インテリアの達人が私物を公開 ACTUSプレス、
関洋之さん愛用のカルティオ
インテリアやデザイン関係者の私物公開企画。今回は、ACTUSのプレス担当、関洋之さんが登場。関さんが30年かけて集めたイッタラの「カルティオ」タンブラーを見せていただきました。カルティオの魅力とともに、飲み物や料理との相性もご紹介。
1958年、フィンランドのデザイナー、カイ・フランクによってデザインされたカルティオ。関さんがカルティオと出会い、その美しさに魅了されたのが約30年前。「アクタスに入社した頃、先輩の家に招かれた際に出されたのがカルティオのタンブラー。それがカルティオとの出会いでした。学生時代は、F.O.B COOPやキャトルセゾンなど空前の雑貨・カフェブームで、当時の流行りがデュラレックスのピカルディ。これが、タンブラーの中のタンブラーだと思っていました」1990年代、カフェやビストロの定番グラスといえば、デュラレックスのピカルディ。エスプリの効いたデザインに、タフで手頃なことから、普段使いのグラスとして人気だった。
「一方で、カルティオは、何の装飾のない完成されたフォルム。そして、手に馴染む絶妙なサイズ感と色も美しさに一目惚れしました。当時は、コバルトブルーとエメラルドグリーン、クリアの3色展開だったと思います。そして、マイベスト3は、コバルトブルー、エメラルドグリーン、レッドの3色です」関さんがはじめて手に入れたファーストカルティオは、コバルトブルー。ほかのブルー系タンブラーに比べて、深くて鮮やかな色合いが印象的だ。
また、レッドは年代により濃淡が微妙に異なる点が興味深い。「個人的にカルティオは透けているモノよりも濃厚な色が好みなので、マイベスト3に入っています。カルティオの普遍的なフォルムにエレガントさが加わっているところも好き。そして、レッドは他のカルティオよりも少しだけ重く、手にしっくりときます」
カルティオのコレクションを始めて、少し経ったころにペールピンクやイエローが登場。「カルティオは、どちらかというと寒色系カラーが中心で、マチュアなアイテムと思っていたので、ペールピンクなどのガーリーなカラーが登場した当時は衝撃でした。透明感のある美しいイエローや、オレンジがかったリオブラウンは一目惚れして即買い!」カルティオのパステルカラーは、ファンシーではない凛とした雰囲気が魅力。
そして次に、2011年にカイ・フランク生誕100周年を記念して発売された限定のカルティオセットを見せていただいた。カルティオの原型であるタンブラー2744が誕生した当時のマウスブロー製法でつくられたもの。繊細な質感と北欧らしい美しい色合いが魅力だ。また、コレクター心をくすぐるボックスデザインもポイント。「カイ・フランク生誕100周年モデルは発売が2011年。ちょうどマンションを購入したタイミングでアニバーサリー的に購入しました。手吹きならではの薄いつくりで、造形的な美しさがあります。繊細なので箱にしまったまま(笑)。たまに眺めて、楽しんでいます。自分の中では、現行のカルティオがベスト。日常の美しい道具として惹かれています」
カルティオは、ミネラルウォーターやソフトドリンクはもちろん、ビールやワイン、ウイスキー、日本酒などのアルコール類にも使いやすく、さらに、和洋中どんな料理にもしっくり馴染んでくれる。今回は、関さんのご自宅で実際に使われている様子を伺った。
パンとミルクの軽めの朝食。「ブルーのタンブラーと、ミルクの白の相性が気に入っています。適度な厚みがあるので、口元や底のブルーが際立って、さらに素敵です」
昼食にはサクッと蕎麦を。「カルティオは、和食にもおすすめです。昼食は蕎麦の気分で、グレーのタンブラーを合わせました。日本酒や焼酎を入れてもいいですね。竹ざるや蕎麦猪口と並べても、しっくりと馴染みます」
今夜は関さんお手製のポトフ。フィンランドのビールをお供に、ご家族でディナーを楽しまれるそう。「愛用している210mlのカルティオは、ビールを飲む時にちょうどいいサイズ。ビールグラスにもワイングラスにもなります」
休日や食後など、くつろぎのひとときにもカルティオを愛用。「アイスコーヒーが好きなので、ハンドドリップで淹れて、よく飲んでいます。カルティオは、完成されたフォルム、手に馴染む大きさ、口あたり、そのすべてにおいて、僕にとってベストグラス。また、カルティオシリーズには、210mlと400mlがあるのですが、400mlには全く魅了されないのです。これもある意味での偏愛かと(笑)さらに、手頃な価格でグッドデザインを購入できるのもポイントです」