フォトグラファーの住まい 自然光の入る写真スタジオと、 家族のプライベート空間を併設

フォトグラファーの住まい自然光の入る写真スタジオと、
家族のプライベート空間を併設

刻々と変わる光と影を楽しむ

フォトグラファーの山本友来さん『にちにち寫眞by NIKO PHOTO WORKS』が選んだのは、ワンフロア130㎡の集合住宅をフルリノベーションし、家族4人のプライベート空間と、自身の写真スタジオを併せ持つ住まい。

「四方向に窓があり、すべての窓から緑が見渡せます」
一日の中で刻々と変化する光を取り込み、空間に映し出す。その感覚は、まさにフォトグラファーならではのこだわりだ。

これまで山本さん一家は、ご主人の仕事柄、転勤が多いと考え、賃貸住宅を選んできた。海外駐在の際に単身赴任を選び、山本さんと子どもだけで生活をすることになった際、“好きな家具や雑貨で住空間を整える心地よさ”に目覚めたという。

「コロナ禍では4人家族が小さな賃貸で暮らすことになり、住まいを見直すきっかけにもなりました」。

リノベーションを手掛けたのは『DEN PLUS EGG』
「経年変化を長く楽しめるような、シックで美しいDENさんの作品集に一目惚れしました」と山本さんは振り返る。
「どのように家づくりを進めてよいのかわからず、はじめは近所のリノベーション会社に相談してみました。ところが、希望を伝えても“言葉が通じない”感覚がありました。そこで思い切って『DEN PLUS EGG』に相談してみたんです。同じように話した内容が“わかってもらえる”ことに驚きました。夫は2つの会社に相談したことで安心感を持てたようです。
スタジオを併設できる家族4人が暮らせる物件探しからフルリノベーションまで、難しい注文だったかと思いますが、ワンストップで相談できたこともありがたかったです」

そうして実現したのが、この大きな窓に囲まれた、陰影の美しい空間だ。
東向きのキッチンでは朝陽の中で朝食を楽しみ、南西のリビングは1日中明るい。北西向きに構えたスタジオは、撮影にうってつけの美しい光を満たす。

柔らかな午後の光が差し込むリビング。窓際には山本さんが撮影した家族の写真を並べて。照明器具はオーダーメイド。「面光源が欲しかったので作っていただきました」

午後の光が差し込むリビング。窓際には山本さんが撮影した家族の写真を並べて。天井の照明器具はオーダーメイド。「面光源が欲しかったので特別に作っていただきました」

アイランドキッチンからリビングを見渡せる。

アイランドキッチンからリビングを見渡せる。

朝陽の差し込むオープンキッチン

「リフォーム前の間取りはクローズドキッチンだったのですが、DENさんの素敵なキッチンを活かすにはオープンキッチンしかないと思い、場所を移動することにしました」。
 

リビングを見渡せる場所にキッチンとダイニングを新設し、もともとキッチンがあった場所は洗面とバスルーム、洗濯機置き場、そしてファミリークローゼットを配置。家事動線を一か所に集約した。
「配管などをやり直す必要があったので、大変なご苦労があったと思います。
それでも、家族の顔を見ながら料理ができるオープンキッチンや、朝陽の差し込むダイニングで朝食をとれる心地よさは格別。生活の質がぐんと高まる素敵な場所をつくることができ、とても満足しています」。

アイランドキッチンには憧れのコーラー社のホーローシンクをセレクト。ダイニングは東向き。気持ちの良い朝陽の中で朝食をいただける。

アイランドキッチンには憧れのコーラー社のホーローシンクをセレクト。ダイニングは東向き。気持ちの良い朝陽の中で朝食をいただける。

フルリノベーションでキッチンをリビングに面した場所に新設。

キッチンは、リビングに面した場所に新設。

キッチンは、“必ずどこかで使いたかった”グレージュのアルチザンタイルと、ブルーグレーのキャビネットに。

“必ずどこかで使いたかった”グレージュのアルチザンタイルと、キャビネットをブルーグレーにしたキッチン。

「キャビネットは、木目を活かした塗装にしていただきました」

「キャビネットは、木目を活かした塗装にしていただきました」

様々な床の表情を楽しむ。キッチンはコルビュジエのオフィスでも使われていたセメントタイル、ダイニングはヘリンボーンに。

様々な床の表情を楽しむ。キッチンはコルビュジエのオフィスでも使われていたセメントタイル、ダイニングはヘリンボーンに。

一段下がったリビングの床は市松貼りに。「様々な表情の床を作れば、撮影バックを変えて撮影できるという考えもありました」。スタジオ側の市松貼りの床は濃いブラウンに塗装。

