最上階のマンションリノベやりたいことを詰め込んだ
夫妻の理想が繋がる空間
戸建てへの想いをリノベで実現
結婚をするタイミングで住まい購入の検討を始めた三木さん夫妻。当初は戸建ての注文住宅購入を検討していた。「自宅を自分のしたいようにできるという理由で昔から一軒家に憧れがあって」と話す夫の義裕さん。しかし、都内にある職場に通える範囲での戸建て探しは難航。そんな中、リノベーションというアイデアを出したのが妻の佑里佳さんだった。「職場の同僚や上司がマンションのリノベーションをしていて、自分が家を持つならリノベーションがいいなと考えていました」。
やりたいことを詰め込んだと話す三木さん夫妻の言う通り、夫妻の“やりたかったこと”を随所に見ることができる。自分たちの理想を盛り込みつつ調和の取れた空間づくりを目指した三木邸は、暮らす人と訪れる人を飽きさせない魅力が詰まっている。
自ら図面を書いて理想を形に
手掛けたのはフィールドガレージ。「いくつか会社を見たのですが、私達との距離が近くて自分たちの意見を取り入れてくれそうな雰囲気がいいなと。説明会場を出てすぐ、二人で目を合わせてフィールドガレージにしようと決めました」と振り返る義裕さん。物件探しから施工までワンストップでフィールドガレージと行い、築25年のマンション最上階にある75㎡・3LDKの角部屋をリノベーションした。
リビングダイニングに接していた和室をなくして生まれたスペースには、テレビとプロジェクター用のスクリーンを設置。スクリーンを挟む形で畳コーナーとワークスペースを設けている。仕事で工場機械の設計をする義裕さんが家具の寸法を測り、物を置く配置や壁の位置など図面を書いてフィールドガレージと調整しつくり上げた。プリンターを収納できるワークスペースの幅や、スクリーンの音響機器の配置など細かく調整されている。
特に“キッチンからテレビを見ることができる”配置はこだわりのひとつ。「テレビを見ながら作業ができるように」という料理好きの佑里佳さんの希望だった。壁付キッチンを対面にし、テレビ側にオーダーキッチンとカウンターを設置。キッチンが孤立しない間取りになった。
キッチンからユーティリティスペースへ回遊できるようになっており、移動の利便性だけでなく、廊下扉を通りにくい大きな荷物を運ぶ動線にもなる。
多彩な過ごし方を与える空間
開放感がある土間からウォークスルークローゼットへ回遊できるように広く取られた玄関スペースは、元々あった部屋をなくして空間を確保した。土間とクローゼットは最初の構想段階から希望していたという。「出張が多いのでスーツケースを土間に置いていて、そのまま出せるので便利ですね」と話す義裕さん。玄関には洗面台があり、靴も洗えるようにと大きめの洗面器を備え付けた。また、部屋で仕切られていた空間が開放されたことで、玄関への採光を可能にし、リビングダイニングから玄関まで自宅全体に風が通るようになった。
「インターネットから色々な写真を見て、気に入ったものを組み合わせたらこうなりました」と自邸について話す佑里佳さん。床を見れば、土間がモルタル、玄関がヘリンボーン貼り、廊下はゴムの木を使った乱尺貼り、リビングダイニングはアカシアの乱尺貼りと貼り方や素材が多彩。にもかかわらずチグハグにならず統一感がある。壁もメインとなる部屋は落ち着いたトーンで統一しているが、寝室やトイレなど扉で仕切られる部屋はアクセントに明るい色を取り入れた。
佑里佳さんは自宅のさまざまな場所で楽しめるようになったと話す。「しっかりしたご飯はリビングで。ちょっとしたおつまみを食べながらのお酒時間はカウンター。映画を見たくなったらソファに。色々なところで過ごしたいと思うようになりました」。そんな色々な場所で過ごしたくなる三木邸には、最上階ならではの魅力的な居場所がある。「ここに住むようになってからベランダに出るようになりました。外の音が聞こえず静かで風も通るし、眺望も良くて天気の良いときは富士山も見えるんですよ」と笑顔で話す義裕さん。
“ここにあってほしいもの”“ここでやりたいこと”“これからしたいこと”。三木さん夫妻が自邸に詰め込んだやりたいこと一つ一つが繋がり、心地よく飽きない空間が生まれた。