自分を癒す特別な空間シンプル+クラシックを愉しむ
大人の部屋
選んだのは古いマンション
都心へのアクセスもしやすく、落ち着きのある街に暮らすUさん。Uさんは、築47年のヴィテージマンションの一室をリノベーションし住んでいる。クラシカルな雰囲気漂う部屋に入ると窓からの眺望も良く、気持ちの良い風が通り抜ける。「角部屋なので窓も多いから明るいし、風通しがいいところが決め手になりました」。
設計は、大学時代共に建築を学んだ友人で建築家でもある東端桐子さんにお願いしたという。「以前住んでいたマンションが水漏れによって住めなくなり、急いで引越し先を探しました。それでマンションを買って設計してもらって5ヶ月で入居できたんです。こんなに早くできたのは、東端さんが私の趣味趣向を汲んでくれたおかげです」。東端さんも、「Uさんは好き嫌いがはっきりしていて決断が早いので、こちらもスムーズに設計できました」。と話す。
部屋を狭くして自分の好きな空間に
この部屋のリノベーションのいちばんの鍵は、北側にあったキッチンをリビングへ移設したことだ。「暗くて寒いのがどうしても嫌でリビングへ移動しました。リビングは狭くなるのですが、やっぱり明るいところで料理したいと思いました」。キッチンはこの部屋に備え付けられていたものを流用し、壁で覆い古建具を入れた半オープンキッチン。窓からの眺望もあり明るく、またリビングから流しなどは見えないので、いつでもすっきりとした空間に。「たまに友人を呼んでホームパーティーをするのですが、この窓枠もカウンターのように対面で使えるし何より明るいのがいいですね。こちらに移して正解でした」。
全体の仕上げは無垢のパイン材の床に白い壁というシンプルなベースに、Uさんが探してきた古建具や紫色のカーテン、絵画、家具などが添えられ彼女らしい空間となっている。また、化学物質過敏症ということもあり、壁紙もやたらと張り替えず寝室はホタテ漆喰塗りで仕上げるなど配慮した。
少し特別な場所が癒しの時間に
奥の部屋は二部屋だったのをひとつながりにして、ベッドスペースとプライベートスペースを古い建具で緩やかに仕切っている。「こちらの部屋の窓からは、ついお酒を飲みたくなるような夜景が見えてとても素敵なんですよ」。昼間は明るくさわやかな部屋も、夜は全く別の表情を楽しめるのだそうだ。
「住み心地はもちろん想像以上にいいです。贅沢ですよね、ひとりでこれだけの広さを満喫していて。仕事が忙しいときはトイレに行くひまもないぐらいなんですけど、この部屋に帰るとそのあわただしさを忘れることができて癒されます。友人たちにも居心地がいいと好評です」。着物の着付けや茶道をたしなむUさんは「まだ手をつけていない部屋がひとつあるんです。ゆくゆくは和室にしてお茶をたてられるようにできたら、なんて考えています」。また癒しの空間が増えることになりそうだ。