![デザイン性と機能性を融合 絶妙のバランスで魅せる 緑と光に包まれる家 デザイン性と機能性を融合 絶妙のバランスで魅せる 緑と光に包まれる家](https://img.tokosie.jp/2024/03/21172853/240410mat-1000x600.jpg)
デザイン性と機能性を融合絶妙のバランスで魅せる
緑と光に包まれる家
開放感を最優先して
白い鉄筋コンクリート造の築37年程の集合住宅。正方形サイズのバルコニーがせり出すように2カ所に設けられ、3面の開口から光が降り注ぐ明るい空間を、一級建築士・松田奈緒子さんは、自邸として自ら設計しリノベーション。
「一度フルスケルトンにしたのですが、配管や取れない壁などがあり、ある程度制約を受けました。その中でも必要なワークスペースと個室を設けつつ、いかに開放感を出すかを考えました」。
玄関を入ると目に飛び込むのは、アーチ型の開口のあるホールや、ガラス扉の奥のグリーンの茂るリビング。タイルがヘリンボーン状に敷き詰められた三和土(たたき)を上がると、どこかエスニックな雑貨やアートに導かれ、まるで迷路に迷い込んだような雰囲気に包まれる。
![古さと新しさ、モダンとインダストリアル…。様々なものがミックスされたLDK。](https://img.tokosie.jp/2024/03/21172732/240410mat-001.jpg)
古さと新しさ、モダンとインダストリアル…。様々なものがミックスされたLDK。
![木枠にガラスを使った室内窓の向こうはワークスペース。光が通り抜ける。](https://img.tokosie.jp/2024/03/21172735/240410mat-002.jpg)
木枠にガラスを使った室内窓の向こうはワークスペース。光が通り抜ける。
![奥行きと開放感を感じさせるエントランス。床は天然素材のマーモリウムを敷いた。](https://img.tokosie.jp/2024/03/21172738/240410mat-003.jpg)
奥行きと開放感を感じさせるエントランス。床は天然素材のマーモリウムを敷いた。
メインとサブ、2本の廊下を設ける
LDKにつながる廊下に加え、アーチ型の開口をくぐったところも、オープンなクローゼットを備えた廊下。あえて設けたスペースが、総面積86.7㎡の空間にゆとりを感じさせる。
「壊せない壁を仕切りにして、その奥を個室にするかどうかと考えたのですが、そうすると壁に囲まれた廊下を1本つくることになり、家に入ってきたときに狭い印象を与えてしまいます。そこであえて開口のある仕切りを立てて、メイン廊下・サブ廊下を設けました」。
抜けのある空間が奥行きを感じさせ、回遊できる2本の動線が、迷路のような雰囲気を生んでいる。小学生のお子さんもコート掛けのあるサブ廊下で遊ぶのが大好きなのだそうだ。そしてサブ廊下の向こうに子供部屋と主寝室を設置。
「子供部屋はふたりになっても使えるように、少し広めに取りました。使いたかった壁紙があり、そこから空間全体を考えていきました」。
繊細なタッチの動物絵柄の壁紙を一面に。そして個性的な壁紙を邪魔しないように、空間をコーディネート。
「主寝室はグリーン系の壁紙を選んで、森っぽく落ち着く感じにまとめました。アクセントウォールは使い過ぎても難しいけれど、どこかに取り入れたかった。もし壁が白だったら、カーテンで遊んだりしていましたね」。
![玄関三和土はタイルをヘリンボーン張りに。段差が出たため、仕切りをアーチの開口にして遊びを加えた。](https://img.tokosie.jp/2024/03/21172742/240410mat-004.jpg)
玄関三和土はタイルをヘリンボーン張りに。段差が出たため、仕切りをアーチの開口にして遊びを加えた。
![オープンなクローゼットとして、コートハンガーを設けたサブ廊下。突き当たりは主寝室。左右の壁で色を変えている。](https://img.tokosie.jp/2024/03/21172746/240410mat-005.jpg)
オープンなクローゼットとして、コートハンガーを設けたサブ廊下。突き当たりは主寝室。左右の壁で色を変えている。
![子供部屋は、テシードの壁紙を最初にセレクト。アフリカのアーティストとイギリスのメーカーのコラボ商品。真鍮のスイッチプレートはFUTAGAMIのもの。](https://img.tokosie.jp/2024/03/21172750/240410mat-006.jpg)
