夫婦ふたりのこれからに寄り添うリノベーション 暮らしやすさをかたちに 住まいの中心に据えた収納空間

夫婦ふたりのこれからに寄り添うリノベーション暮らしやすさをかたちに。
住まいの中心に収納空間を据える

子どもたちの独立を機に住まいを見直す

1年前に、長年暮らしてきたマンションをリノベーションしたAさん夫妻。きっかけとなったのは、二人のお子さんの独立だった。夫婦ふたりのこれからを見据え、住まいを見直すことを考え始めたという。
Aさん夫妻が暮らす埼玉県ふじみ野市のマンションは、約30年前に新築で購入したもの。広さは84㎡で、家族4人で暮らしてきた。「子ども部屋を2室確保するために、4LDKという条件にこだわって探しました。それが夫婦2人になり、さらに私が定年を迎えたことから、もっと住みやすい環境に変えようかという話になったんです」(ご主人)。当初は住み替えも検討したが、「実家がなくなるのはさみしい」という子どもたちの言葉を聞き、この場所で暮らし続ける選択をした。
実はAさんは、リノベーションを検討する5年ほど前に、水まわりのリフォームを経験している。しかしそのときは、満足のいく結果にならなかったという。「地元の会社に依頼したところ、分厚いカタログを渡されて『この中から選んでください』って言われて。悩んで決めたものの、出来上がってみたらイメージと違って空間全体がチグハグになってしまって」(奥さん)。その反省から、次はプロと対話しながら進められるリノベーションを希望したという。
そこで大手の会社に相談したものの、提案や進行のスピードに違和感を覚える場面が多かったそうだ。「向こうのペースでどんどん進んでしまうのが、少し気になりました」。そんな中、ご主人がインターネットで見つけたのが、ツバメクリエイツだった。夫妻は「話を聞きに行ったら、一切押しつけることなく、むしろこちらの言葉を待つような姿勢に、これまでとは異なる安心感を覚え、依頼を決めました」と振り返る。
長年暮らした愛着を大切に、これからの暮らしに合わせて住まいを更新する。夫婦ふたりの新しい時間に寄り添うリノベーションが、こうして始まった。

廊下の扉を開けると、目の前にLDKが広がる。オーク材を基調としたぬくもりを感じさせる空間。

廊下の扉を開けると、目の前にLDKが広がる。オーク材を基調としたぬくもりを感じさせる空間。

正面のテレビを掛けてある壁の奥が収納スペース。リビング・ダイニング側からは見えないため、すっきりとした印象を保てる。

正面のテレビを掛けてある壁の奥が収納スペース。リビング・ダイニング側からは見えないため、すっきりとした印象を保てる。

リビングの窓側から壁の裏に回ると、収納スペースがある。窓の前にはハンガーポールを設置した。

リビングの窓側から壁の裏に回ると、収納スペースがある。窓の前にはハンガーポールを設置した。

壁裏の収納スペース。アイロンや掃除機など日常使いのものから、布団などの大物まで収納されている。ウォークインになっており、使い勝手が良いそう。

壁裏の収納スペース。アイロンや掃除機など日常使いのものから、布団などの大物まで収納されている。ウォークインになっており、使い勝手が良いそう。

チェストとフォトフレームはACTUSで購入。ルイス・ポールセンのライト「パンテラ250」は以前から使っていたもの。奥さまが北欧インテリアが好きで、少しずつ集めていた家具が映える。

チェストとフォトフレームはACTUSで購入。ルイス・ポールセンのライト「パンテラ250」は以前から使っていたもの。奥さまが北欧インテリアが好きで、少しずつ集めていた家具が映える。

ダイニングの照明は新たに購入したもの。「ルイス・ポールセンのPh5は、ずっとほしかったんです。似合う空間になったので、やっと取り入れられました」

ダイニングの照明は新たに購入したもの。「ルイス・ポールセンのPh5は、ずっとほしかったんです。似合う空間になったので、やっと取り入れられました」

リビングの一人がけソファはMARNIの60シリーズ。「10年ほど前から使っていますが、リノベーションを機にクッションを張り替えました」。

リビングの一人がけソファはMARNIの60シリーズ。「10年ほど前から使っていますが、リノベーションを機にクッションを張り替えました」。

リビングの一角に収納を設ける

ツバメクリエイツの設計士・Kさんと打ち合わせを重ねる中で、Aさん夫妻からまず挙がったのはキッチンまわりの改善だった。以前はリビングから独立したような配置で、光や風も通りにくい空間だったという。「暑くて暗かったんです。せっかくリビングは明るいのに、もったいない感じがして」(奥さん)。さらに収納面でも課題があった。吊り戸棚はあるものの使い勝手がよいとは言えず、パントリーもなかったため、キッチン全体の使いやすさを見直したいという思いがあった。そこで希望したのが、リビングとつながるオープンなキッチン。空間全体に視線と光が抜ける、開放的なレイアウトだった。
一方で、間取りの大きな変更として検討したのが、リビングに隣接する和室の扱いだ。くつろぎの場として活用していたものの、夫婦ふたりの暮らしとなった今、より優先したいのはリビングの開放感だった。「家の中で一番長く過ごす場所なので、もっとゆったりできる空間にしたかったんです」(ご主人)。ただし、和室をなくすことで問題となるのが収納だった。押し入れや天袋を含め、それまで担っていた収納量は決して小さくない。そうした要望を受けて、ツバメクリエイツから提案されたのが、リビング・ダイニングに壁を設けて、壁の裏側に大容量の収納を確保するプランである。夫妻は「こんな発想はなかったので、すごいなと思いました」と振り返る。
収納を一カ所に集約することで、空間全体のノイズを抑え、リビングはよりすっきりとした印象に。窓からの光も遮ることなく、明るさと開放感を最大限に活かすことができる。設計士のKさんは「壁の裏に収納をまとめてしまうことで、リビングは空間としてきれいに見えるようにしています」と説明する。

