オリジナルの家具を造作 都心のパノラマを背景に 愛猫との暮らしに寄り添う家

オリジナルの家具を造作都心のパノラマと
愛猫との暮らしに寄り添う住まい

猫のためにリノベーションを決意

リビングの一面に広がる開口から、都心の街並みが見渡せる絶好のロケーション。Kさんは新築で購入したマンションを、12年程暮らしてリノベーションした。
「最初の目的は2匹の猫のためだったんです。以前の床は、猫が走ると滑りやすかったのが気になっていて」。
友人が猫のために床を滑りにくいうづくりのフローリングに変えていたことから、当初は軽いリフォームのつもりで、友人宅を手掛けたSEKI DESIGN STUDIOに相談。
「同時に、コロナ禍で完全にリモートワークになり、家で過ごす時間が長くなっていました。そこでせっかくやるならと、水回り以外のスペースも手を加えることにしたんです」。
リビングダイニングとベッドルームを仕切っていたスライディングドアを取り払い、ワンルームに。間取りは大きく変えず、床と壁のマテリアル、収納スペースを更新し、造作家具を配置。昼間は開口からの光が、夜は間接照明が穏やかに照らす、2匹の猫の毛色ともリンクするグレー×ベージュの空間が誕生した。

総面積は53㎡。

総面積は53㎡。

ベッドルームを仕切っていたスライディングドアを撤去して、広々としたワンルームへ。

ベッドルームを仕切っていたスライディングドアを撤去して、広々としたワンルームへ。

ダイナミックなパノラマを、愛猫も堪能。

ダイナミックなパノラマを、愛猫も堪能。

掃除も考えてタイルの床を選択

当初、猫のために考えたフローリングは、最終的にタイルを選択することに。
「うづくりのフローリングは猫が滑りにくいですが、表面の溝に猫砂や猫の汚れが入り込んだり、猫が走って傷だらけになると思ったんです。YouTubeを見て、タイルもありかなと設計士の関洋さんに相談しました」。
自らショールームを訪れて、ムラ感のあるグレーのタイルに決定。床暖房も入り、冬も温かく過ごせる。
「ムラ感で猫の毛が落ちていてもそれほど嫌な感じではなく、とはいえすぐ分かるので掃除もマメにできます。グレーのカラーは暗い印象になるかなと思ったのですが、自然光がたくさん入るので意外と明るいですね」。
オフホワイトの珪藻土に包まれた空間の中、アクセントとなっているのは、リビングダイニングの開口下と一部の壁、ベッドルームにあしらわれたフローリング材。
「リビングダイニングは縦張りして伸びやかに、ベッドルームは横張りして落ち着いた印象を与えているようです」。
ベッドヘッドには、床と同じグレーのタイルをあしらい、そのまわりをフローリング材で門構えのように囲むことで、ベッドルームにふさわしい落ち着き感を与えている。

リビングとベッドルームの間の天井には、ハンギングフックを設置。布で緩やかに仕切ることも可能。

リビングとベッドルームの間の天井には、ハンギングフックを設置。布で緩やかに仕切ることも可能。

リビングダイニングの床と同じグレーのタイルをベッドヘッドにあしらい、ベッドルームは落ち着いた雰囲気に。

リビングダイニングの床と同じグレーのタイルをベッドヘッドにあしらい、ベッドルームは落ち着いた雰囲気に。

グリーンとアンティークのキャビネットがアクセントウォールに映える。

グリーンとアンティークのキャビネットがアクセントウォールに映える。

壁面になめらかなRの意匠を施した。タイルはMaristoのグレーの大判を採用。

壁面になめらかなRの意匠を施した。タイルはMaristoのグレーの大判を採用。

造作家具が空間になじむ

リビングダイニングの片隅にはもともと収納が設けられていた。そのスペースを撤去、収納とテレビボード、リモートワークのためのワークスペースを壁一面のウォールキャビネットに集約して、すっきりとしたLDを実現した。
「窓側には猫トイレを置いているので、いちばん近いキャビネットの扉の中には、猫用のケアグッズを収めています。動線がよくて無駄がなく、便利ですね」。
LDの中央に置かれた、ダイニングテーブル&ソファも、空間とのバランスを考えたオリジナル。無垢材のフレームと天板に、ソファには引っ掻きに強いファブリックを使用。2匹の猫のために、Kさんがこれまでの暮らしの中で考えた、爪研ぎタワーなどの猫が喜ぶ道具も造作されている。

