ToKoSie ー トコシエ

子育て世代の中古リノベーションどこにいても家族を感じる、奥行きのある家

小さくても機能的な約4.9㎡のキッチン。その秘密は?

結婚8年目を迎えた吉村家は、夫婦と2人の息子の家族4人暮らし。約72㎡ある築37年のマンション物件をフルリノベーションし、昨年から暮らしている。
「数年前に仕事の都合でこの町に引っ越してきて居心地がよかったので、この町で物件を探しはじめました。外観が素敵なこのマンションが前から気になっていて、不動産屋さんに相談したらちょうど空きが出たタイミングだったんです」と話すのはご主人。
「家を買うなら新築より、古いマンションを買ってリノベーションしたいねって昔からよく話していました。費用の面というより、好きなものに囲まれて暮らせたらいいなと思って」と妻の美樹さんが続けた。
そんな2人のこだわりを詰め込んだ家は、総面積72㎡のうち約40㎡を中央の部屋が占める。抜けのある間取りを生かし、広さを十分に確保した空間になった。そしてその中央部にはキッチンが設けられている。
「キッチンは基本的に私しか入らないので極力小さくして、ほかを広くしてもらいました。その分、機能がぐっと集約した使いやすいキッチンになったと思います」と話す美樹さん。
約4.9㎡というコンパクトサイズでありながら、機能的なキッチンを実現できた要因の一つは冷蔵庫だ。
「冷蔵庫は流しの下に入っています。その冷蔵庫の高さに合わせて、上に天板を渡してカウンターを作製してもらいました。おかげで広い作業スペースを確保することができました」と説明してくれた。
築37年、総面積は約72㎡。
築37年、総面積は約72㎡。
リビングの一角に設けられたキッチンは約4.9㎡。
リビングの一角に設けられたキッチンは約4.9㎡。
リビングを見渡す、キッチンからの眺め。
リビングを見渡す、キッチンからの眺め。
有孔ボードに「KOHORO」の鍋敷などを飾って。
有孔ボードに「KOHORO」の鍋敷などを飾って。
「FUKUSHIMA GALILEI」の業務用冷蔵庫。
「FUKUSHIMA GALILEI」の業務用冷蔵庫。
壁の中央には「秋田木工」の丸鏡を飾って。
壁の中央には「秋田木工」の丸鏡を飾って。
真鍮の蛇口。あえて錆止め加工は施さず。
真鍮の蛇口。あえて錆止め加工は施さず。

3パートから成る、約40㎡の奥行き空間。

「前の居住者の都合もあって、買ってから引き渡しまで1年くらい時間があったんです。その間にじっくりとデザインの打ち合わせができました」とご主人。
一般的には物件購入からローンの支払いが発生するため、購入後すぐに内装工事に取り掛かることが多い。その場合およそ3ヶ月から長くても半年以内の竣工を目指すため、内装デザインの打ち合わせは物件購入前から進めておくことが必要不可欠になる。それゆえ今回の吉村家のようなケースは珍しい。
「ほとんどの家具はこの家に引っ越してから新しく買ったものです。打ち合わせをしながら、イメージに合う家具や雑貨を買い揃えていきました。なにしろ一年も準備期間があったので、その間にエネルギーをためて想像力を掻き立てていました(笑)」と続けた。
内装デザインは全体的に、インダストリアルな雰囲気を意識した。
「コンクリート打ちっぱなしの壁やモルタルの床など、無骨でシンプルなデザインを希望しました。あとはできるだけ壁や仕切りをつくらないこと。家族が別々のことをしていても、互いの存在を感じられる空間でありたいな、と思って」と美樹さん。
奥行きのある約40㎡の空間は、3つのパートから成り立っている。無垢材のフローリングをエボニー色に染めたリビング、気兼ねなく使える黒いモールテックス塗装の土間、同じくモールテックス塗装をグレーで施した玄関だ。土間には子供の勉強机やDIYのできるアイテムも用意した。
家族みんなで眠る寝室は約6.6㎡。
家族みんなで眠る寝室は約6.6㎡。
「Lloyd’s Antiques」のダイニングテーブル。
「Lloyd’s Antiques」のダイニングテーブル。
「SAMLWALTZ」のスツール(下)と「kubu」の椅子(上)。
「SAMLWALTZ」のスツール(下)と「kubu」の椅子(上)。
額縁の中のスプーンは山田憲栄氏の作品。
額縁の中のスプーンは山田憲栄氏の作品。
コーヒーテーブルは「Lloyd’s Antiques」。
コーヒーテーブルは「Lloyd’s Antiques」
「TRUCK furniture」のファブリックソファ。
「TRUCK furniture」のファブリックソファ。

鉄から木の窓枠へ。最後に大胆変更。

また寝室の窓枠は、最初の計画と最も大きく変わった部分だ。
「インダストリアルな雰囲気を意識して、当初は寝室の窓に錆びた鉄格子をはめようと考えていました。でも最後の最後で『やっぱり変えます!』と心変わりしました」とご主人。
「さらに木枠の一部だけ白く塗装してもらい、窓の開け閉めもできるように変更を加えてもらいました。部屋全体に黒色を多く使っていたので、重たくなりすぎないか心配になって白も少し入れようかな、と。併せて壁も一部白くしました」と美樹さん。
休みの日はアンティークショップや蚤の市にでかけることも多いという吉村夫婦。
「蚤の市には全国から出店者が集うので、行くたびにいろんな作家さんに出会うことができます。ダイニングの椅子は蚤の市に行っては一脚買い、という感じで少しずつ買い集めたものです」とご主人。お気に入りの家具や雑貨を揃えながら、この空間がますます進化していくのが楽しみだ。
左からフローリング、土間、玄関。
左からフローリング、土間、玄関。
「D&DEPARTMENT」の靴棚は、郵便受けのリメイク。
「D&DEPARTMENT」の靴棚は、郵便受けのリメイク。
土間の一角には子供たちの勉強スペースが。
土間の一角には子供たちの勉強スペースが。
燭台を使った照明は蚤の市で見つけた。
燭台を使った照明は蚤の市で見つけた。
ラッパの照明は古賀秀幸氏の作品。
ラッパの照明は古賀秀幸氏の作品。
リビング端から玄関方向への眺め。
リビング端から玄関方向への眺め。
大きな木材の什器は「Lloyd’s Antiques」。
大きな木材の什器は「Lloyd’s Antiques」
リノベーションは「nu(エヌ・ユー)リノベーション」に依頼。
リノベーションは「nu(エヌ・ユー)リノベーション」に依頼。