一段下がったリビングの床は市松貼りに。「様々な表情の床を作れば、撮影バックを変えて撮影できるという考えもありました」。スタジオ側の市松貼りの床は濃いブラウンに塗装。

念願のスタジオを併設した住まい

玄関を入ってすぐの場所に、山本さんが長年思い描いてきた撮影スタジオを設けた。

「自然光の影響をあまり受けない北向きの場所に広いスペースを作ることができました。壁は色が被らないようにスタジオ専用の白に、床はモルタルで仕上げました」。
編集作業のためのゆとりあるスペースや、機材を効率的に収納できるストックルームも備えた。
さらに廊下に面して、黒の窓枠をもつ大きな室内窓を設え、空間に奥行きをもたらしている。

「DENさんらしい質感の窓や扉をつくることができて満足しています」と山本さん。
 
「職業柄、スタジオを家に作ることができたらと、ずっと考えていました。ハードルが高い願いだと思っていましたが、それがこのリノベーションで実現することができ、本当にうれしいです」
玄関から入ってすぐの場所に撮影スタジオを設けた。

玄関からすぐにスタジオに入れる。室内窓がスタジオを広々と感じさせる。

スタジオの入り口。「黒の扉と真鍮のアンティークの取っ手の組み合わせがとても気に入っています」

スタジオの入り口。「黒の扉と真鍮のアンティークの取っ手の組み合わせがとても気に入っています」

北東に位置するスタジオは、柔らかなノースライトが回り込む、撮影に最適な場所に構える。玄関からも直接アクセスができる。

北東に位置するスタジオは、撮影のためのライティングに最適な場所。

広いスタジオ内にゆとりのある作業スペースを確保。「カウンターとして使っているキャビネットは、以前の家で使っていたものです」

広いスタジオ内にゆとりのある作業スペースを確保。「カウンターとして使っているキャビネットは、以前の家で使っていたものです」

プライベート空間とスタジオを分ける室内ドアを作り、スタジオ側にトイレを配置することで来客が安心して使えるように。

プライベート空間とスタジオを分ける室内ドアを作り、スタジオ側にトイレを配置することで来客が安心して使えるように。

大好きな空間で家族の成長を記録

取り除けない構造壁の制約から、一番明るい南側に寝室を配置することになった。
「南側を寝室にするのは少しもったいない気もしましたが、木製ルーバーで光を調整しながら、読書を楽しむプライベート空間として楽しんでいます」

130㎡の広さを活かし、ご主人と子ども2人、家族4人の独立した部屋を作ることができた山本邸。
「この家に暮らして2年。その間にも子どもは日々成長しています。光が美しい空間で、家族の何気ない日常を写真に記録できることも、この住まいならではの喜びです」

明るい南側に配置した寝室は、木製ルーバーで日差しを調節しながらゆっくりと過ごせる空間に。

明るい南側に配置した寝室は、木製ルーバーで日差しを調節しながらゆっくりと過ごせる空間に。

手前左側に独立したご主人の寝室を作った。床はカーペットに。

手前左側に独立したご主人の寝室を作った。床はカーペットに。

洗面所とファミリークローゼットをグルリと回遊し、リビングに出られる配置にした。「キッチンをすっきりとさせたかったので、この一角にパントリーも作りました」

洗面所とファミリークローゼットをグルリと回遊し、リビングに出られる配置にした。「キッチンをすっきりとさせたかったので、この一角にパントリーも作りました」

もともとキッチンだった場所を洗面所とバスルームに。洗濯機置き場とファミリークローゼットも作り、ここで家事を集中してできるようにした。

もともとキッチンだった場所を洗面所とバスルームに。洗濯機置き場とファミリークローゼットも作り、ここで家事を集中してできるようにした。

和室だった場所を二部屋に分け、中学1年生と小学三年生のお子さん二人のそれぞれの個室を作った。

和室だった場所を二部屋に分け、中学1年生と小学三年生のお子さん二人のそれぞれの個室を作った。

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