
サマーハウスに思いを寄せて暮らしの居場所を散りばめた
ワンルームハウス
nLDKを超えた広がりのある空間
賃貸マンションに暮らしていた佐伯さん夫妻は、妻がリノベーション会社「ゼロリノベ」に勤めていることもあり、いつかはマンションを買ってリノベをしたいと考えていた。自然が近くに感じられること、80㎡以上で角部屋であることを条件に、好きなエリアで物件を探すこと数年。「これだと思える物件がなく、妻が勤務するゼロリノベの営業担当に相談して紹介されたのがこの家です。ほぼ一目ぼれでした」と夫。82㎡の広さがあり、角部屋で2方向にバルコニーがあるため、光と風が行きわたる。
夫妻はインテリアの好みを伝えつつ、間取りはプランナーに一任。これまで住んでいた1LDKのマンションでもドアを閉めることなく暮らしていたこと、将来、家族が増えても対応できることなど、2人の生活スタイルを踏まえて、複数案が提案された。
「選んだのは、一番、この家楽しそう!と思えたプランです」と妻。築13年4LDKのマンションの壁を取り払い、家じゅうで扉があるのはトイレとバスルームのみという巨大なワンルームにする一方、アールの垂れ壁や小さなブースが多彩な居場所を作りだしている。
「家づくりでは何部屋が必要かと考えがちですが、nLDKという概念を取り払った考え方にこれは何だ? と魅力を感じました」(夫)という。
ダイニングをはさんで2つのリビングがあり、ベッドに近い第1リビングはテレビを見たり、ゴロゴロできる場所、玄関に近い第2リビングは本棚とオーディオを配置したライブラリースペース。朝日が差し込むベッドコーナーや夫妻のワークスペースなどがワンルームの中にありながら、絶妙な抜け感と配置で、空間に豊かな表情を生んでいる。

キッチンはツールボックス。業務用を思わせるシンプルでタフな印象のステンレスを選択。キッチン腰壁には、ポール・ケアホルム展で購入したポスターを床置き。

床は塩ビタイルを採用。耐水性が良いため好きなグリーンを安心してどこにでも置ける。ラウンジチェアはイケアの「ディヴリンゲ」。

キッチン東側のベッドコーナー。キッチンとの間の縦張りのタイルはグリーンのニュアンスがあるものを選んだ。

脱衣室とパントリースペースはラワン材を使った丸みのある壁でボックス型に設えた。ふだんは開け放ち、必要に応じてグレーのカーテンで間仕切り。

ダイニングの壁の飾り棚。上段のマリメッコのデザイン集の花柄と、下段のガラスや磁器の藍色の花器が呼応する。

キッチンはガス台とシンクをL字に配置。足元を抜いているため、調味料やゴミ箱の出し入れがしやすい。

キッチン横のパントリーにはメタルラックを入れて調理家電や食材を収納。奥の脱衣室の壁はコンクリート打ちっ放しにクリア塗装をした。
部屋の景色を柔らかく縁取るラワン
リノベに当たりイメージしたのは、妻がデンマーク留学時代にサマーハウスで過ごした時間だ。サマーハウスとは北欧の人々が夏の休暇を過ごす、森や湖畔にたたずむ素朴なつくりの山の家。のんびりと読書をしたり、コーヒーを飲んだり、家族や友人たちが一緒にいながらそれぞれの時間を楽しむ。
佐伯さんの家も、「自然に対して開けたオープンな間取りの大らかな雰囲気が好きでした」という北欧の山小屋をどこか思わせる。天井や壁はベージュ、床はグレーのシンプルな色使いで、ワンルーム空間の仕切り壁や垂れ壁にラワン材を張っているため、温かみがあり木の風合いが景色を柔らかく見せる。ヌックやワークスペースなどにいても、ラワンの壁越しに気配が伝わり、木立ちの間から見え隠れするかのようだ。
窓辺は、構造上必要な躯体柱をはさんで、夫妻のワークスペースが向き合っている。それぞれの背後にあるフリースペースは、気持ちのいい陽だまりで、自転車やグリーンを置いてインナーテラスのように活用している。
「ともに在宅ワークをすることもありますが、自分のデスクのほかに、あちこちに居場所があって、午前と午後で場所を変えて気分をリフレッシュすることもできます」と妻。随所に置いたお気に入りの家具や照明に加え、差し込む光と風に揺れるグリーンが彩りとなっている。
佐伯さんの家も、「自然に対して開けたオープンな間取りの大らかな雰囲気が好きでした」という北欧の山小屋をどこか思わせる。天井や壁はベージュ、床はグレーのシンプルな色使いで、ワンルーム空間の仕切り壁や垂れ壁にラワン材を張っているため、温かみがあり木の風合いが景色を柔らかく見せる。ヌックやワークスペースなどにいても、ラワンの壁越しに気配が伝わり、木立ちの間から見え隠れするかのようだ。
窓辺は、構造上必要な躯体柱をはさんで、夫妻のワークスペースが向き合っている。それぞれの背後にあるフリースペースは、気持ちのいい陽だまりで、自転車やグリーンを置いてインナーテラスのように活用している。
「ともに在宅ワークをすることもありますが、自分のデスクのほかに、あちこちに居場所があって、午前と午後で場所を変えて気分をリフレッシュすることもできます」と妻。随所に置いたお気に入りの家具や照明に加え、差し込む光と風に揺れるグリーンが彩りとなっている。