子供部屋は、テシードの壁紙を最初にセレクト。アフリカのアーティストとイギリスのメーカーのコラボ商品。真鍮のスイッチプレートはFUTAGAMIのもの。
![メイン廊下やLDKの白い壁に対して、個室側の壁はピンクベージュで塗り分けることで、奥行き感を演出。土っぽさがエスニックな雰囲気を出している。](https://img.tokosie.jp/2024/03/21172754/240410mat-007.jpg)
メイン廊下やLDKの白い壁に対して、個室側の壁はピンクベージュで塗り分けることで、奥行き感を演出。土っぽさがエスニックな雰囲気を出している。
![グリーンでまとめられた、癒しムードが漂う主寝室。床には素足にも気持ちいいサイザル麻を敷いた。](https://img.tokosie.jp/2024/03/21172758/240410mat-008.jpg)
グリーンでまとめられた、癒しムードが漂う主寝室。床には素足にも気持ちいいサイザル麻を敷いた。
![主寝室はアクセントウォールもグリーン系で。壁の向こう側がワークスペースになっている。](https://img.tokosie.jp/2024/03/21172801/240410mat-009.jpg)
主寝室はアクセントウォールもグリーン系で。壁の向こう側がワークスペースになっている。
インテリアまでトータルに考える
大学で建築を専攻、その後インテリアコーディネーターの資格も取ったという松田さん。
「設計をしてもインテリアまでは関わらず引渡しになってしまって、ずっと途中で放棄している感じがしていたんです。設計とインテリア、両方大事だと思うんです」。
ご夫婦ふたりとも在宅ワークが多いため、必要だったというワークスペースからは、ガラスの室内窓を通して広々としたLDKを一望。そこはグリーンやアンティーク、味わいのある家具やラグが独自の世界観を構成。
「フランスっぽいアンティークを入れつつ、少し南アフリカのリゾートを意識しています。家具はTRUCKのほか、友人の木工家具職人さんに造作してもらったものです」。
床はもともとの細いナラ材のフローリングを削り、染色し直して再利用。古い家の魅力を残している。
「きれいすぎると落ち着かないので、所々に武骨な感じも入れたいと思い、天井は剥き出しにしました。でもそのままだと汚い部分があったので、コンクリートに見える風にエイジング加工をしています」。
![グリーンに満ちた室内。庭のようなバルコニーのグリーンは、Botanical Atelier RESSOURCESにコーディネートを依頼。躯体現しにしたことで天井高は2500mmに。](https://img.tokosie.jp/2024/03/21172805/240410mat-010.jpg)
グリーンに満ちた室内。庭のようなバルコニーのグリーンは、Botanical Atelier RESSOURCESにコーディネートを依頼。躯体現しにしたことで天井高は2500mmに。
![室内窓やドアにガラスを採用。造作のドアは桟を細くすることにこだわった。ソファ、ソファテーブル、TVボードはTRUCK。](https://img.tokosie.jp/2024/03/21172808/240410mat-011.jpg)
室内窓やドアにガラスを採用。造作のドアは桟を細くすることにこだわった。ソファ、ソファテーブル、TVボードはTRUCK。
![視界が抜けるワークスペース。疲れた時はグリーンが目を癒してくれる。](https://img.tokosie.jp/2024/03/21172811/240410mat-012.jpg)
視界が抜けるワークスペース。疲れた時はグリーンが目を癒してくれる。
![引き戸と南側の窓を開ければ、光や風が通り抜ける。](https://img.tokosie.jp/2024/03/21172814/240410mat-013.jpg)
引き戸と南側の窓を開ければ、光や風が通り抜ける。
![愛犬・ハルちゃんと。](https://img.tokosie.jp/2024/03/21172817/240410mat-014.jpg)
愛犬・ハルちゃんと。
![日当りがよくインドアグリーンもすくすく育つ。](https://img.tokosie.jp/2024/03/21172820/240410mat-015.jpg)
