30代男性の一人暮らしリノベ 斜めの段差でリビングとキッチンを分ける

30代男性の一人暮らしリノベ 斜めの段差でリビングとキッチンを分ける

少し変わった形の物件にグッときました。

都内に建つ築25年、総面積64㎡のマンション。会社員のMさんは昨年この物件を購入し、フルリノベーションして暮らしている。
「ずっと仕事中心の生活が続いていたので、そろそろゆっくり過ごしたいと思ったのがリノベのきっかけです。まずは環境を整えようと思い、家を買うことを決めました。一人暮らしなので、広い空間が必要かと言われればそうでもないんですけど、64㎡を広々と使ってみたかったです」とMさん。
勤務先の最寄り駅まで乗り換えなしでアクセスできる立地を条件に、この物件に出合った。採光の良さ、窓の外に抜ける景色も購入の決め手となった。
「1日の光が変わっていく様子を家の中に取り込みたくて、2面採光の部屋を希望しました。この部屋は角部屋で、さらに隣に部屋がないという珍しさも魅力です。マンション上階なので、視界が抜けているのも決め手になりました。景色のことは重要視していなかったんですが、窓の外に広がる眺望を見て開放的でいいなと思いました」
2つの正方形が互い違いになっているこの部屋の形にも心を奪われた。
「いわゆるマンションというのは、玄関から廊下を抜けて、一番奥にベランダがある。そういう長方形が一般的ですよね。それだとプランニング的に普通というか、どういう形になるのか想像できちゃうな、という思いがありました。だからこそ、この部屋の少し変わった形にはグッときました」と続けた。

築25年、総面積は約64㎡。

築25年、総面積は約64㎡。

7cmの段差でリビングとキッチンを区切った。

10cmの段差でリビングとキッチンを区切った。

リビングの一角にはワークスペースを設けた。

リビングの一角にはワークスペースを設けた。

造り付けの本棚は、ベンチとしても活用。

造り付けの本棚は、ベンチとしても活用。

本棚を床から17cm離すことで浮遊感を演出。

本棚を床から17cm離すことで浮遊感を演出。

2面から自然光の入る角部屋。日中はとても明るい。

2面から自然光の入る角部屋。日中はとても明るい。

部屋をぐるりと囲む木板の上には間接照明を忍ばせて。

部屋をぐるりと囲む木板の上には間接照明を忍ばせて。

ダイニングの照明は、MUUTOの「FLUID」。

ダイニングの照明は、MUUTOの「FLUID」

リビングのテーブルは、10年以上使っている愛用品。

リビングのテーブルは、10年以上使っている愛用品。

曲線と丸みが生み出す視覚のマジック。

実際の広さよりも、開放的に感じられるM邸。その理由は、大きく分けて3つあるとMさんは話す。
1つ目は、空間全体を緩やかに区切ったこと。2つの正方形をそれぞれLDKと寝室に分け、間には廊下を設けた。
「リビングとキッチンもそうですが、プライベート空間である寝室も完全な個室にはしていません。寝室は玄関から一続きになっていますが、廊下に段差を設けることで緩やかに区切っています」
2つ目は、LDKを2つに分断する床の斜めのギャップ。10cmの段差を堺に、キッチン側にはフローリング、リビング側には長尺シートを採用した。
「部屋に入った瞬間、広がっているなと感じられるように、真っ直ぐではなく斜めの段差にしました。そうすると目の錯覚で、奥行き感が出るんです。また、リビング全体を長尺シートの土間にしたことで、室内でも気軽に観葉植物に水やりできるので重宝しています」
3つ目は、柔らかなデザインの造作家具や建具。たとえばLDKの壁に沿って造った本棚兼ベンチは、床から17cm浮かせることで視覚的な軽さを与えた。
「浮いているようなデザインにすることで、足元が広く見えます。また、長尺シートの床、10cm上がったフローリングの床、その上に本棚と、3層に重なってみえる断面も密かなこだわりポイントです」
また、部屋の至る所にアールの曲線を取り入れた。天井の木板、キッチンのバックカウンター、LDKの段差にもカーブが入っている。
「四角い部屋にシャープな斜めのギャップ。全体に角ばった印象になりすぎるのを避けるために、家具や建具で丸みを演出しました。ダイングテーブルや照明に丸いものを選んだのもそのためです」

キッチンは「サンワカンパニー」のオールステンレスタイプを採用。

キッチンは「サンワカンパニー」のオールステンレスタイプを採用。

キッチン床には「toolbox」スティルオークを採用。

キッチン床には「toolbox」スティルオークを採用。

キッチン側からLDK全体を眺めて。

キッチン側からLDK全体を眺めて。

休日はキッチンに立ち、常備菜をまとめて作り置きする。

休日はキッチンに立ち、常備菜をまとめて作り置きする。

既製品のバックカウンターにはカーブのついた天板を乗せた。

既製品のバックカウンターにはカーブのついた天板を乗せた。

天井から照明を吊り下げず、間接照明にすることですっきりとした印象に。

天井から照明を吊り下げず、間接照明にすることですっきりとした印象に。

キッチンの段差の角には、曲線を取り入れて柔らかさを演出。

キッチンの段差の角には、曲線を取り入れて柔らかさを演出。

リビングをぐるりと囲む木板と間接照明。

M家の天井にダウンライトはない。壁沿いをぐるりと囲む木板の上の間接照明がLDKを柔らかく照らしている。
「今回のリノベの大きなモチーフは間接照明です。一般的には天井に設けた照明で部屋全体を照らすと思うのですが、それだとメリハリのありすぎる空間になる。それを避けるために、空間全体に光が回る間接照明を選びました。LDKの上部にあった梁に沿ってぐるっと木板を渡し、間接照明を仕込みました」
そのほかの照明は、廊下の床に置かれたスポットライト1つと、ダイニングテーブルの上を照らすペンダントライトだけだ。
一人で暮らすからこそ、細部にまで自分のこだわりを詰め込んだと話すMさん。引っ越しをしてからは、気持ちにも変化があったという。
「実際、リノベの前後であまり生活は変わっていないんですけど、帰ってきたときの気持ちは全然違いますよね。賃貸と違って自分の持ち物だという意識があるので、大切に使おうという思いも生まれます。仕事が終わってここへ帰ってくると、ほっとしますね」と締め括ってくれた。

LDKと寝室を仕切るガラスの引き戸は「toolbox」でオーダー。

LDKと寝室を仕切るガラスの引き戸は「toolbox」でオーダー。

寝室にはベッドを置かず、布団で過ごしている。

寝室にはベッドを置かず、布団で過ごしている。

寝室側から、LDK方向を眺めて。

寝室側から、LDK方向を眺めて。

照明の光をガラス花瓶に当てることで柔らかな光を演出。

照明の光をガラス花瓶に当てることで柔らかな光を演出。

LDKと寝室の間にある廊下が空間を緩やかに仕切る。

LDKと寝室の間にある廊下が空間を緩やかに仕切る。

寝室の奥にはトイレ、クローゼット、お風呂が続く。

寝室の奥にはトイレ、クローゼット、お風呂が続く。

鏡の上部には鏡と同じ幅の照明を取り付けた。

鏡の上部には鏡と同じ幅の照明を取り付けた。

玄関からの眺め。左側にLDK、右側に寝室。

玄関からの眺め。左側にLDK、右側に寝室。

玄関横の壁には、お出掛けの用具を収納するスペース。

玄関横の壁には、お出掛けの用具を収納するスペース。

リノベーションは、「ゼロリノベ」に依頼。

リノベーションは、「ゼロリノベ」に依頼。

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