セルジュ・ムーユのテーブルランプを置いた妻のワークスペース。「セブンチェア」は自身の生まれ年のビンテージ品を選択。

夫妻のワークスペースの間にあるヌック。ちょっと休憩をしたいときに便利、大勢が集まったときにはベンチとしても活躍する。

ヌックの造作棚には、妻が好きな山中タイキさんによる絵本やルイスポールセンのテーブルランプ「パンテラ」を置いて。

夫のワークスペース。LDKとの間仕切りには、自然の風合いを持つieno textileのクロスをカーテンにして。

妻のワークスペースと壁を挟んで向き合う位置にあり、上部の壁を一部抜いているため圧迫感がなく広がりとつながりを生んでいる。オーク材のデスクはNOCE。

テーブルはArtekで中板を入れてエクステンションすると最大8人が掛けられる。照明はホルムガードの70年代のもの。ラッパ型のフォルムが印象的。

エアコンは、アールの垂れ壁の中に収めてルーバーで目隠しをしている。機能性は確保しつつデザイン性にも配慮したつくり。
タイムレスなデザインと季節を慈しむ暮らし
「冬が長い北欧では、待ち焦がれている春に対する喜びと高揚感がひときわ特別だと感じました」と妻。花をモチーフにしたインテリアも多く、その楽しみ方も学ぶことが多かったという。佐伯さんの家も生花やドライフラワー、花形のラグや器など、香りと彩り、フォルムを楽しむアイテムが随所にある。
第1リビングには、春を告げる花、スノードロップの名をそのまま冠したLE KLINTのフロアランプを置き、ソファにはミナペルホネンの[ちょうちょ]のファブリックをかけて、くつろぎ時間を演出。第2リビングは、読書の空間として、音楽と飾る絵や図版で季節感をとらえている。木やコンクリートの内装に、愛され続けてきたタイムレスなデザインの家具を配置。アースカラーの空間だからこそ、黄色やオレンジ、青の絵や表紙が差し色として映え、飾る楽しみも広がる。
「好きな音楽を流しながら、コーヒーを飲んでくつろぐ時間が心地いい住まいになりました」と夫妻で家時間を満喫。
「扉がほとんどない斬新な間取りはストレスフリーで、家事も楽。必要になったら収納も扉も追加できる余白があります」。季節ごとに花を選び、好きな器を選びながら、自由に暮らしをデザインするひとときを楽しんでいる。
第1リビングには、春を告げる花、スノードロップの名をそのまま冠したLE KLINTのフロアランプを置き、ソファにはミナペルホネンの[ちょうちょ]のファブリックをかけて、くつろぎ時間を演出。第2リビングは、読書の空間として、音楽と飾る絵や図版で季節感をとらえている。木やコンクリートの内装に、愛され続けてきたタイムレスなデザインの家具を配置。アースカラーの空間だからこそ、黄色やオレンジ、青の絵や表紙が差し色として映え、飾る楽しみも広がる。
「好きな音楽を流しながら、コーヒーを飲んでくつろぐ時間が心地いい住まいになりました」と夫妻で家時間を満喫。
「扉がほとんどない斬新な間取りはストレスフリーで、家事も楽。必要になったら収納も扉も追加できる余白があります」。季節ごとに花を選び、好きな器を選びながら、自由に暮らしをデザインするひとときを楽しんでいる。

玄関ホールから左側に広がる第2リビング。USMハラーのキャビネット上のオーディオはドイツELACのスピーカーなど、マニアでもある妻の父の助言でセレクト。その日の気分でジャズやロックをかけている。

造作本棚を壁に埋め込みライブラリーに。梁を活かした飾り棚はブックギャラリー風に図録の表紙を見せて。

ペンダント照明は、木のシェードから光が柔らかく広がるヤコブソンランプ。洗面には奈良の気鋭のブランド、ニューライトポタリーのウォールランプを採用するなど自在な照明使い。

壁付けの赤いシェルフはデンマークのインテリアブランドFerm Livingのもの。丸い鏡と花型のペンダントはHAY。「鏡の下に付けてもらった小さな棚がすこぶる重宝しています」

玄関土間の壁面には有孔ボードを設置して、バッグやお気に入りのキャップを自由にディスプレイ。

唯一といっていい扉があるトイレはピンクの壁とモザイクタイルで遊んだ。「カフェでもトイレがかわいいとときめくので、思い切った色と素材を選びました」。








