
130㎡超のリノベーション長年の思いをかたちにする
愛猫と心地よく暮らす住まいへ
「いつか」ではなく「今」始めるリノベーション
6年ほど前に、目黒区の築30年のマンションを購入したSさん夫妻。3面採光の住戸は光と風がよく通り、都心にありながらも伸びやかな空気に包まれる。奥さまは「低層でゆとりのあるマンションを探す中で、目の前に公園が広がる穏やかな環境と、130㎡を超える開放的な間取りに惹かれました」と振り返る。
入居にあたり、床と壁を張り替え、無駄だった廊下を減らす程度の最低限のリフォームを実施。当時から夫妻の間では「仕事をリタイアしたら、猫を飼ってリノベーションをしよう」と話していたという。しかし、奥さまの親しい友人が亡くなったことをきっかけに、その考え方に変化が生まれた。「いつか猫を飼おう、いつかリノベーションしようと思っていましたが、“いつか”って実は来ないのかもしれないと思って。だったら、今やりたいことをやろうと思ったんです」。
こうして夫妻は、念願だった猫との暮らしをスタート。ベンガル猫のキヌちゃんとムギちゃんを迎え入れた。そして猫を飼い始めてから約1年後、本格的なリノベーション計画が動き出した。リノベーションを依頼したのは、奥さまの会社のオフィスリノベーションも手がけたFIND。以前からデザインや提案力に信頼を寄せていたという。「当初は、猫たちのための部屋をつくりたいということと、床をヘリンボーン張りにしたい、というくらいのイメージだったんです。でも打ち合わせを重ねるうちに、主人のスイッチが入って(笑)。どんどん細部にまでこだわるようになっていきました」。

リビングからダイングとキッチン、玄関を見る。キッチンの窓の外にはルーフバルコニーがあり、南北に風が抜ける。玄関には透明なドアを採用し、視界いっぱいにLDKの広がりを感じられるようにした。「開放感のために、格子のないドアを探していただきました」(Sさん)。

キッチンからリビング・ダイニングを見る。もともと使っていたダイニングセットが、新しい空間にも自然になじんでいる。椅子は7脚ともマリオ・ベリーニのCABチェア。

全面タイル張りのキッチン。リノベーションに伴い、食洗機を新たに導入した。「ミーレの食洗機は高温洗浄ができるので、鍋やグラスの汚れもすっきり落ちます」。

もともと靴箱だったスペースをキッチン側へ取り込み、通路幅を調整することでワインセラーを設置。冷蔵庫は、ウォーターサーバーや製氷機能付きの海外製をセレクト。

ソファセットは、 BoConcept のものを新たに購入。猫が爪とぎをしても傷がつきにくい素材を選んだという。リノベーション前から使っていたカーテンも、新しいインテリアに自然になじんでいる。

BoConcept のソファは、夫妻だけでなく愛猫たちにとってもお気に入りの場所。くつろぐ猫たちの姿が、日常の風景に溶け込んでいる。

キャットスペースから、リビング・ダイニングを望む。最上階ならではの開放感を生かした空間に、ご主人こだわりの照明計画が映える。ダウンライトは店舗設計などでも使われるものを採用し、数を抑えながらもしっかりと明るさを確保している。85インチの大型テレビは、壁の内部をふかして配線スペースを確保することですすっきりとレイアウトされている。

奥さまが長年憧れていたヘリンボーン張りの床を採用。床暖房にも対応するオーク材で、ウォークインクローゼットをのぞくほぼすべての空間に床暖房を取り入れている。

LDK内でキッチンスペースのみ、床をタイル張りとした。
愛猫のためのオリジナルスペースを創出
S邸のリノベーションを担当したFINDの設計士・海老澤知絵さんは、「Sさま邸は、エレベーターホールを中心に、東西に公私のスペースが振り分けられている特徴的な間取りです。その構成を生かしつつ、キャットスペースや大容量のウォークインクローゼットをどう配置するかを考えました」と話す。
全面スケルトンからのリノベーションにあたり、西側のLDKは玄関まわりやトイレの配置を見直し、より快適な動線へと整えていった。特に工夫したのが、リビングに隣接していたトイレの配置だ。「音の問題もあったので、入口の向きを変えています。限られたスペースの中で、手洗いの位置や通路幅とのバランスを調整しながら計画しました」と海老澤さん。
キッチンは、壁付タイプからⅡ列型の対面キッチンに変更。さらに玄関やシューズボックス側のスペースを一部キッチンに取り込むことで、ワインセラーをはじめとした収納を充実させた。
中でも印象的なのが、公私を分ける廊下沿いに新設したキャットスペースだ。もともとは納戸と収納だった場所を一体化し、猫たちが自由に過ごせる専用空間へと再構成。廊下側には造作収納を設け、空間を無駄なく活用している。約4.5畳のキャットスペースは、壁面を立体的に使ったキャットウォークやステップを設置。「猫家具は既製品をベースに、運動量の多いベンガル猫に合わせて、年齢、体格に合わせて組み合わせています」(Sさん)。
全面スケルトンからのリノベーションにあたり、西側のLDKは玄関まわりやトイレの配置を見直し、より快適な動線へと整えていった。特に工夫したのが、リビングに隣接していたトイレの配置だ。「音の問題もあったので、入口の向きを変えています。限られたスペースの中で、手洗いの位置や通路幅とのバランスを調整しながら計画しました」と海老澤さん。
キッチンは、壁付タイプからⅡ列型の対面キッチンに変更。さらに玄関やシューズボックス側のスペースを一部キッチンに取り込むことで、ワインセラーをはじめとした収納を充実させた。
中でも印象的なのが、公私を分ける廊下沿いに新設したキャットスペースだ。もともとは納戸と収納だった場所を一体化し、猫たちが自由に過ごせる専用空間へと再構成。廊下側には造作収納を設け、空間を無駄なく活用している。約4.5畳のキャットスペースは、壁面を立体的に使ったキャットウォークやステップを設置。「猫家具は既製品をベースに、運動量の多いベンガル猫に合わせて、年齢、体格に合わせて組み合わせています」(Sさん)。