中央に丈夫な無垢材を使ったオリジナル家具を配置。ソファのファブリックは、引っ掻きに強い上に抗菌、抗ウイルスに優れ、水で汚れが落とせる特殊生地。脚にはKさんが爪研ぎ用のロープを巻いた。正面がウォールキャビネット。

中央に丈夫な無垢材を使ったオリジナル家具を配置。ソファのファブリックは、引っ掻きに強い上に抗菌、抗ウイルスに優れ、水で汚れが落とせる特殊生地。脚にはKさんが爪研ぎ用のロープを巻いた。正面がウォールキャビネット。

ウォールキャビネットの一角はワークスペース。照明が仕込まれている。

ウォールキャビネットの一角はワークスペース。照明が仕込まれている。

収納をなくしたことで現れた壁の段差は、真鍮のフック付きの角柱でカバー。

収納をなくしたことで現れた壁の段差は、真鍮のフック付きの角柱でカバー。

ダイニングテーブルとソファを背中合わせにして一体化。リビング側は明るいトーンを意識している。

ダイニングテーブルとソファを背中合わせにして一体化。リビング側は明るいトーンを意識している。

THE FACTORYで購入したツートンカラーのイスは、壁面のオーク、猫用爪研ぎタワーのウォールナットとそれぞれに調和。

THE FACTORYで購入したツートンカラーのイスは、壁面のオーク、猫用爪研ぎタワーのウォールナットとそれぞれに調和。

柱に麻縄を巻き、爪研ぎポールに。穴を開けておもちゃを吊り下げられるようにしている。

柱に麻縄を巻き、爪研ぎポールに。穴を開けておもちゃを吊り下げられるようにしている。

猫トイレまわりの囲みは、オーク材で造作。キャットウォークにもなっている。

猫トイレまわりの囲みは、オーク材で造作。キャットウォークにもなっている。 

メキシコの友人からもらった猫のぬいぐるみを。花は日比谷花壇のサブスクを利用。

メキシコの友人からもらった猫のぬいぐるみを。花は日比谷花壇のサブスクを利用。

暮らしの利便性が向上

「ちょっとずつストレスだったことを解消するために工夫したので、とても暮らしやすくなりました。QOL爆上がりですね(笑)」。
生活動線を考えたモノの位置や、スイッチの位置など、必要なところに必要なものを配置したことで、生活の質が向上したというKさん。2匹の猫も、高い位置から外を眺める、猫の習性にぴったりの暮らしを楽しんでいる。
「以前は窓も、2枚のシェードにより上部10cm程が隠れた状態だったのですが、今はフルに外の景色が眺められ、光が室内に取り込まれます」。
カーテンボックス内に施された間接照明と、LDのダウンライトで、夜はまたムードいっぱいに。調色調光ができる照明も、自らスマートホーム化して、オートマチックに切り替えた。時間に合わせて明るさが自動で変化するのだそうだ。
「夜は夜景もきれいです。1日家で仕事をしていても、居心地がよく癒されますね」。

独立型のキッチンは、面材のみ取り替えた。

独立型のキッチンは、面材のみ取り替えた。

エントランスホールの床は白のタイルに。壁と天井はパルプの織物壁紙に変更。

エントランスホールの床は白のタイルに。壁と天井はパルプの織物壁紙に変更。

グレー×ベージュのカラーは、2匹の猫の毛色とリンク。65インチの大型テレビは、背景のひとつとして考えた。

グレー×ベージュのカラーは、2匹の猫の毛色とリンク。65インチの大型テレビは、背景のひとつとして考えた。

Ranking Renovation