二度目のリノベーション 構造壁を活かし 回遊できるキッチンを作る

建築家のリノベーション家族もクライアント。
二人が気に入る住まいを作る

ラワン合板が共通の好み

建築家の牧 祐子さん(『STUDIO YUKO MAKI』) と、ご主人の高橋直樹さん、2歳の開くんの3人家族の住まい。
「フルリノベーションが前提でしたので、未改装の物件を探すのに時間がかかりましたが、ようやく見つけたのが1996年築62㎡のこの住まいです」 

リビングの壁にはラワン合板を採用。
「夫がクライアントでもあるので、夫婦の好みを重ね合わせていく作業でした。その中で共通項となったのがラワン合板です。時間の経過や、一枚一枚の表情の違いを楽しめる素材なのが魅力です。そして、カラフルな子どものオモチャがあっても、壁のトーンが色を受け止めてくれる点も気に入っています」

「ラワン合板は一枚づつ色や柄が違い、表情に個性があるところが好きです」

「ラワン合板は表情に個性があるところが好きです」。ダイニングテーブルの上がルイスポールセンのラジオハウス ペンダント、リビングがイサム・ノグチのAKARI。

真鍮のモビールが風に揺れる。

渡辺力の銅のモビールが風に揺れる。TV台を兼ねた収納を壁際に作った。

「回遊性のあるアイランドキッチンやソファの周りを子どもが三輪車でグルグル回って遊んでくれます」

「ソファの周りやアイランドキッチンを、子どもが三輪車でグルグル回って遊んでくれます」

引き戸でワークスペースとリビングを仕切ることができる。「お客様に泊まっていただくときにも重宝しています」

引き戸でワークスペースとリビングを仕切ることができる。「お客様に泊まっていただくときにも重宝しています」

ワークスペースは席を並べるスタイル。ワークチェアは柴田文江デザインのvertebra03。

ワークスペースは席を並べるスタイル。ワークチェアは柴田文江デザインのvertebra03。

引き戸で分けたワークスペース

竣工が2022年。
「当時はコロナ下だったこともあり、自宅でふたりが仕事をできるスペースを作りました」

そして、ワークスペースとリビングを分ける引き戸を設置。
「来客が宿泊するときにも仕切りとして使えるので、とても便利です」

また、キッチンはアイランド型に。隣にダイニングテーブルを寄せて、回遊性のあるレイアウトにしている。

キッチンのタイルは、黒のタイルに白の目地を合わせてコントラストを楽しむ。おいしいアイスコーヒーを振る舞っていただいた。

キッチンのタイルは、黒のタイルに白の目地を合わせてコントラストを楽しむ。おいしいアイスコーヒーを振る舞っていただいた。

パイプスペースを収納の中に格納。棚の浅い部分にはカップを並べて。

パイプスペースを収納の中に格納。棚の浅い部分にはカップを並べて。

扉のツマミやドアノブは真鍮のものをセレクト。「アイコニックなものがあると愛着が湧きます」

扉のツマミやドアノブは真鍮のものをセレクト。「アイコニックなものがあると愛着が湧きます」

北側に広がる白い空間

リビングダイニングはラワン合板の落ち着いた色合いでまとめられているが、リビングドアを挟んだ北側は一転、白を基調とした軽やかな空間が広がる。
「北側は光が入りにくいので、思い切って壁やドアを白にしました。光が回り、明るさを感じられるようになっています」

ガラスが入ったリビングドアは、表と裏で仕上げを変えた。
「リビング側はラワン合板に、北側は白に塗り分けています。見切り部分をどう納めるか、頭を悩ませつつも楽しみながらデザインしました」

リビングに通じるドア。こちら側からは白、リビング側はラワン素材になっている。

リビングに通じるドア。こちら側からは白、リビング側はラワン素材になっている。

こちらサイドは窓がないので、壁を白にして明るい空間にしました。

こちらサイドは壁を白にして、明るい空間にしました。

洗面スペースも白に統一。小物も白をセレクト。

洗面スペースも白に統一。小物も白をセレクト。

「トイレはゆったりと作りました。これから猫が飼いたいので、猫のトイレを置けるゆとりを確保しました」

「トイレはゆったりと作りました。これから猫が飼いたいので、猫のトイレを置けるゆとりを確保しました」

寝室の収納スペースはカーテンで仕切り、やわらかな印象に。

寝室の収納スペースはカーテンで仕切り、やわらかな印象に。

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