マンションリノベ入門②ずっと満足して暮らせる 失敗しない物件選び

リノベーション入門② ずっと満足して暮らせる
失敗しない物件選び

大きな買い物であるだけに、しっかり見極めたい物件選び。安心して長く暮らせるマンションを選ぶには、何を大切に考えたらいいのだろうか。建物の構造から耐震問題、管理組合の機能やペット問題まで、チェックしておきたい事項をピックアップ。

何を基準に選んだらよいのか

何を基準に選んだらよいのか

一生に1回または数回の買い物であるだけに、慎重になる物件探し。ネット検索や不動産会社、リノベーション会社の仲介により、まずは家を買いたい地域の中から、理想とする広さや駅からの距離、築年数、日当たりなどを考慮して絞りこんでいく。
気になるのは資産価値。将来的に売却を見込んでいるのならなおさらである。都心の人気エリアで、しかも駅近なら資産価値は当然高いが、相場よりも割高であれば良い買い物とはいえない。予算を超えてしまう場合には、エリアや駅からの距離、広さや築年数など、優先順位をつけ、譲れるものをピックアップしてみよう。物件購入とリノベーションにかかる費用の割合をどう考えるかを、決めておくのもよい。

見定めるべきポイントは?

「マンションは管理を買え」と言われている。区分所有マンションを買うということは、コミュニティの一部を買うということ。既存マンションの購入でいちばん大事なのは、実は管理組合がきちんと運営されているかどうかである。管理が行き届いていれば、将来的に欠陥が発生しにくく、資産価値が落ちにくいと考えられる。それを見極めるには、管理規約、総会議事録、決算書、長期修繕計画などをチェックすること。リノベーション業者や不動産会社に依頼すれば用意してもらえる。

内見時にチェックしたいこと

内見の際には共有部がきれいに清掃されているかどうかを確認して管理状態を見極めたい。エントランスホールやエレベーター、ポスト、ゴミ置き場、駐車場などがきちんと片付けられているかどうかは、大事なチェックポイントである。きれいな状態が保たれているのであれば、管理組合がしっかり機能し、資産の維持・向上が意識されていると考えられる。また、内見時に売り主がまだ住んでいる場合には、管理組合の運営状況や、近隣の入居者様子などを聞いてみるのもよい。

寿命の長いマンションとは

適正なメンテナンスが施されているかどうかをチェックするには、まず外装塗装や外壁タイルに、塗装が剥がれていないか、ひび割れがないかを確認すること。鉄筋コンクリート造の平均寿命は68年だが、最長120年、外装仕上げでさらに150年程度に延命されるとの報告もある。また、建物が取り壊しとなる原因には、配水管などの建物構造が影響しているといわれる。配管設備の寿命は30年程度。定期的に取り替えやメンテナンスがされているかを確認したい。

法定耐用年数とは何か

住宅には「法定耐用年数」というものがあり、鉄筋コンクリート造のマンションの場合、47年と決められている。これは1998年の税制改正によって定められたもので、税制法上の減価償却資産算定の基準となるもの。つまり、毎年減価消却され最終的に建物の価値がゼロとなるのが47年、ということを示している。これをマンションの寿命と勘違いしてしまうことが多いのだが、耐用年数=寿命ではなく、条件によっては100年以上維持することも可能である。
旧耐震、新耐震は基準になる?

旧耐震、新耐震は基準になる?

既存マンションの物件選びの際、気になるのは築年数。チェックしておきたいのは耐震基準問題だ。建築確認が1981年5月31日以前の物件は「旧耐震」、同年6月1日以降の物件は「新耐震」に分類される。具体的には「旧耐震」は震度5強レベル、「新耐震」は震度6強〜7レベルで倒壊しない構造基準が設定されている。ただ、これはひとつの目安であり、「旧耐震」であっても耐震補強を行うなど適正にメンテナンスが行われている建物の性能は高く、「新耐震」であっても劣化により性能が落ちている場合もある。最近では、管理組合により第3者による耐震診断を行っているマンションも。売買の取引時に行われる「重要事項説明」の項目に含まれている場合があるので、確認してみよう。

壁式とラーメン構造、どちらがいい?

壁式とラーメン構造、どちらがいい?

マンションの構造には「壁式構造」と「ラーメン構造」があるが、リノベーションの間取りにも影響するので、物件選びの際にチェックしておくとよい。
まず「壁式構造」は、4枚の壁と床、天井の6枚で構成する構造で地震に強いとされる。面で建物を支えるため、凹凸のないすっきりとした空間になる反面、構造壁を取り払うことができないので、リノベーションの自由度は制限される。一方「ラーメン構造」は、柱と梁で建物を支える構成。室内に取り壊せない耐力壁が出ないため、自由に空間をデザインすることができるが、柱や梁が室内に張り出すことは避けられない。ただ、壊せない壁も張り出した梁や柱も、逆に意匠として見せている例もある。
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ペットを飼うなら確認したいこと

マンションでペットを飼う入居者はますます増え続け、現在ではほとんどの物件で「ペット飼育可」を規約で定めている。ただ、物件毎に使用細則、飼育に関する細則が定められていて、そのルールは様々。飼えるペットの種類や大きさ、頭数などが指定されている場合が多い。これに違反すると訴訟や損害賠償請求に発展することもあるので、まずは管理組合の規約を確認しよう。また、ペットブームと相まって、ドッグランやペット専用の足洗い場を備えるマンションなどある。

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