ダイニングセットやソファなど、もともと持っていた北欧テイストの家具が自然となじむよう、素材や色味が丁寧に整えられた空間。

ダイニングセットやソファなど、もともと持っていた北欧テイストの家具が自然となじむよう、素材や色味が丁寧に整えられた空間。

Aさん夫妻とツバメクリエイツの設計士・Kさん。打ち合わせは、自然と会話が弾む楽しい時間だったという。

Aさん夫妻とツバメクリエイツの設計士・Kさん。打ち合わせは、自然と会話が弾む楽しい時間だったという。

モラートで造作したキッチンカウンターに、背面の壁の緑のタイルが彩りを添える。オープンシェルフはあえて詰め込みすぎず、余白が心地よいリズムを生み出している。

モラートで造作したキッチンカウンターに、背面の壁の緑のタイルが彩りを添える。オープンシェルフはあえて詰め込みすぎず、余白が心地よいリズムを生み出している。

キッチンはクリナップのステディアを採用。キッチンが明るくなって、料理が楽しくなったそう。

キッチンはクリナップのステディアを採用。キッチンが明るくなって、料理が楽しくなったそう。

奥がパントリーになっており、冷蔵庫も納められている。「動線もよく、とても使いやすいキッチンになりました」 (奥さん) 。

奥がパントリーになっており、冷蔵庫も納められている。「動線もよく、とても使いやすいキッチンになりました」(奥さん)。

モラートで作ったキッチンの腰壁に、オークのリブ材が暖かみを添える。

モラートで作ったキッチンの腰壁に、オークのリブ材が暖かみを添える。

キッチンと廊下の天井にあった高低差をなくしフラットにしたことで、LDK全体がスッキリとした。

キッチンと廊下の天井にあった高低差をなくしフラットにしたことで、LDK全体がスッキリとした。

断熱性能を高めて叶えた快適な暮らし

もうひとつ大きく変わったのが、玄関まわりの空間だ。もともとは5.5畳ほどの細長い個室だったが、実際にはほとんど使われず、物置のような状態になっていたという。そこで思い切って、玄関からつながるウォークスルーの収納空間へと再構成。一部に土間を取り入れることで、外と内をゆるやかにつなぐ動線が生まれた。「キャンプ道具などを、帰ってきてそのまま収納できるので、楽になりました」(ご主人)。以前はアウトドア用品などを部屋ごとに分散して収納していたが、片付けの手間も大きく軽減されたという。土間スペースは、雨の日に濡れたものを干す場としても機能し、使い勝手は抜群だ。
また、断熱性能の向上も今回のリノベーションで重視したポイントのひとつだ。最上階ということもあり夏の暑さや冬の寒さに悩まされてきたが、断熱材の施工と内窓の設置によって大きく改善された。「本当に快適になりました。冷暖房も以前ほど使わなくても快適に過ごせています」。
丁寧な提案と対話を重ねながら進んだツバメクリエイツとのリノベーション。Aさん夫妻は、空間だけでなく暮らしの質そのものが変わったと話す。「家にいる時間が、すごく満たされるようになりました」。
これまで感じていた小さな違和感やストレスを解消し、どこにいても心地よいと感じられる住まいへ。長年の思いを丁寧にすくい上げながらかたちにした空間は、夫妻のこれからの時間をより豊かにしていく。
キッチンから玄関を見る。左手に夫妻の寝室が、右手にウォークスルークローゼットと土間収納がある。

キッチンから玄関を見る。左手に夫妻の寝室が、右手にウォークスルークローゼットと土間収納がある。

玄関から室内を見る。玄関を入ってすぐ左側に土間がある。

玄関から室内を見る。玄関を入ってすぐ左側に土間がある。

土間収納にはアウトドアグッズなどを収納している。

土間収納には、アウトドアグッズなどを収納収納している。

土間収納からウォークスロークローゼットへとアクセスできる。クローゼットの回遊動線は使い勝手だけでなく、空気を循環させる効果もある。

土間収納からウォークスロークローゼットへとアクセスできる。クローゼットの回遊動線は使い勝手だけでなく、空気を循環させる効果もある。

ご主人の寝室。

ご主人の寝室。

奥さまの寝室。左手にあるクローゼットを挟んで、ご主人の寝室がある。

奥さまの寝室。左手にあるクローゼットを挟んで、ご主人の寝室がある。

明るく清潔感あふれる洗面室。

明るく清潔感あふれる洗面室。

カウンターは、将来的に手すりとしても使えるように配慮されている。

カウンターは、将来的に手すりとしても使えるように配慮されている。

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