
3人家族の53㎡リノベーション“部屋を定義しない” 間取り
フリースペースを棚で仕切って
既存の水回りを活かして
工事費用を最小限に。
Hさん一家は、ご夫婦と娘さんの3人家族。2025年にこのマンションを購入し、リノベーションして暮らしている。
もともと住んでいた賃貸アパートの目の前に、高層マンションが建設されることになり、これまで見えていた景観が損なわれることを懸念して、住み替えを考えはじめた。最初は賃貸の物件を探していたが、最終的には分譲マンションを購入することに。
「もともと古い建物を活かしたカフェや古道具が好きで、リノベーションにもずっと興味があったんです。賃貸と同じくらいの予算感で、自分たちらしい家づくりができるなら購入も現実的かもしれないと思いました」と奥様。
家探しからリノベーションの設計まで、リノベ会社「ゼロリノベ」に依頼をした。『大人を自由にする住まい』のコンセプトに惹かれ、受講したオンラインセミナーがきっかけだ。
「どこに頼めばいいのか正直わからなくて、値段も不透明な印象がありました。そんな中で、ゼロリノベさんは何平米でいくらかかるかといった料金体系がすごく明確で、担当の方の対応も誠実でした。家探しの段階から各フェーズで親身に対応してくれて、ここなら安心して任せられると感じました」と話すのは、旦那様。
この物件は10年前に一度フルリノベーションされていて、水回りや配管をそのまま活かせる状態だった。そのため工事の範囲を最小限に抑えることができ、現実的な選択肢に。物件の購入を決断した。

築47年、総面積は約53㎡。

左にキッチン、正面に寝室、右にリビング。

リビングエリアから部屋全体を眺めて。

壁面本棚「マルゲリータ」で空間を緩やかに区切る。

図書館のように家族で本を楽しむ。

ソファは「CLASKA」で購入した「Buns Sofa」。

3つに分解できるコーヒーテーブルは譲り受けたもの。
壁一面の本棚『マルゲリータ』が
ワンルームを緩やかに仕切る
もともと2LDKだった間取りは、開放感のあるワンルームへと変更。部屋の使い方を明確に定義しないで、大きなフリースペースのような構成を目指した。
「前の家は通路の行き止まりが多くて、動線が重なったり回り道したりと、小さなストレスを感じる場面が多かったんです。今回はどこにも行き止まりをつくらず、ぐるっと回遊できる間取りにしたいと設計段階からお願いしました(旦那様)」
「前に暮らしていた賃貸では引き戸があっても、結局ずっと開けっぱなしにしていました。小分けにされた部屋って使わないスペースができやすくて嫌だったんです。実家でも自分の部屋にあまり行かず、リビングで過ごすことが多かったです。部屋数の多い間取りよりも、視界が抜けた広々とした空間の方が心地よいと感じていました(奥様)」
また、自然光の入る場所で寝たいという希望から、寝室の位置をリビング横の窓際に配置した。リビングと寝室の間に壁は作らず、壁一面の本棚『マルゲリータ』でゆるやかに2つの空間を仕切った。
「今はこの配置ですが、今後は別の置き方も試してみたいと思っています。本棚のレイアウト次第で空間の使い方を変えられるので、暮らしに合わせて柔軟に調整できるのがいいですね」と続けた。

空間効率のいい壁付けキッチンを採用。

キッチンは既存のものをそのまま利用した。

造作した木製の棚を吊ってアクセントに。

奥様の祖母から譲り受けた、昭和初期の食器棚。

雑貨店「SAML. WALTZ」で購入したガラスの漏瑚 (じょうご) を使った照明。

寝室の2段ベッド。現在は家族3人川の字になって、下のベッドで寝ている。

ダイニングエリアから、ベランダ方向を眺めて。

壁一面の本棚『マルゲリータ』で仕切った寝室。

お気に入りの版画は、松林誠氏の作品。
玄関エリアでは趣味を満喫!
自転車の収納から改造まで
旦那様の趣味は自転車。今回のリノベーションでは、自転車との共存もテーマのひとつに掲げていた。
「前の住まいでは自転車の装備や工具を詰め込むように収納していました。そこで今回のリノベでは、玄関の横に趣味のためのスペースを作りました。簡単なメンテナンスや改造が自宅でできるようになって、とても楽しいです。子どもが生まれる前はよくロングライドに出かけていましたが、今は近場をゆったりと走ることが多いです」
さらに自転車エリアの背面には、2つの棚を造作してウォークスルークローゼットを用意した。壁一面にも収納棚を設けて、その先に靴箱、玄関へと続く。
「以前はリビングに物があふれてしまって、友人を家に呼ぶことがなかなか出来ませんでした。でも今は自転車まわりの道具から衣類までしっかり収まる場所ができたので、リビングが片付き、人を招けるようになりました」と奥様も満足している様子だ。
部屋数を多く設けなくても、棚を使って緩やかに仕切ることで、あらゆる機能を無理なく同じ空間に収めることのできたワンルームリノベーションの好事例である。

玄関エリア。自転車を縦に2つ重ねることで省スペースに。

自転車収納の裏側は、ウォークスルークローゼット。

家族全員分の衣類から、季節物まですべて収納している。

玄関の靴を履く所は青色の塩ビタイルを使用。

自転車収納の奥には、靴棚を用意。

玄関から見た景色。

室内の床には塩ビタイルを使用。

トイレ本体は既存設備をそのまま利用。壁面や照明のみを変更。

洗面台も既存をそのまま利用して、リノベ費用を削減。








