インテリアの達人が私物を公開KINTOプレス、
堺さん愛用の器と植物
プロの私物公開企画第二弾は「KINTO」のプレス堺さんに登場いただいた。堺さんは、国内外問わず、訪れた先では ギャラリーやショップを巡るというほどの器好き。今回は、デンマークやスウェーデン、フランス、ロサンゼルス、京都、沖縄、益子などで購入した愛用品をご紹介。また、堺さんがKINTOに惹かれるきっかけにもなったというティーポットについても伺った。
旅先で出会ったもの
13年前に訪れたフィンランドとスウェーデンで購入したアラビアのヴィンテージを見せていただいた。
シュガーポットとピッチャーは、アラビアの人気シリーズ「ルスカ」。ブラウンはセレクトショップなどでも見かけるが、今回ご紹介いただいたブルーは、1963年に少量生産した希少なモデルだ。「窯変の雰囲気が特徴的で、グレーのニュアンスもあります。マットな質感とストーンウェアの重量感が心地いいですね」
果実が描かれたプレートは、1970年代前半のもの。「ブルーの器は、レモンやオムレツなどのイエローも映えるし、ハーブやサラダなどのグリーンも合います」KINTOのアイテムとも相性が良く、丈夫で日常使いできるところも気に入っているそう。「グレーの色味が近いFOGシリーズは相性抜群です。RIMシリーズなどのエッジが効いて、光沢のある釉薬の器とも合います」
デンマークの蚤の市で出会ったロイヤルコペンハーゲンのヴィンテージ。
ロイヤルコペンハーゲンは、裏面にブランドネームだけでなく、絵付師やデザイナーのサインが描かれているのが特徴。「購入した際に、バックスタンプの意味や背景を語ってくれたことがブランドに対してのリスペクトと感じて、とても印象に残っています」
「陶磁器の花瓶は、滲むような濃淡のある釉薬が独特。絵柄は西洋を感じますが、アオモジやアジサイなどの和花が似合うところが気に入っています」
1967年からスタートしたロイヤルコペンハーゲンのイヤーマグ。堺さんは70年代を中心にコレクションしている。「手描きの絵付けや、ひとつひとつ異なる釉薬の表情に惹かれます。ブルーの釉薬が美しい1975年のマグが一番のお気に入りです」
蚤の市で一目惚れしたヴィンテージのガラスピッチャー。「ブルーの色合いに惹かれました。ミルクピッチャーですが、注ぎ口にちょうど植物の茎がおさまるので花器として 使っています」
出張でフランスやロサンゼルスを訪れた際に購入した器や雑貨。
フランスでは、銅のコースターや琺瑯プレート、ステンレスのバターナイフなど、メタルのアイテムに惹かれたという。
「コースターは、手で打ったようなクラフト感が決め手。ブラックの琺瑯プレートはミニマムなルックスがかっこいい。アウトドアでも愛用しています」クールなメタルのアイテムには、ガラスの花器やグラスを合わせるのが鉄則。雰囲気がグッと柔らかくなる。「バターナイフは、旅先でもつい購入してしまうアイテム。使い勝手を試しながらフィットするものを模索しています」
ロサンゼルスのKINTO直営店を訪れた際に、現地のセレクトショップで購入したプレート。ミニマルなフォルムと素朴な質感の対比が印象的だ。「赤土やざらりとした質感に惹かれました。和食にも合いそうな雰囲気が購入の決め手になりました」
京都や沖縄など、国内旅行でも現地のショップで作家ものの器やヴィンテージの器を探すのがマイブームと語る堺さん。
粕谷修朗の皿と茶碗は粉引きという技法で、刷毛目や釉掛けが特徴。「和食の器が欲しいと思っていた頃、沖縄で粕谷さんの器に出会いました。大胆でおおらかな雰囲気が気に入っています」シンプルな料理が映える存在感のある黒の大皿。「はじめは真っ黒だった表情が、使い込むうちにブラウンがかった色合いに変化してきました。陶器ならでの経年変化も楽しみのひとつです」
京都を訪れるたびに、一枚ずつ購入している豆皿。「8年前から京都のヴィンテージショップに通っています。江戸後期のもので、独特な釉薬の色合いに惹かれました。おつまみをのせて、テーブルのアクセントにしています」RIMシリーズなど、艶やかな釉薬の器との相性がいい。
日本の作家もの
ギャラリーやショップに足繁く通い、気になる作家ものの器を探すのが楽しいという。
15年前に益子で購入した作家ものの茶碗は、緑がかったマットな釉薬に惹かれて購入。「二つ同時に割ってしまい、初めて自分で金継ぎしました。継ぐとさらに個性が出て、より愛着が湧きます」
琉球ガラス作家、小野田郁子の器は、リサイクルガラスを使用した、独特の柔らかなフォルムが魅力的。「ゆるいラインとぽってりとした厚み、気泡が入った質感に、愛嬌を感じて、思わず購入しました。フルーツボウルとして愛用しています」
