心地よい自然素材に包まれて澄んだ空気が流れる
回遊できるワンルーム
内見1軒目で即決
都心に近い人気エリアながら、目の前に公園も広がる閑静な住宅街。当時築35年1LDKの物件を、Tさんは内見1軒目で即決。
「ネットで50㎡以上のお部屋を探していたのですが、なかなか条件に合う物件が見つからなかくて。ここは45㎡なのですが、ちょうど値下げされたタイミングで出合い、『EcoDeco(エコデコ)』さんに相談してすぐに決めました。1軒目で決める方いらっしゃいますか? と、つい聞いてしまいましたね(笑)」。
仲介からリノベーションまで、好みのデザインが多かった『EcoDeco(エコデコ)』に依頼。
「サイトに色々なタイプの部屋が紹介されていて、雰囲気が偏っていないのが気に入りました。自由度が高く、自分の要望を取り入れてもらえるかなと感じたんです」。
希望したのは、ウォークスルークローゼットを設け、回遊できる間取りにすること。
「たくさんのプランをご提案いただいた中から決めました。フルスケルトンにしたのですが、水廻りはほぼ同じ位置です」。
個室だったスペースをWTCと仕切りのないベッドルームに。既存の収納を取り払ってLDKを広々とさせ、ほぼワンルームに変更した。
「ワンルームにこだわったわけではないのですが、エアコンも1台で済むなど、結果として正解でしたね」。
心地よい空気が流れる
玄関を入ると、WTCとLDKにつながる廊下の、2本の動線に招かれる。静謐で澄んだ空気感が感じられるのは、ほとんどすべての壁が珪藻土で仕上げられているからかもしれない。
「珪藻土もリクエストしたことのひとつです。湿気が気にならないし、光の当たり具合で陰影が生まれて、表情が出るのが気に入っています。賃貸マンションに暮らしていたときは、機能的だけれど素材の質感や雰囲気がしっくりこなかったんです。壁の仕上げや床材、ドアの取っ手などの、細かいパーツをひとつひとつ選びました」。
洗面、トイレのドアはニュアンスのあるブルーグレーで塗装。取っ手や蝶番は真鍮にこだわった。
「北欧風にしたくて。取っ手は完成時には間に合わなかったのですが、届くのを心待ちにしていました」。
リビングのペンダントライトはルイス・ポールセン。ブルーのカラーと真鍮の組み合わせは、この空間を象徴しているかのようだ。
「以前から持っていたものですが、この配色を意識した訳ではないんです(笑)。やはり好みが現れているんでしょうね」。
躯体現しにしたかった天井は入っていた断熱材を活かすためそのままに。躯体現しに似せて、リビングのみ樹脂モルタルで塗装した。
「無垢のフローリングも外せませんでした。床暖房対応の為、幅の狭いバーチ材を使っていますが、素足で歩いても気持ちがいいです」。
素材にこだわった心地よい空間に、木と金属を組み合わせた家具を配置。天井まで塞がない仕切り壁がベッドルームを緩やかに仕切り、2面からの採光が室内に届けられる。
調理が楽しみになるキッチン
「キッチンは、コの字型にするなど色々悩みましたが、結局2列に並べて、寒色系のカラーをメインに造作しました。全部を珪藻土にすると、白ばかりの空間になるので、ここだけはモルタルの壁にしています」。
ステンレスの天板に、無機質でシンプルな四角いシンクを選択。
「ガスオーブンはビルトインにしました。キッチンに立つ時間も楽しみで、休みの日にはパンを焼いたりしていますね」。
キッチンにスペースを割いた分、若干狭くなったというバスルームは、当初から希望していた、タイルを使った在来工法。
「コロナ禍でショールームめぐりはできませんでしたが、床材やタイルはサンプルを送っていただき、実物を確認して決めました。色々な事例を見て自分の希望を伝えたので、イメージ通りに完成したと思います」。
ゆっくりとバスタイムを過ごし、静けさに包まれるベッドルームへ。
「スペースの関係でコンパクトになりましたが、ベッドルームは寝床という感じでゆっくり眠れますね。朝は光がほどよく入ってきます」。
やりたいことをやり切った
湘南の賃貸マンションから引っ越して3年。通勤が便利になったこともあり、余裕が生まれた毎日を楽しんでいるというTさん。
「北欧系の雑貨が好きなので、インテリアショップを訪ねたりしています。家にいる時間も好きなのですが、アクセスがいいので前よりアクティブになった面もありますね」。
キッチンのオープンラックには、北欧のものなど、日常使いしている器が並ぶ。インテリアもこれから更新していく予定。
「塗り壁や無垢材、在来工法のバスルームなど、理想としていたことは、予算の上で難しいかと思ったのですが、諦めたものが何もなくて。やりたいことを全部やりきった感がありますね」。
と言いつつ、次のリノベーションを考えるのも楽しみなのだとか。
「できるかどうかは別として(笑)、またやりたいなと思いますね。基本的なところは変わらないと思うけれど、好みも変わってくると思うし、リノベーションがとても楽しかったので、いつかまたできたらいいなと思っています」。