開放感を感じる住まい 間取りと建具の工夫で魅せる 採光とゆとりを得るリノベーション

開放感を感じる住まい間取りと建具の工夫で魅せる
採光とゆとりを得るリノベーション

4LDKから2LDKへ

Tさま夫妻が新築マンションの角部屋を購入したのは、16年前のこと。87㎡・4LDKの間取りで長年暮らしていたが、昨年リノベーションを行った。「部屋数が多く空間が細かく仕切られていたため、光が十分に行き届かず、どの部屋も少し暗く感じてました。特に朝、寝室で目覚めたときに感じる薄暗さを解消したくて」と奥さま。こうした思いから、4LDKから2LDKへと思い切って間取りを変更した。
実は6年ほど前に一度リノベーションを検討していたものの、新築で購入していたこともあり見送ったのだという。ご主人は「その時は、時期尚早かなと思いました。水回りなどの設備が古くなってから一気にやりたいなと。その後、コロナ禍により生活が一変し、リモートワークが定着したことで住環境の見直しが必要となり、結果的に当時リノベを見送ってよかったです」と振り返る。
リノベーションは、FINDに依頼した。「インスタグラムで見つけて、会社の規模的に寄り添って話を聞いてくれそうだなと思って連絡しました。ご提案いただいた内容も私たちの好みと合っていましたし、担当者の人柄が良くフィーリングが合ったのも決め手でした。設計が始まると、細かい点にも真摯に向き合ってくれ、相談に対して複数のアイデアを出してくれて助かりました」(奥さま)。その言葉どおり、採光を得るための室内窓の活用など、さまざまな設計上の工夫により、明るく開放的な間取りが実現した。

南に面するLDK。窓から見える緑は、夫妻がここを購入した決め手の一つでもある。

南に面するLDK。窓から見える緑は、夫妻がここを購入した決め手の一つでもある。

ゆとりのあるリビング・ダイニング。以前は2部屋だったが、間仕切りを取り払いひとつながりの空間に。

ゆとりのあるリビング・ダイニング。以前は2部屋だったが、間仕切りを取り払いひとつながりの空間に。

家具は選び抜いたものだけを置いている。テレビは置かずプロジェクターを使っているため、白い壁紙を採用した。

家具は選び抜いたものだけを置いている。テレビは置かずプロジェクターを使っているため、白い壁紙を採用した。

家具のように空間を彩るキッチン

リビング・ダイニングは2部屋をひとつながりにしたことで、余裕のある空間に変わった。「個室が多かった分、玄関からリビング・ダイニングまでの廊下が長くて無駄な感じがありました」とご主人。リビング・ダイニングとしてのスペースを十分確保できたことで、元々ダイニングだった部分はキッチンに加えるという贅沢な間取りが実現した。リノベ前の対面キッチンは、南側の窓から入る光を十分に活かせていなかったため、壁付けのL型キッチンに変更し、視界を遮らないアイランドカウンターを設置。「2人とも料理好きなので、一緒に作業ができる広さがあるのはすごく助かっています。1人が料理して、もう1人はアイランドカウンターで盛り付けをしたり、分担して動くのもスムーズです」と話す奥さま。
アイランドカウンターの一部は収納を設けず、スツールで座れるように工夫した。「調理カウンターだけでなくテーブルとしても使えるので、とても便利です。在宅ワークをダイニングテーブルでしている時は、テーブルに広げた仕事道具を片付けなくてもカウンターで食事ができます」(奥さま)。
天井もこだわったと話すのはご主人。「キッチンの天井は配管の関係で高さがまちまちだったんです。そこで、低いところに合わせてフラットにしました。天井を下げるのはどうかなと思っていたのですが、やってみるとスッキリしていいですね」。

元々は奥の壁から手前に延びる形で対面キッチンが設置され、カウンターを挟んで窓側がダイニングだった。全面をキッチンにしたことで広がりが生まれ、光が奥まで届くようになった。

元々は奥の壁から手前に延びる形で対面キッチンが設置され、カウンターを挟んで窓側がダイニングだった。全面をキッチンにしたことで広がりが生まれ、光が奥まで届くようになった。

