壁のないファミリー物件ゆるやかに仕切られた
NYスタイルの1LDK
目指したのは慣れ親しんだニューヨークの家
もうすぐ結婚6年目を迎える馬場家は、ご夫婦と生後9ヶ月になるお子さんの3人暮らし。2年前に赴任先のニューヨークから帰国後、愛犬の小次郎も家族に加わり、この春から70平米のリノベーション物件に暮らす。
「帰国後は賃貸マンションに一年ほど暮らしていたのですが、アメリカの生活に慣れてしまうと、日本の賃貸物件ではどうしても窮屈な感覚があったんです。」と話す馬場さん。
「帰国後は賃貸マンションに一年ほど暮らしていたのですが、アメリカの生活に慣れてしまうと、日本の賃貸物件ではどうしても窮屈な感覚があったんです。」と話す馬場さん。
フルリノベーションをすると決めたとき、まず頭に浮かんだのは当時ニューヨークで住んでいた家のイメージだったという。仕切りがなく広々としたリビングに、日がたっぷりと差し込む大きな窓。そんな明るい部屋には海外赴任時代からの思い入れのある家具と日本で新たに購入したものがバランスよく配置されている。
シンプルな間取りが叶えたゆとりある空間
「これから何十年と住んでいく家なので、長い目で見て飽きがこないシンプルなスタイルを心がけました。」と話すのは、物件購入時から家づくりの舵をきってきた奥様のりょう子さん。しかし最初は1LDKにするか、2LDKかで悩んだという。
「70平米という限られた空間に色々詰め込もうとすると、結局どれも中途半端になってしまいそうだったんです。設計の柴田さんの『リノベーションは潔さが大切』という言葉に背中を押され、最終的には思い切って壁を全て取り払った1LDKにしました。」
ベッドルームとリビングルームの間に壁をつくる代わりに、スチールフレームの本棚で空間を仕切っている。こうして無駄を省いていくことで、限られた空間を最大限に有効活用することができた。
10年、20年後の家族の姿を思い浮かべて
家の中で旦那さんが一番こだわった部分はバスルーム。これまで海外出張で宿泊してきた世界中のホテルからインスピレーションを得て、家でもホテルのバスタイムのような贅沢な時間を過ごせる空間づくりを目指した。ブラックに塗装された猫足バスタブや白いタイル壁、洗面台、ミラー収納、ブラケットライトなどは全て海外から輸入。伝統的な欧米様式の中にモダンなスタイルを意識した。また、洗濯機も収納できる大きめの納戸を設けることで、ワンルームでありながらも生活感を感じさせないおしゃれな空間づくりを可能にしている。
そして玄関の隣にできた5畳ほどのスペースには、この家で唯一の個室がある。将来息子が大きくなったときのための子供部屋だ。
「これまで海外赴任が多かったこともありますが、子供ができるまではマンション購入を真剣に考えたことはありませんでした。でもいざ子供ができると、自分は父親として家族に何を残してやれるだろうって。子供が生まれたことで10年20年先の未来までしっかり思い描くようになりました(馬場さん)」。