ドラマチックな釉薬に惹かれたmushimeganebooksのプレートは、お気に入りの一枚を、じっくりと見つけるのが楽しい。
「友人の紹介で出会った作家さん。柔らかくて自然体なお人柄が作品に表れています。パスタはもちろん、中華料理にも合います。縁のないフラットなプレートはチーズや刺身もいいですね」KINTOのCASTやHIBIシリーズなど、ガラスのアイテムと一緒に愛用しているそう。
日常に欠かせない器
出番が多いのはKINTOのアイテム。そこに、ヴィンテージや作家ものをミックスするのが堺さん流だ。今回は、よく使うアイテムやコーディネイトを伺った。
友人を招いたディナーに、よく登場する器は、釉薬と赤茶色の土に惹かれたTERRAシリーズ。オーブンにも使えるので、野菜をグリルしてそのままテーブルに出せるのが魅力。「鉄粉の混ざった土の質感と個性的な釉薬がお気に入りポイントです。同じ釜の中でも、ひとつひとつ風合いが変わるので、好きな表情を見つけるのが楽しいんです。ほどよく深さのあるプレートは、料理の量が多くても少なくても映えるのでおすすめ。あたたかみのあるブラウンのグラスとも好相性です」
休日のランチに愛用している器を見せていただいた。15年を超えるロングセラーのRIMシリーズは、シンプルなフォルムと艶のある釉薬が特徴。「古さを感じないデザインが好き。縁がしっかりあるので、汁気の多い料理に向いています。ダブルウォールグラスは、断熱効果があり、見た目にも美しいので普段使いにぴったり」
リモートワークを癒やしてくれたアロマウォーマーと植物。「コロナ禍の心も不安定な時期に、香りで癒されました。花や植物を並べると、より素敵な空間になりますね。この花瓶は上部のプレートが花や茎を支えてくれて、生けやすいので長年愛用しています」
ハーブティー好きの堺さんにとって、ティーカップは相棒的な存在。LEAVES TO TEAは、ストレーナー付きの便利なティーカップ。
「本格的な茶葉で淹れた、贅沢な一杯を仕事中も楽しんでいます。最近のお気に入りはKINTOのFARMで栽培しているレモングラス」SCHALEのガラスケースは、耐熱ガラスなので、冷たいものから熱いものまで使える。「ガラスケースに散らかりがちな文具を入れて、デスクを整えています」
毎日のティーブレイクに愛用中のアイテムは、UNITEAシリーズのティーポットとマグ。もともとはグラフィックデザイナーだった堺さんが、入社前にKINTOというブランドを知ったきっかけになったシリーズだ。
「それまでは陶磁器の茶器を使っていたので、ガラス素材のティーポットに新鮮な印象を受けました。ジャグやストレーナー、蓋、カップの口径を揃えていて、自分好みにカスタマイズできるというコンセプトに惹かれました」UNITEAのデザインを手掛けたのは柴田文江さん。「数人分を淹れる時は、ジャグにストレーナーをセットしてティーポットとして使い、一人分を淹れるときはストレーナーを兼用して、マグカップを使っています」
花と植物
家のあらゆる場所に、花や植物を飾るという堺さん。たくさんある花器の中から、選りすぐりの愛用品をご紹介いただいた。
「LUNAは、小ぶりなので自宅の色々な場所で使っています。ガラスに真鍮がアクセントになっていて、色気があるところが好きですね。生花だけでなくドライフラワーにも合います」ガラスケースにドライフラワーを入れたり、ヴィンテージのミルクピッチャーに花を挿したり、自由な発想で花のある暮らしを楽しまれている。「SCHALEは、極めてシンプルなガラスケース。料理の器として使ったり、鍵やアクセサリーを入れたり、花器にしたり、家中の色々なところに置いています。グレーのSCHALEにドライフラワーを合わせるのがお気に入りです。デンマークで購入したブルーのミルクピッチャーも花器として使っています」
ハイメ・アジョンがデザインしたフリッツ・ハンセンの花器、IKEBANA。「もともとハイメ・アジョンのチャーミングな作品に興味がありました。IKEBANAは、花器そのものに存在感がある上に実用的。花を数本挿すだけで様になります」
かっこいい多肉植物や個性的なサボテンなどの植物を見せていただいた。MOLLISのブランド誕生をきっかけに、多肉やサボテンを取り入れるようになったそう。「叢さん監修の個性的な植物に惹かれています。黄色いサボテンは、剪定をしたら接木の先端が星型に変化が表れました!少しづつ成長する姿が可愛らしく、愛着が深まります」