
2度目のリノベーションアートや器が息づく
暮らしを育てる夫妻の住まい
緑豊かな低層住宅へ
「私が一人暮らしをしていた家に夫と住むことになり、子どもも生まれてかなり手狭になりました。広い住まいを探し始めたのですがなかなか決断できる物件が見つからないまま3年が経ち、ここにしようかなと他の物件に決めようと思ったタイミングでこの物件が見つかりました。昔友人が住んでいたことがあり、以前から気になっていた物件だったので、ここは即決でした。
以前に住んでいた家を購入する際、買ったら終わりではなく何かあったら売却すればいいのだからと背中を押されたのですが、その通りになりました」
傾斜地を活かした植栽の緑が豊かな低層の集合住宅。玄関ポーチが広く、戸建てのような雰囲気が感じられる住まいだ。
「私がパワーポイントで平面図やイメージを描き、『IDÉE』のスタッフに図面化してもらったうえで、施工会社に発注しました」
キッチンはオープンキッチンに。
「料理をしながら子どもを見守ることができ、遊びに来てくれた友人との会話もはずみます」

「ソファはコンテンポラリーなものに買い替えました。アシンメトリーなデザインが魅力的な『IDÉE』のオリジナルです」。壁付けのセルジュ・ムーユのランプも『IDÉE』。床に敷いたラグなど、黒を効果的に使い空間をひきしめている。

「お気に入りのもので壁を飾りたかったので、どこにどれくらい白い壁を作るか、予め考えて設計しました。大好きな井上陽子さんの作品を中心に色やバランスを考えながら飾りました」

リビングの床はリノリウムに。「もともと自分が持っていた木製の家具とちょうどいいバランスになると思いました」。塗装を剥がした無垢のダイニングテーブルは福岡のクランクで。黒のチェアはDIYでペイント。TVはパナソニックのウォールフィットTV。「薄くて壁にフィットするので気に入っています」。ブラウンのラジオはレストアしてブルートゥースでつなげられるものに。

「フランスのアンティークのドアは前の家から持ってきました。ドアの大きさに合わせて開口部を作りました」

グリーンを見ながら仕事ができる一角。「チェアは背中のデザインが美しいウリヨ・クッカプーロのものを選びました。子どもと一緒に勉強ができる場所になりそうです」。ペンダントライトは木工作家の内田 悠さんの作品。

大きな窓の向こうに緑が溢れる100.3㎡、1982年築の集合住宅。「友人が子供のころに住んでいたマンションで、一緒に見に来たことがあり植栽が多い素敵なマンションだなと記憶に残っていました」
寝室は落ち着いた雰囲気に
もともと分かれていた2部屋をつなげてマスターベッドルームに。
「ベッドの両サイドを開けることができたので、シーツ交換が楽になりました」
寝室のインテリアは落ち着いた雰囲気に。
「デスクを置いてここでも作業ができるようにしています」

「寒がりなので寝室はカーペットにしました。ベッドから降りた時に足が冷んやりしません」

シルクハットの形のペンダントライトが優しい雰囲気を作る。壁の上部を開けて、廊下から寝室の灯りがわかるようにした。「ドアを開けなくても寝室の気配がわかります」

子ども部屋のベッドのヘッドボードはDIYで制作。「この中に待機中のアートフレームを収納しています」。壁もDIYでペイント。壁際のデスクとして使っている家具は『IKEA』で。

ヘッドボードに飾ったアートは夕里子さんが余ったペンキで塗って作ったもの。

「洗面スペースのタイルは、ザラッとした質感のものが欲しくてかなり探しました」。洗濯機下の防水パンは目立つ上に掃除も大変なので、極小サイズのものを床を掘り下げて設置。
アートピースを飾る場所を作る
「前の家では器をきれいに飾るスペースがなかったので、新しい家では飾れる場所をしっかりと作りたいと考えていました」と話す夕里子さん。器を集めるのは拓也さん、飾るのは夕里子さん、と笑う。
ニッチに足場板を棚板として設えた場所には、ナチュラルなテクスチャーのアートピースを飾る。
「工事が始まっていたのですが、無理を言って棚の幅を広げてもらいました」
玄関の白いキャビネットの上には白いアートピースを中心に据え、明るく清潔感のある空間に整えた。

足場板を使った棚は、器の良さを引き立ててくれる。下段には木を使った作品を集めた。

白の収納棚の上に白のトーンの器を集めて飾っている。「リノベ前の玄関はコンパクトだったので、横サイドの部屋の壁を少しづつ広げて幅を確保しました」。収納棚は床から浮かせることでさらに広がりを感じさせる。

「キッチンには食に関わるものを飾っています」。壁付けのラックは『IKEA』で。左のワイヤーラックは『By Trico』。
飾る場所と収納する場所のめりはりをつける
収納も細部まで考え抜かれている。家族の服を一箇所にまとめたウォークインクローゼット、キッチン奥のパントリー、ロボット掃除機や掃除用具を納めた収納庫。どの収納スペースも扉を設けず、風通しよく仕上げた。
一方、室内のキャビネットには扉をつけている。
「キャビネットの上や壁に飾っているものに目が行くように、収納する場所と飾る場所のめりはりをつけています」。
料理は拓也さん、片付けと清掃は夕里子さんと、家事の分担はいつのまにかゆるやかに決まっていったそう。
「器はしまい込まず、ちゃんと飾って、日常で使うようにしています。お皿にナイフの跡がついたり、欠けたら金継ぎをして自分らしさが生まれてきます。子どもにもどんどん使わせます」。
飾ることと使うこと。その両立が、この住まいに豊かなリズムを生んでいる。

室内窓の先にウォークインクローゼットを作った。

ウォークインクローゼットには窓があり、風通しがよい。「アイロンがけが大好きなのでアイロンをかけられる場所(写真左奥)と、家族が帰ってきてすぐに荷物を置くための棚を作りました」

キッチンの奥にパントリーを設けた(写真左手)。冷蔵庫もここに納めている。

キッチンの収納は造作家具をやめて『IKEA』を採用し、リノベ代金の減額に成功。「とても使い勝手がよく、たくさんの器が収納できます」








