黒川紀章設計の集合住宅に暮らす民藝と北欧家具とヴィンテージと。
好きなものをレイアウトする楽しみ
低層のヴィンテージマンションをリノベーション
緑豊かな広々とした敷地に、低層の集合住宅がゆるやかに広がる。横溝賢史さん、須藤由美さん夫妻が見つけたこの築40年を超えるヴィンテージマンションは、建築家の黒川紀章さんの設計なのだとか。L字型の家には、たっぷりと明るい日差しが降り注ぐ。
「半年ほど静かな環境の家を探していたのですが、なかなか見つからずにいました。先輩に不動産屋さんをご紹介いただき、ついに見つけたのがこの家でした。内装は後輩が立ち上げた『FLAT DESIGN OFFICE』にお願いしました」
クローゼットルームと寝室以外は壁を抜いて広々とした空間に。床は無垢のオーク材を貼った。
吟味されたひとつひとつのものにストーリーがある
『BEAMS』のスーパーバイザーの賢史さんは以前ビジュアルマーチャンダイザーとして店舗の内装やディスプレイに携わっていた。謂わば、空間のコーディネイトにかけてはプロ中のプロ。由美さんは『BEAMS BOY』のディレクターを務める。
世界中の“いいモノ”を見てきたふたりがチョイスする家具やオブジェのひとつひとつ、そして温かい空間を作るセンスがほんとうに素敵。
家具や小物はほとんどがヴィンテージなのだとか。
「新品のものにはない、時間が作った味わいに惹かれます」
ミッドセンチュリーの家具や北欧のヴィンテージに加え、アジアの雑貨やヨーロッパ、そしてメキシコやアフリカの民藝品がコレクションに加わっているそう。
「それぞれにストーリーがある、人の手のぬくもりが感じられるクラフトが気になっています」
たっぷりとした空間から生まれる余裕のある暮らし
93㎡あるお宅は、2人暮らしには余裕のある広さ。一部屋をクローゼットルームにしているので収納もたっぷり。
「食器が増えてきたので、水屋箪笥を買いたいと思っています。ずっと探しているのですが、なかなか気に入ったものに出会えずにいます」
リノベーションの際、壁は白に塗装したが、今後は色を塗り変えてみたいとか。
少しづつ手を入れながら暮らしを楽しむお二人が、今後ここをどんなふうに育てていくのか、味わいがさらに増した空間にもまたぜひお伺いしてみたい。