日当りがよくインドアグリーンもすくすく育つ。
暮らしやすさにも配慮して
以前住んでいた家は、ある程度自由設計ができるコーポラティブ。その時の経験も今回、活かされた。
「前の家はLDK一体型だったので、使いやすさ以上に見栄えを優先しました。今回は半独立型でもあり、見栄えと同じくらい使い勝手も重視しました。機能性の高いメーカーの既製品を選択し、真鍮の取っ手に付け替えたり、タイルをアクセントに使ったりしています」。
配置を変えられなかったキッチンは、仕切りのドアのみ取り払って、緩やかにダイニングと接続させた。背面カウンターは、籐を面材に使い、予め置くものを考えてサイズをオーダー。
「整理収納の勉強もしたので、使い勝手も考えています。例えば、仕切り壁に小窓を設けたのですが、通気性の確保と同時に、タオルなどの洗い物を向こう側のランドリーに投げ入れられたり(笑)」。
洗面、バスルーム、トイレ、ランドリー、ウォークインクローゼットはひとつのスペースにまとめられ回遊できる造りに。
「生活動線を考えたことで、きれいも保てるようになりました。ワークスペースで仕事をしているときは、リビングのグリーンを眺めて癒されたり、ゆったりとした気持ちで過ごせます」。
プロにコーディネートを依頼した、バルコニーのグリーンもますます豊かに。庭の中にいるかのような緑と光に満ちた空間が、仕事もプライベートも充実させている。
![クリナップのシステムキッチンを採用。セラミックの天板は熱いお鍋が置けたり、まな板として使えたりするなど便利。背面カウンターは、友人の木工家具職人、haruwoodworksの山田晴樹さんにオーダーしたもの。](https://img.tokosie.jp/2024/03/21172823/240410mat-016.jpg)
クリナップのシステムキッチンを採用。セラミックの天板は熱いお鍋が置けたり、まな板として使えたりするなど便利。背面カウンターは、友人の木工家具職人、haruwoodworksの山田晴樹さんにオーダーしたもの。
![グレーの天板に籐の組み合わせは、色々な造作家具で用いた。籐を編み込んだ面材は通気性も良い。](https://img.tokosie.jp/2024/03/21172827/240410mat-017.jpg)
グレーの天板に籐の組み合わせは、色々な造作家具で用いた。籐を編み込んだ面材は通気性も良い。
![アンティークの食器棚がグリーンに似合う。DIYで棚板を増やした。](https://img.tokosie.jp/2024/03/21172832/240410mat-018.jpg)
アンティークの食器棚がグリーンに似合う。DIYで棚板を増やした。
![WIC、収納、ランドリー、水廻りなど生活インフラに回遊性を持たせた。](https://img.tokosie.jp/2024/03/21172835/240410mat-019.jpg)
WIC、収納、ランドリー、水廻りなど生活インフラに回遊性を持たせた。
![コンクリート風に見えるマーモリウムは、耐久性もあり水廻りの床に便利。](https://img.tokosie.jp/2024/03/21172839/240410mat-020.jpg)
コンクリート風に見えるマーモリウムは、耐久性もあり水廻りの床に便利。
![WICには家族全員の衣類を収める。鏡上のアイアンの格子窓から、キッチンと接続。](https://img.tokosie.jp/2024/03/21172843/240410mat-021.jpg)
WICには家族全員の衣類を収める。鏡上のアイアンの格子窓から、キッチンと接続。
![家具のように見せた洗面台。籐の壁付け収納とともに、haruwoodworksに依頼。キッチンの背面カウンターとデザインを揃えている。](https://img.tokosie.jp/2024/03/21172847/240410mat-022.jpg)
家具のように見せた洗面台。籐の壁付け収納とともに、haruwoodworksに依頼。キッチンの背面カウンターとデザインを揃えている。
![一級建築士・松田奈緒子さん。リフォーム、リノベーションを中心に請け負うWELL R&C (http://well-rc.co.jp/) に所属。](https://img.tokosie.jp/2024/03/21172850/240410mat-023.jpg)