
30代女性のおひとり様リノベR型に沿ってカーテンの揺れる
アパレルデザイナーの土間クローゼット
リノベの夢が現実味を帯びた両親の一言
アパレル企業でデザイナーとして働くOさんは、2024年にこのマンションを購入。フルリノベーションをして暮らしている。
「10年以上前からリノベーションに興味がありました。でも、自分1人で家を買ってリノベするなんて現実的じゃないと思っていたんです。そんな時、妹夫婦が先にマンションを購入したのをきっかけに、両親から『家を買うなら支援するよ』と言われ、一気に現実味を帯びてきました。両親のサポートもあり、家を買って好きなようにリノベして暮らす夢が叶いました」とOさんは話す。
物件探しからリノベーションの施工までを一貫して、リノベーション会社『リノベる。』に依頼をした。選んだ理由は、担当者の姿勢だったという。
「担当の方が、今後の暮らし方やライフスタイルの変化まで視野に入れて、一緒に考えてくれたんです。表面的なサポートではなく、一緒に暮らしをつくる感覚でした。開放的な家にしたいと漠然と思っていましたが、なぜそう感じるのか?を深掘りしてくれて。話していくうちに、人の多い場所よりも、自然豊かな地元・瀬戸内のように、のんびり過ごせる環境が好きなんだと気がつきました」
担当者と巡った内見では、壊せる壁を一緒に確認しながら候補を絞り込み、最終的に2面バルコニーから夕日と青空の見えるこの部屋に決めた。

築49年、総面積は約53㎡。

ワンルームのような開放感のある間取り。

寝室を背に、リビング方向を見る。

玄関から続く土間のクローゼットエリア。

クローゼットには、Oさん自ら作った洋服も並ぶ。

アンティークのハンカチで作ったサシェには、ヒバのチップを入れて。

ハンガーレールにはワンピースを吊るし、造作棚にはニットやパンツを収納。
R型の収納動線に沿って、
手作りカーテンの揺れるクローゼット
リノベ会社から提案された3つのリノベプランの中から、最も大胆なデザインを選んだOさん。部屋全体を見渡せる開放的な1LDKの間取り。そして土間にはアパレルショップのようなクローゼットエリアをつくる案だ。
「R型の収納動線を提案していただきました。こんな動きのある間取りができるんだ!と感動。自分が想像していなかったプランにワクワクして、即決でしたね。お店のバックヤードみたいに、並んでいる洋服を眺めるのが楽しいです」
玄関からキッチン横まで繋がる広いクローゼットには、ハンガーレールと造作棚を組み合わせ、100着以上の洋服を見せながら収納できるようにした。
「クローゼットの中央には大きな姿見を置きました。洋服を着て、アクセサリーをつけて、靴を履いて、鏡の前に立つ。そこまでを、一連の動きとして楽しめる場所にしました」
収納と寝室を緩やかに区切るRの形は、地元・瀬戸内の海辺や山並みの自然をイメージしているそうだ。R型に沿って付けたカーテンレールには、これまで集めたアンティーク布を使ってパッチワークした手づくりカーテンを吊るした。
「風が吹いたときにカーテンがふわっと揺れるのを見るのが好きなんです。故郷の浜辺にいるような感覚になって、家の中に少しだけ地元の空気を感じる気がするんです」と続けた。

ワンルームのように使いたかったため、寝室の扉はなし。

寝室のガラス窓から、部屋全体を見渡せるようにした。

扉はないが、壁で仕切ることで落ち着ける寝室に。

リビングと寝室でフローリングの色に変化をつけ、視覚的にもオンとオフを切り替える。

フロアランプは、「JOURNAL STANDARD FURNITURE」で購入。

寝室の開口から土間方向を見る。

リサイクルショップで購入した食器棚には、ファブリック類を収納。
職場から家まで1時間。
素の自分に帰る場所。
「洋服の仕事って、ちょっとしたことで頭が働いちゃうんです。街で人の服装が目に入るだけで考え始めてしまうから、都内に行けば仕事モードのスイッチが入りやすい。だから物理的に、仕事と距離を置ける場所に住みたかったんです。そのおかげで家では自分の好きなことだけをして、のんびり過ごす時間がつくれています。上階の部屋なので、窓越しに人と目が合うこともないです。1人でぼーっとできる環境が、自分にとってはすごく大切です」
そんなOさんは、休日には外に出るよりも、家でのんびり過ごすことが多いという。
「洗濯して、朝ごはんを食べて、推しの球団『北海道日本ハムファイターズ』の試合をテレビで観ながらのんびり。気が向いたら料理や読書をするくらいが、ちょうどいいんです。外で頑張った分、家に帰ってきた時には素の自分に戻ります」
休日の穏やかなルーティンこそ、Oさんの心を整えてくれる大切な時間。好きな洋服や手づくりカーテンに囲まれながら、この家で素の自分に帰っていく。

キッチンの腰壁には、ヘリンボーン柄を採用。

キッチン奥の壁は、マグネットタイプのパネルに。

ワイヤーのフラワーベースには、ビーズでできた花を飾って。

土間を背に、部屋全体を眺める。

クローゼットの左手には、トイレ、浴槽、脱衣所、洗面所の水回りを集約。

洗面台の右側に脱衣所と浴室、左側にトイレ。

湯船に浸かる習慣がないため、シャワールームのみ。








