メゾネットをリノベーションホワイトキューブを
ポップなインテリアで彩る
玄関を開けたら階段。重層長屋のメゾネット物件。
結婚7年目を迎える中島さんご夫妻は、都内にあるこの物件を購入。2年前にフルリノベーションをして暮らしている。
「結婚して家を買おうと思ってから、新築やコーポラティブハウスなど計30件ほど内見をしました。何も手を加えなくてもオシャレ!みたいな家があればいいなと思っていたのですが、そんな家ってなかなかないんですよね。考えた末、中古マンションをリノベーションすれば自分たちの好きなデザインにできるし、コスパもいいと思って。そこからリノベ会社を探しはじめたんです」と話すのは、奥様の彩衣子(さえこ)さん。
リノベ会社「スマサガ不動産」がリノベーションした過去の施工事例の中に、彩衣子さんが気になっていたマンション物件があったことから、同社に話を聞きに行くことにした。
「この物件が売りに出ていることは妻が知っていて、格安だからいいんじゃない? と相談されていたんです。でも僕は、帰ってきてすぐに階段のあるメゾネットタイプだと、年をとってきたら辛いんじゃないかと思っていました。それで別の物件を紹介してもらいたいとスマサガ不動産の門を叩いたら、最初におすすめされたのがこの物件だったんです。これはもう何かの縁だと思いました」と、旦那様の聖太さん。
いざ内見に行ってみると、気がかりだった階段はむしろ雰囲気がよく感じられ、購入の後押しになったという。ダブルバルコニーで2方向から光を取り込めることも決め手になったそうだ。
2人暮らしにちょうどいい。埋め込み型のコンパクトキッチン
玄関のモルタル階段を上がると、正面にバスルーム。向かって右手にLDK、左手に寝室という間取りだ。
「リビングは中目黒の家具店兼ギャラリー『LICHT gallery』を参考にしました。白くて無機質で、余白が多い空間。物がポツンポツンと置いてあるから、一つひとつが空間に映えていて憧れちゃうなと思っていたんです。住宅だとまったく同じようにはいかないけど、同じような雰囲気を目指しました(彩衣子さん)」
天井や壁は白一色に統一し、床だけをグレーの塩ビタイルにした。
「もともとモルタル風の床にしたくてサンプルを取り寄せたところ、艶っぽくてなんか変だぞ?と。その違和感がギャラリーっぽくていいなと思って、そのまま採用しました」と続けた。
壁に埋め込まれたキッチンもまた、ギャラリーのような雰囲気を醸す一つの要素になっている。
「リビングをできるだけ広くとりながら、生活感をなくすためにキッチンはこの形にしました。2人とも平日は忙しく働いているので、週末しか料理をしません。そんな我が家にはちょうど良いサイズです。それでいて、2人同時に使えるL字型も気に入っています(聖太さん)」
生活感というノイズをなるべく取り払った空間には、『LICHT gallery』で購入した「Ayno Lamp」をはじめ、2人の審美眼にかなったアイテムがよく映える。
寝室の一角に設えた、オープンな洗面スペース
寝室はベッドルームのほか、洗面スペースも兼ねている。
「洗面所という空間が苦手で。夏は暑いし冬は寒いし、あの場所にとどまって髪を乾かす時間が苦手なんです。だからドライヤーを持ってリビングに行って乾かしたり、メイク道具もリビングに持ち込んだりしていました。それだったら洗面も部屋にあったらいいよねという気持ちで、寝室の一角につくったんです(彩衣子さん)」
今回のリノベーションでは、2人だけのためにやりたいことを詰め込んだと話す。
「あまり先のことまで考えずに、今の暮らしに合わせてつくりました。今後はライフステージに合わせて、寝室に新たに壁を立てて個室をつくってもいいかもしれないし、もしかしたらこの家を売ってもいいかもしれない。でもいつそのときが来るかはわからないので、今の自分たちがほしい家にしちゃおうと思ったんです」と続ける。
この夏から聖太さんの仕事の都合で、2人の二拠点生活がスタートした。
「一ヶ月のうち東京に半分、地元・名古屋に半分のデュアルライフめっちゃ楽しみです」と笑顔で締め括ってくれた。