
趣味を楽しむ男の一人暮らしオープン収納で空間を分けた
ギャラリーベースのワンルーム
シンプルな箱に仕上げる
デザイナーズ賃貸マンションに暮らしていたNさんは、約2年半前、リノベーションを決意。
「その賃貸の部屋はベニヤの壁など、木をたくさん使っていました。もともとインテリアに興味があったのですが、デザイン性の高い物件に暮らすうちに、自分の好きなように空間をリノベーションしてみたい、そんな気持ちが芽生えてきたんです」
好みの施工事例が多かったnuリノベーションに、物件探しから依頼することに。
「素人では分からない建物の構造上の問題や、マンションの管理状況なども調べてくれて、色々アドバイスして頂きました。ここは会社まで電車1本で通勤できるし、眺望はない2階だけれど、ブラインド越しにうっすらと緑が見えるのが気に入って決めました」
2LDKの67.20㎡をフルスケルトンにしてスタート。水廻りと1カ所のみ設けた収納以外は扉のない、ほぼワンルームの間取りが約1年半前に完成した。
「一人暮らしなので、開放感のある部屋にしたかったんです。あとはシンプルな色や素材を使って、ギャラリーのような空間を創りたいと思いました」

築43年の集合住宅。バーチカルブラインドを通して光が差し込む。

明かりは間接照明のみで極力抑えた。壁にプロジェクターで投影して映像を楽しむ。床全体にモールテックスを塗装。

カフェコーナーではお気に入りのカップで淹れたてのコーヒーを。観音扉の向こうにキッチンがある。
モノトーンに木と素材の温もりを
玄関を入ると、パーテーションのようなオープンクローゼットの向こうに、モノトーンの空間が広がる。
「中目黒のインテリアショップ『HIKE』やその姉妹店の『LIGHT』によく行くのですが、モルタルの床に木の家具を置いたコーディネートが気に入っていて、ぜひ取り入れたいなと」
水廻りを除いて、床全体にモールテックスを塗装。モダンな雰囲気の中にも、表面にムラ感が出ていてほどよく温かい。
「最初はモルタルで考えたのですが、断熱性、防音性、耐久性などからモールテックスを薦められました。多分、床にいちばんお金がかかっていると思います(笑)」
オープンクローゼットには、黒で統一された服が整然と並び、アパレルショップのよう。
「持っている服が黒ばかりだったことも、このデザインが生まれたきっかけかもしれません。最初は背板で仕切る予定だったのですが、木の支柱で支えて、オープンにする案を出していただきました」
広々としたリビングには、ベランダ側からベッドスペースまで、壁一面に長尺のカウンターを同じくモールテックスで造作。
「美術書などをたくさん持っているので、本棚が欲しかったのですが、背の高い家具を置くとデザインが崩れるかも、と言われて。今はカウンターにモノをどう置くか色々と悩んでいて、永遠に定まりません(笑)」
ワークスペースとベッドスペースも位置の変更が可能。暮らしや気分に合わせて、変えて行くことも検討しているそう。

玄関にはモルタルの広々とした土間を設置。分別ゴミのダストボックスがたくさん!

丸い支柱を使ったオープンなクローゼットが、室内を緩やかに仕切る。

黒で揃えた衣類が整然と並ぶ。以前から持っていたバンカーズボックスがすっきりと収まるように設計してもらった。

7mもの長さのカウンターを造作。美術書や小物の並べ方を工夫している。

在宅ワーク時に使うワークスペース。机は天板が電動で昇降する『PREDUCTS DESK』。ベッドスペースとの仕切りにもなっている。

ワークスペースとクローゼットに挟まれ落ち着いて就寝できるベッドスペース。造作のカウンターがヘッドボードになっている。ベッドは『無印良品』。

部屋の隅々までどこを見てもスタイリッシュで美しい。コートラックは『HAY』で購入。『CIBONE』のノベルティバッグをかけて。
魅せるカフェコーナー
キッチン、バスルーム、トイレなどの水廻りの位置は動かさず、一方に集約。キッチンも壁で囲って独立型にした。
「生活感を隠したかったので、台所はいっそバックヤード扱いにしてしまおうと。ある程度雑然とモノを置いてもいいことにしています」
というキッチンは、ステンレスのシンクや棚に黒の家電で統一。使いやすさを優先したオープン棚に、プロ仕様のような調理器具が並ぶ。
「もともと料理は好きなので、道具も色々と揃えたくなってしまうんです。以前は外食が多かったけれど、ここに越して来てからまた自炊するようになりましたね」
厨房のような独立した空間には、観音開きの小窓がある。
「窓の向こうはカフェコーナーなんです。友人が来たときなどに、コミュニケーションを取るために窓を設けました。コーヒーが好きなので、実はキッチンより先にカフェコーナーから考えたんです」
エスプレッソ用、ドリップ用、Nespressoなどのコーヒーメーカーに、収集したグラスやお土産でもらったカップなどをディスプレイ。閉じたキッチンに対してこちら側は見せられるように計画した。
「友達を呼んでもてなしたり、一人でコーヒーを淹れて、照明の下でゆっくりと寛ぐ時間が好きですね」

シンプルでクリーンなキッチン。床には汚れても安心な塩ビタイルを採用した。

『toolbox』のキッチン天板に脚を取り付け、収納ケースを使用する形でコストカット。身長に合わせ90mmの高さに設定した。

『toolbox』のハンガーラックを壁に取り付けオープンな収納に。木の棚板はクローゼットの支柱に合わせて選んだもの。『無印良品』の収納ケースを愛用している。

ダイニング脇に設けたカフェコーナー。『マリメッコ』のデミタスカップをお土産にもらったことから、エスプレッソメーカーも導入した。『ディノス』のキッチンワゴンも愛用品のひとつ。

観音扉を開くとキッチンが。フィンランドのデザイナー、カイ・フランクのグラスなどのコレクションが並ぶ。

『カールハンセン&サン』のテーブルに、Yチェア、『&Tradition』のペンダントライト“Utzon”。をコーディネート。

洗面室はシンプルに、LDKに合わせて選んだ既製品でコーディネート。
余白を彩る楽しみも
家具は北欧ブランドを中心に、イギリス、イタリアなどの名作も。天井や梁に残した躯体現しがアクセントとなった空間に、静かに溶け込んでいる。
「家具の展示空間のような場所をイメージして、モノも少ないことに憧れていたのですが、やってみるとちょっと殺風景で。実際に暮らすには、生活感とのバランスも大事だなと感じています。最近はしまっていたモノも出すようにしていて。壁の余白に飾り棚などがあってもいいかなと考えているところです」
モノトーンの空間に、家具や雑貨、本の背表紙などでカラーもプラス。試行錯誤を重ねながら、空間のアップデートを楽しんでいる。
「仕事が忙しくて、早朝に出社したり、終電後に帰ったりすることもあるのですが、自分の好きな空間なので毎日、帰宅するのが楽しみで。逆に在宅ワークの時は、リラックスしすぎて仕事が捗らない。そんな悩みも抱えていますね(笑)」

無機質な空間に、北欧の木製家具など名作が映える。

『arflex』の“MARENCO”ソファ横のスタンドライトは『LUMINA』の“DAFINE”。右の黒いソファは『Knoll』のヴィンテージ。メルカリなどでお宝を見つけることも。

モジュールを装着してカスタマイズできるデスクで。