回遊できるキッチンにしたことで、窓に向かって空間の連続性が生まれた。

回遊できるキッチンにしたことで、窓に向かって空間の連続性が生まれた。

吊り戸棚はギリギリまで下げ、収納力アップと使いやすさを両立させた。

吊り戸棚はギリギリまで下げ、収納力アップと使いやすさを両立させた。

キッチンはメインカラーに白を選んだ。夫妻の要望で採用した取手の真鍮の取手が高級感を加える。

キッチンはメインカラーに白を選んだ。夫妻の要望で採用した真鍮の取手が高級感を加える。

キッチンとリビングの境には壁ではなくガラス窓を設け、視線の抜けを確保している。

キッチンとリビングの境には壁ではなくガラス窓を設け、視線の抜けを確保している。

造作のアイランドカウンターは椅子を置けるように側面が抜かれている。食事もできる十分な広さで、使い勝手抜群だそう。

造作のアイランドカウンターは椅子を置けるように側面が抜かれている。食事もできる十分な広さで、使い勝手抜群だそう。

広さがゆとりを生み出す

Tさん夫妻がリノベーションをした理由の一つが、寝室に朝の光を取り込みたいという思いだった。そのためリノベーションでは、寝室とその隣の部屋をつなげ、各室の窓から十分な採光を確保。加えて廊下側に新設した室内窓とガラス扉により、LDKの光を廊下や寝室に届けている。「朝、部屋に陽が入ってきて、とても気持ちがいいです。特に冬は日差しに角度がつくので廊下側まで光が届き、3時くらいまで暖房なしでも暖かいんです。広くなると寒くなるかなとも思ったんですが、壁を取り払って光を取り入れたことで、むしろ暖かくなりました」と奥さま。ご主人は、間取りの変化が生活の変化につながっていると話す。「夜は早めに寝室に行って、くつろぐようになりました。住まいをリノベーションしたことで、空間が変わり、自然と暮らしのスタイルも変化しました」。
廊下を挟んで寝室の向かいにある個室は、ウォークインクローゼットにした。以前も衣類などを収納する部屋として使っていたが、造作の収納棚を取り付け効率的に収納できるようにした。
ゆとりある空間へのリノベーションは、夫妻の気持ちに変化をもたらした。「部屋が広くなって、気持ちのゆとりもできました。休みの日もゆったりできているなと感じています」とご主人。住み慣れたわが家に、新たな価値を。Tさま夫妻のリノベーションは、「暮らしを変える」というリノベーションの可能性を教えてくれる。

ゆとりのある寝室。「自由度を上げるために2つの部屋を思い切って一つにしました」。

ゆとりのある寝室。「自由度を上げるために2つの部屋を思い切って一つにしました」。

寝室はご主人のワークスペースも兼ねている。あえて空間を分けて小さなワークスペースを作るより、1部屋を広くしたいという夫妻の発想から実現した空間だ。

寝室はご主人のワークスペースも兼ねている。あえて空間を分けて小さなワークスペースを作るより、1部屋を広くしたいという夫妻の発想から実現した空間だ。

ガラス張りの建具は視覚的な解放感を与える。一方、ベッドがある部分には壁を設けプライベート空間を隠す配慮がされている。

ガラス張りの建具は視覚的な解放感を与える。一方、ベッドがある部分には壁を設けプライベート空間を隠す配慮がされている。

ウォークインクローゼット。玄関に近いため、帰宅後に荷物を置いたり着替えをするのにも便利。

ウォークインクローゼット。玄関に近いため、帰宅後に荷物を置いたり着替えをするのにも便利。

元々、左奥にある玄関収納と同じラインで壁が手前まで伸びていたが、セットバックして玄関周りを広くした。

元々、左奥にある玄関収納と同じラインで壁が手前まで伸びていたが、セットバックして玄関周りを広くした。

住まいの各所に奥さまが生けた植物が飾られている。「生ける植物や置く場所を変えるだけで雰囲気が変わっていいなと。季節によって変わりますし変化が楽しめて気分転換になります」。

住まいの各所に奥さまが生けた植物が飾られている。「生ける植物や置く場所を変えるだけで雰囲気が変わっていいなと。季節によって変わりますし変化が楽しめて気分転換になります」。

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