元オーナー住戸をリノベ遠景とアートが融合
家族と繋がるワンルームギャラリー
1ルームの贅沢空間
「本当は一軒家を建てるつもりで土地を購入していたんです」。環状線の走る街を見下ろす築44年のマンションの最上階で、建築家・永山祐子さんはこう語る。
「子供が生まれることになり、平面的に暮らせる空間の方がいいかなと思ったんです。ここはメゾネットタイプですが、LDKのある上階のフロアだけで100㎡あります。戸建てではなかなか実現しにくいですよね」。
元オーナー住居だったというメゾネットの一室は、2フロア合わせた面積が188㎡。さらにLDKに隣接して93㎡のテラスもある。
「この平面での広さと、職場にも実家にも近い利便性、そして眺望に惹かれて即決しました」。
リノベーションには1年以上をかけた。63㎡の下のフロアは将来的に使う予定の主寝室とワークスペース、上のフロアにLDKと、現在は家族4人で使う寝室を。
「子供の成長によって、生活スタイルは変わると思うんです。その時々に対応できる可変性のある空間というものも意識しました」。
「子供が生まれることになり、平面的に暮らせる空間の方がいいかなと思ったんです。ここはメゾネットタイプですが、LDKのある上階のフロアだけで100㎡あります。戸建てではなかなか実現しにくいですよね」。
元オーナー住居だったというメゾネットの一室は、2フロア合わせた面積が188㎡。さらにLDKに隣接して93㎡のテラスもある。
「この平面での広さと、職場にも実家にも近い利便性、そして眺望に惹かれて即決しました」。
リノベーションには1年以上をかけた。63㎡の下のフロアは将来的に使う予定の主寝室とワークスペース、上のフロアにLDKと、現在は家族4人で使う寝室を。
「子供の成長によって、生活スタイルは変わると思うんです。その時々に対応できる可変性のある空間というものも意識しました」。
階段ギャラリーを実現
リノベーションにあたって最も大事にしたのは、圧倒的な眺望を活かすことだった。
「何よりこのパノラマを活かしたいと思いました。南側の開口部は、枠が邪魔しないように大きなガラスでフィックスしました」。
窓際に10mもの長さのカウンターを造作。窓の向こうには遮るもののない景色が広がり、天気が良ければ富士山も望める。
「当初から階段まわりにはガラスを使いたいと計画していました。生活の中にアートを取り入れたいという思いがあって、階段はギャラリースペースにしたかったんです」。
解体して現れたコンクリートを、あえてそのままむき出しにした壁に、アーティスト・川久保ジョイの作品を飾る。ガラスの仕切りを通して、室内からも作品を眺めることができ、生活空間でありながらギャラリーにいるような雰囲気に。
「アートと窓の外の遠景をつないでいく、そんな狙いもありましたね」。
100㎡のフロアは、大きな木の引き戸で仕切られるだけ。普段は開け放ち、広々としたワンルームにしている。
「部屋を分節せず、連続して見えるようにしたいと。収納も、空間を区切らないように位置を考えました。そうすればどこにいても子供たちに目が届きますし」
遠景とアートが織り成すワンルームのギャラリーで、夜は引き戸を閉め、家族4人で並んで寝るのだそうだ。
「何よりこのパノラマを活かしたいと思いました。南側の開口部は、枠が邪魔しないように大きなガラスでフィックスしました」。
窓際に10mもの長さのカウンターを造作。窓の向こうには遮るもののない景色が広がり、天気が良ければ富士山も望める。
「当初から階段まわりにはガラスを使いたいと計画していました。生活の中にアートを取り入れたいという思いがあって、階段はギャラリースペースにしたかったんです」。
解体して現れたコンクリートを、あえてそのままむき出しにした壁に、アーティスト・川久保ジョイの作品を飾る。ガラスの仕切りを通して、室内からも作品を眺めることができ、生活空間でありながらギャラリーにいるような雰囲気に。
「アートと窓の外の遠景をつないでいく、そんな狙いもありましたね」。
100㎡のフロアは、大きな木の引き戸で仕切られるだけ。普段は開け放ち、広々としたワンルームにしている。
「部屋を分節せず、連続して見えるようにしたいと。収納も、空間を区切らないように位置を考えました。そうすればどこにいても子供たちに目が届きますし」
遠景とアートが織り成すワンルームのギャラリーで、夜は引き戸を閉め、家族4人で並んで寝るのだそうだ。
何気ないトーンにこだわって
外へと抜ける開放感と広々とした空間。居るだけで心地よいこの部屋は、何気ないようでいて実は素材とデザインにこだわり抜かれている。大きな木の引き戸は、よく見ればヘリンボーンのような規則性のある貼り方に。
「シナの木の突き板をヘリンボーン貼りにしたのですが、樹種によってヘリンボーンの出方が違います。大きな壁面にした時に柔らかな、煙のように木目が浮き立つようなシナの木に最終的に決めました。わざとらしくならないように見せたくて」。
ダイニングテーブルもヘリンボーンで木の葉を表現したデザインで、永山さんのオリジナル。
「壁はモルタル塗装なのですが、濃くすると暗くなるのでワントーン白く仕上げました。ムラの出方にも注文をつけたり(笑)、何でもないところに気をつかいましたね」。
存在感のあるソファーのファブリックは、お気に入りのスペイン人デザイナー、パトリシア・ウルキオラのもの。クッションのファブリックは服飾デザイナーのラフシモンズがデザインしたもので、どちらもクヴァドラのテキスタイル。
「目の細かさ、糸の継ぎ目が大好きなんです。テクスチャーのある素材感に惹かれますね」。
木目細やかなタッチに包まれた空間は、モダンなのにどこか暖かい。そして、爽やかな風が吹くテラスに出れば、四季折々の植物が目を潤してくれる。
「ブルーベリーなど実ものが多くて、子供たちが穫って食べたり、それをジャムにしたり。家にいる時間が充実していて幸せで、あまり出かけなくなりましたね」。
「シナの木の突き板をヘリンボーン貼りにしたのですが、樹種によってヘリンボーンの出方が違います。大きな壁面にした時に柔らかな、煙のように木目が浮き立つようなシナの木に最終的に決めました。わざとらしくならないように見せたくて」。
ダイニングテーブルもヘリンボーンで木の葉を表現したデザインで、永山さんのオリジナル。
「壁はモルタル塗装なのですが、濃くすると暗くなるのでワントーン白く仕上げました。ムラの出方にも注文をつけたり(笑)、何でもないところに気をつかいましたね」。
存在感のあるソファーのファブリックは、お気に入りのスペイン人デザイナー、パトリシア・ウルキオラのもの。クッションのファブリックは服飾デザイナーのラフシモンズがデザインしたもので、どちらもクヴァドラのテキスタイル。
「目の細かさ、糸の継ぎ目が大好きなんです。テクスチャーのある素材感に惹かれますね」。
木目細やかなタッチに包まれた空間は、モダンなのにどこか暖かい。そして、爽やかな風が吹くテラスに出れば、四季折々の植物が目を潤してくれる。
「ブルーベリーなど実ものが多くて、子供たちが穫って食べたり、それをジャムにしたり。家にいる時間が充実していて幸せで、あまり出かけなくなりましたね」。