無駄な廊下を極力なくすことで、伸びやかな開放感を実現したLDK。右奥のガラス扉の先には、愛猫たちのためのキャットスペースが広がる。ソファ背面の黒いドアの左側が、リビングに隣接するトイレのドア。ドアの向きを90度変えるなど細かな調整を行なった。

キャットスペースの床も、ヘリンボーン張りとした。キッチンと水回り以外は全面ヘリンボーン張りとしたことで、空間全体に統一感が生まれている。正面の壁の下に、猫用の出入り口がある。

寝室側の壁には、キャットスペースへ自由に行き来できる猫専用の出入り口を設置。愛猫たちが家の中をのびのび回遊できるよう工夫されている。

潜水艇を模したキャットステップ兼ベッドから見下ろす。

六角形の猫ハウスをはじめ、キャットステップや爪とぎボードなどを楽しげにレイアウト。愛猫たちが自由に遊び回れる空間になっている。

リビングから、廊下越しに寝室を望む。廊下の右側には、壁面に沿って大容量の収納を新設。空間を圧迫せず、住まい全体をすっきりと整えている。

寝室から、廊下越しにリビングを望む。廊下がパブリックとプライベートをゆるやかに分け、ほどよい距離感のある落ち着いた住まいをつくり出している。
細部にまでこだわった、完成度の高い空間
廊下を挟んだ東側には、もともと寝室と洋室、水回りが配置されていた。今回のリノベーションでは、その構成を大きく見直し、洋室のひとつを思い切ってウォークインクローゼットへ変更。さらに水まわりは、広々とした洗面室を中心に、浴室、シャワーブース、トイレをゆったりと配置した。
完成した住まいの中で、今いちばんお気に入りの場所を尋ねると、奥さまは「洗面室です」とのこと。「ゆとりを持たせた洗面室は落ち着きます。次に好きなのが寝室のソファ。ソファをリクライニングにして映画を見る時間が気に入っています」。一方、ご主人のお気に入りはLDKとのことで、料理好きのご主人が友人を招いて腕を振るうことも多いという。
今回の工事では、住まいをスケルトン状態にまで解体し、配管や水道管も含めて一新。完成度の高い仕上がりとともに、これから先も安心して暮らせる住まいへとアップデートした。リノベーション後の暮らしが始まって約半年。住み心地について尋ねると「私たちにとっても猫たちにとっても快適な空間になって、本当にやって良かったです」という答えが返ってきた。「リタイアしてからでもいいかなと思っていましたが、早めにやって良かったです。リノベーションには思った以上に体力が必要なことを実感したので、元気なうちにやって良かったと思ってます」。
長年思い描いていた理想の暮らしを、かたちにしたSさん夫妻。“いつか”ではなく、“今”を楽しむために取り組んだリノベーションにより、愛猫たちと心地よく暮らせる住まいが実現した。
完成した住まいの中で、今いちばんお気に入りの場所を尋ねると、奥さまは「洗面室です」とのこと。「ゆとりを持たせた洗面室は落ち着きます。次に好きなのが寝室のソファ。ソファをリクライニングにして映画を見る時間が気に入っています」。一方、ご主人のお気に入りはLDKとのことで、料理好きのご主人が友人を招いて腕を振るうことも多いという。
今回の工事では、住まいをスケルトン状態にまで解体し、配管や水道管も含めて一新。完成度の高い仕上がりとともに、これから先も安心して暮らせる住まいへとアップデートした。リノベーション後の暮らしが始まって約半年。住み心地について尋ねると「私たちにとっても猫たちにとっても快適な空間になって、本当にやって良かったです」という答えが返ってきた。「リタイアしてからでもいいかなと思っていましたが、早めにやって良かったです。リノベーションには思った以上に体力が必要なことを実感したので、元気なうちにやって良かったと思ってます」。
長年思い描いていた理想の暮らしを、かたちにしたSさん夫妻。“いつか”ではなく、“今”を楽しむために取り組んだリノベーションにより、愛猫たちと心地よく暮らせる住まいが実現した。

たっぷりの光が差し込むベッドルーム。リクライニングチェアとフットスツールはBoConceptのもの。濃いグレーのベッドスカートは、奥さまがミシンで仕立てたハンドメイドで、空間にやわらかな表情を添えている。

寝室の窓は、海外の住まいを思わせる黒い窓枠に変更。空間にクラシカルな雰囲気を添えている。

寝室から南側を見る。右手にウォークインクロゼット、左側に水回りがある。

大容量のウォークインクロゼット。

間接照明を生かした洗面室。やわらかな光が広がり、ホテルライクで落ち着きのある空間に仕上がっている。右手のドアの先がバスルーム。

グレーのタイルが落ち着いた印象のバスルーム。

洗濯機と乾燥機もミーレで統一。乾燥機を取り入れたことで家事の時間が大幅に短縮されたという。








