと思っていたのですが、リビングは床暖房を導入するため難しいということになって。そうしたら、FINDさんから廊下に使うことをご提案してくださいました」と振り返る。
リノベ前の課題だった収納については、寝室に壁面いっぱいの収納を新たに設けた。収納量が大幅に増えたことにより、入居以来クローゼットとして使っていた部屋を子ども室として使えるように。壁紙を張り替え、窓辺にデスクを置いたことで、心地よい空間になった。
ディティールへのこだわりが空間の質を高める
T氏邸のリノベの特長は、細部にまでこだわりが貫かれていること。水回りについても、奥さまが選んだKOHLERの水栓金具やミラーを採用した。「水栓金具については、トイレはゴールド、洗面台はシルバーで統一しています」(奥さま)。齊藤さんは「さまざまなものを組み合わせて、T様ならではの世界観をつくりあげていらっしゃいます」と話す。
約3カ月間のリノベーションにより、生まれ変わったT氏邸。ご主人は「リビングが広くなり、ゆったり過ごせるようになりました。子どもはリビングでサッカーや空手の練習をしています」と微笑む。一方奥さまは「キッチンが使いやすくなったのが嬉しいです。自分たちの気に入ったインテリアに囲まれるのは最高ですね」と話す。意匠面・機能面ともにより上質になった住まいで、T氏一家の豊かな暮らしが紡がれていくことだろう。