斜めの壁で作る豊かな奥行き感マテリアルと色の変化を楽しむ
スパニッシュモダンな家
質感が違うものをバランスよく配置
世田谷区内の緑の多い住宅地。駅も近く、抜群の住環境にある集合住宅をリノベーションした三浦智己さん、冨永 識さん夫妻。
「家族で住める86㎡の広さがあるので、リセールバリューのある物件と考えて購入を決断しました。築45年ですが新耐震基準をクリアしています」
リノベーションは『ARED ARCHITECTS』に協力を依頼。気心が知れた冨永さんの元同僚だ。
玄関を開けると、カラフルで柔らかなレースカーテン、大きなガラスの室内窓、岩の塊のようにも見える重厚感のあるキッチンと、様々な質感のものをバランスよく使った豊かな空間が広がる。
ファーストイメージはスペインの家。少しくすんだ黄色と赤、そしてベッドルームのカーテンのグリーン。ドアや天袋など、建具の小口にも色を配した。
広がりを感じさせる視覚マジック
部屋の配置に工夫を凝らした。リビングとベッドルームは斜めに仕切り、リビングは奥に行くほど横幅が狭くすることで、たっぷりとした奥行き感を造り出した。
子ども部屋はレースのカーテン、ベッドルームにはガラスの引き戸を使ってゆるやかに空間を分けることで、リビングに広がりを持たせている。
そして、パントリーとウォークインクローゼットを、キッチンから玄関へとグルリと回遊できるようにした。
「ロボット掃除機が掃除しやすい家を考え、大型の食洗機を入れるなど、家事の時短を積極的に目指しました」
端材を使って予算を抑える
フローリング材は、端材を格安で買える会社から購入し、予算を抑えたそう。
「大きな現場から、個人邸で使える程度の広さの端材を確保して販売している会社があります。うまくタイミングがあえば、かなり材料費を減額できます」
天井のペイントは自分たちでDIYした。
「光が当たると反射するポーターズペイントの塗料を選びました。白にも見えますが、わずかにピンクがかった紫色です。とても気に入っています」