和洋折衷リノベーション和室のないモダンジャパニーズな空間づくり
真ん中で半分ずつ、和と洋に分けました。
結婚して3年を迎える堀夫妻が、この物件の購入を決めたのは今から約1年前。
「結婚を期に家を持とうと思い、物件探しをはじめました。新築の分譲やリノベ済みの物件もたくさん見たのですが、心から住みたいと思えるものがなくて。それなら自分たちで間取りからつくっていくフルリノベ−ションにしようという結論になったんです」と話すのは、ご主人の一馬さん。
デザインのテーマは“和洋折衷”。リビングの中心から右と左でぴったり半分ずつ、洋と和のテイストに分かれているユニークな設計だ。
「間取りを決めるとき2人で一致したのが、『どこかに和の空間はほしいよね』という意見でした。かといって和室を一部屋つくるのはイメージと合わなかったので、リビングの一角に畳の小上がりを設けることにしたんです。さらに小上がりのある左半分は和風に、キッチンのある右半分はインダストリアルな洋の雰囲気にすることで、小上がりだけが浮いてしまわないよう工夫しました」と妻の成美さん。
10年、20年後の家族の姿を思い浮かべて
5歳から18歳までの幼少期をアメリカで過ごしたという一馬さん。物件を探すときの基準の一つが、平米数70以上という広さだった。
「海外生活が長かったので、広く抜けた空間での生活が落ち着くということが一つ。あとは将来、子供ができ家族が増えても窮屈さを感じず、長く住める家にしたかったんです。ここは都心からは少し離れていましたが、93平米と納得のいく広さが決め手でした」
家づくりのアイディアはどちらか一方ではなく、常に2人で意見を出し合って決めていったという堀さんご夫婦。壁材や大きな家具などは夫の一馬さんが中心となり、インテリアなど細かな装飾部分は成美さんが組み合わせを考えていったそう。
なかでもキッチンの腰壁に使用しているOSB合板という小さい木片を固めた板材は、ご主人のこだわりだ。
「OSB合板は本来、構造用として見えない部分に使う板材ですが、ワイルドな見た目がインテリアのアクセントになると思い選びました。丈夫で値段も手頃なため、結果的に施工の費用を抑えることも出来ました」と一馬さん。
また、床にはオークの無垢材を使用した。あえて節目の目立つ板を使うことで、木の温もりある質感を演出したそうだ。新築のフローリングにはない、深みのある床が実現した。
気のおけない仲間たちを招いて
玄関からリビングへと繋がる廊下の途中には、2畳ほどの小部屋を設けた。ここは現在、一馬さんが書斎として使用している。
「僕は集中力が長続きしないタイプなので、仕事をするときはこの部屋に篭って一気にやってしまいます(笑)室内には僕がコレクションしているトイや本が並んでいて、趣味の空間でもあるんです」と一馬さん。
また部屋の至るところに、一昨年ニューヨークで撮影した2人のウェディングフォトが飾られている。大学時代のダンスサークル仲間が、結婚式用に印刷してくれたものだ。
「大学時代の仲間たちとは今でもよく集まります。私たちももともとはサークルの先輩後輩として知り合ったので、2人共通の友達が多いんです。今はまだ引っ越したばかりであまり人を呼べていないですが、やっと家具も揃ってきたので仲間を招いてホームパーティーもしたいですね(成美さん)」