築浅物件のリノベーション量産マテリアルを
丁寧に紡いだ家
ポリカーボネートを建具にする
眺めのいい千葉県柏市の築浅マンションをリノベーションした菅野祐二、寛子夫妻。5歳の女の子と2歳の男の子の4人家族だ。
リノベーションは『SNARK Inc.』にお願いした。
「『SNARK Inc.』が手掛けたポリカーボネートを使った群馬県の家の雰囲気が好きで、我が家もポリカーボネートを使いたいとリクエストしました」
廊下に面した子ども部屋の壁と引き戸をポリカーボネートで作ることにした。
半透明のポリカーボネートを通した光が廊下にこぼれ、暗くなりがちな廊下が明るくなった。
廊下には可動棚を設置。棚を机代わりにして勉強したり電子ピアノを弾いたり、ある時は廊下が遊び場になったりと、変幻自在にひとつの部屋のように使われている。
ラーチ合板を丁寧に施工
床はグレーの長尺シート、キッチンのタイルもグレー。築18年の築浅物件ということもあり、現しの梁や天井がまだまだきれいだ。
そのグレーの空間に木目が美しいラーチ合板を組み合わせていく。グレーと木目のバランスが絶妙だ。
荒々しさの残るラーチ合板は、丁寧に施工することでデザイン性が際立つインテリア素材となっている。
可動棚のパーツを埋め込むようにラーチ合板を貼ったり、ポリカーボネートの引き戸の把手のデザインなど、細かい部分まで気配りすることで、木目を生かしたクオリティの高い空間に仕上げている。
家具の個性を引き出す内装材
ラーチ合板、ポリカーボネイト、長尺シートといった、量産化された素材を使った空間に、個性強めのヨーロッパのデザイナーの家具を合わせるのが菅野さん流のクールなインテリア術だ。
近頃は趣味の陶芸にすっかりハマり、家で使う食器のほとんどが自作の器なのだそう。
規格素材を使った部屋をバックに、器の個性が浮かび上がるしかけだ。