ヴィンテージ家具が映えるアーチとラウンドでやわらかに
レトロな趣きの癒し空間
昭和のレトロ感をイメージして
都内のパティスリーに勤務するKさん。地元・会津で営んでいたカフェを閉店、上京するにあたって物件購入とリノベーションを決意した。
「賃貸に住むよりもいいよと、友人に勧められたんです。まずネットで検索して、立地や広さ、価格など条件に合う部屋を自分で見つけました。でも本当にリノベまでできるのかどうか不安で。nuリノベーションさんに相談したことで、スムーズに進みました」。
物件代金とリノベ費用を合わせたローン設定など、ワンストップならではのサービスが不安を払拭。同社の設計デザイナーとの打ち合わせで、思い描いていた空間を形づくっていった。
「キーワードは、少しレトロで昭和っぽい部屋。最終的には落ち着ける雰囲気がいちばん大事だと思うんです。もともと持っていた家具、ずっと欲しいと思っていた家具に合わせて計画していきました」。
ヴィンテージ家具をデザインソースに
デザインのベースとなったのは、ヴィンテージ家具のG-PLAN。もともと揃えていたイスやコーヒーテーブルに加え、どうしても新居に置きたかったダイニングテーブルがあったそう。
「G-PLANの丸い形のテーブルを置くことを決めていました。今は何でも直線が多いけれど、昔のマンションはラウンドしたベランダがあったりして、雰囲気のあるところがいいですね」。
ダイニングテーブルの緩やかな曲線に合わせて、アーチ開口をどこかに設けることも希望した。
「結果的に、玄関の土間とリビングの間の仕切りにアーチを付けてもらいました」。
フルスケルトンにして、間取りは再構成。約2倍の広さにした静謐な雰囲気の玄関三和土(たたき)から、アーチをくぐって室内へ。温もりのある家具に合わせた、穏やかで癒される空間が広がっている。
「予算のこともあったのですが、風通しをよくしたいので扉はなくてもいい、とお伝えしました。結果、ベッドルームにも扉はなく、ほぼワンルームになりました」。
広々としたLDKは、北側の土間の窓から南側のベランダに、光と空気が通り抜ける。
ピットリビングでお籠もり感を
「コンパクトな空間なので、仕切りたくはないけれど、緩くゾーニングはしたいなと思いました。かつリビングは落ち着ける雰囲気を出したいので、段差を付けてもらいました」。
ダイニングフロアから14cm下げたピットリビングは、お籠もり感が感じられる。ベージュ系のカーペットを敷いて、さらに暖かくリラックスできる雰囲気に。
「造作したソファは奥行きがあるので、ゆったりと座ったり、ゴロリと寝転がったりできて気持ちいいんです」。
リビングに接続したベッドルームの床は、タイルで切り替えた。
「当初はカーペットを敷くことを考えたのですが、張り替える時に手間がかかって大変だと思いました。結果、さっと掃除することができるし正解でしたね」。
清潔感のある静寂なベッドルームの奥にはウォークインクローゼットを。ゆとりのある空間に衣類が余裕を持って収められている。
「収納はあまり必要ないと思うんです。しまう場所がたくさんあると、モノがどんどん増えていってしまいます。必要なモノだけを揃えてすっきりと暮らしたいですね」。
細部までこだわって統一感を
ここに引っ越して来て3年目。コロナ禍だったこともあり、家で過ごす時間が長かった。
「よくお料理をしていました。趣味の台湾のお茶を飲む時間も愉しんでいましたね」。
オールステンレスを希望したキッチンは、設計デザイナーの勧めで、面材に木を使い、天板のみステンレスでオーダー。
「全部ステンレスにしてしまうと、この部屋の中で浮いてしまうと言われて。引き戸の取っ手や見切り材に真鍮を使うことなど、細かいところまでアドバイスを頂いたので、統一された空間になりました」。
味わいのあるヴィンテージ家具と、これからもっと育てていく予定だというグリーンが、ゆったりとした時間の流れを感じさせる。
「あまり遠くない距離に港があるので、朝、汽笛の音が聞こえてきたりするんですよ。休日など、家にいる時間をとても愉しんでいます」。