ミニマルを目指して プライベートと仕事を両立させる シンプル空間

ミニマルを目指して プライベートと仕事を両立させる
シンプル空間

広く開放的なSOHO空間

都内に住む映像プロデューサーの西原正浩さんは30件以上の物件を見て、今の住まいを決めた。会社から独立し、自宅兼仕事場になっている。「今まで住んでいたエリアで、古くて広い物件を探していて、バランスが良いここを見つけました」と西原さん。
築50年以上の中古マンションを購入し、およそ85㎡の空間を、“シンプルでミニマルな空間”という強いこだわりを持ってリノベーションをした。設計・施工は株式会社FINDの笠原圭一郎さんが担当。「リノベーションをしていくと、あれもこれもとなりがちなんですが、西原さんは具体的なイメージをお持ちだったのでそうはなりませんでした」(笠原さん)。
広く開放的な空間が、住空間と仕事空間を壁なしで両立させている。
仕事スペースと生活スペースに区切りがなく、開放感のあるワンルーム。
仕事スペースと生活スペースに区切りがなく、開放感のあるワンルーム。
手前に見えるのはアイリーン・グレイが手掛けたモンテカルロソファ。「内装を綺麗にしたのでスクラップアンドビルドではなく、長く使えるものを選びました」と西原さん。
手前に見えるのはアイリーン・グレイが手掛けたモンテカルロソファ。「内装を綺麗にしたのでスクラップアンドビルドではなく、長く使えるものを選びました」と西原さん。

ミニマルと実生活の両立を模索

壁や扉を最小限にした、シンプルな空間が広がる西原邸。白とモルタルという組み合わせのベースカラーがモダンさを引き立てる。「西沢立衛が設計した十和田現代美術館のシンプルさが好きだったので、できるだけ直角で四角く、モルタルと白の空間にしたかったんです」(西原さん)。
“ミニマルな空間”をテーマに、なるべく壁を無くし、空間をできるだけ広くしたいと考えていた西原さん。そのためリビングには遮る壁がない。しかし、仕事スペースとソファスペースの間にあるモルタルの躯体柱が、視覚的な仕切りとして機能する。
担当した笠原さんは「収納が少なくなっていく恐怖がありました」と笑いながら振り返る。広さを求める一方で、生活空間としての機能も備えなければいけない。そんな中、西原さんは毎週、施工の様子を作業時間外に見に行き、アイデアを出したという。「まっさらになると、これくらい広くなるんだと分かって良かったです。例えば、玄関とリビングの間にある壁部分はウォークインにすることを考えていたのですが、収納スペースを広く取ることを考えて、リビング側を本棚、裏の玄関側を靴箱にしてもらいました」(西原さん)。
ライティングにもシンプルへの追求がある。「最初は生活に合わせてライトを付けてもらっていたんですが、目立たないよう柱に沿うように直線で設置してもらいました。柱に光が当たる雰囲気も良かったし、せっかく空間がシンプルだからライトも直線が良いなと思ったんです」(西原さん)。徹底したこだわりが、洗練されたシンプルな空間を生み出している。
ウォークインをやめ、取り付けた本棚。壁に埋め込むことで空間を広く見せる。
ウォークインをやめ、取り付けた本棚。壁に埋め込むことで空間を広く見せる。
本棚の壁向こうには玄関収納スペースを設置。
本棚の壁向こうには玄関収納スペースを設置。
玄関から延びる廊下。右側のモルタル躯体前の壁を無くし空間を広くした。
玄関から延びる廊下。右側のモルタル躯体前の壁を無くし空間を広くした。

生活シーンに合わせた空間演出

モダンな空間演出に大きな効果を発揮しているのが、モールテックスの床。床材の選定と範囲は何度もやり取りがあったという。「コスト面も考え、もともと貼られていた木床の一部を残して、それ以外をモールテックスにしましょうとご提案しました」と笠原さん。結果、寝室が木床になったことで、視覚的に温かみを感じる空間となった。
この寝室とリビングの間にある上吊りの引き戸もこだわりの一つ。「来客時や、仕事の打ち合わせの時に閉めています。広いワンルームなので、ポイントになると良いなと思って」。普段は開けておき開放的な空間に。必要な際は戸を閉め、内側に設置されたロールスクリーンを下ろすことでプライベートな空間を隠すことができる。
住み始めて4ヶ月。プライベートと仕事の両立について伺った。「最初は、ここでミーティングもできたらと考えていましたが、実際に住んでみると家で会議をやらないんですよ。これからどうしていこうか検討中です。もちろん住心地はいいので気に入っています」。シンプルでミニマルだからこそ、状況に合わせて住空間を身軽に変えることができる。変化が激しい現代の生活環境を快適に過ごす一つの形が西原邸なのかもしれない。
「重厚感や色など、結構粘って探しました」という西原さんこだわりのコンフォート社製の引き戸。
「重厚感や色など、結構粘って探しました」という西原さんこだわりのコンフォート社製の引き戸。
寝室から見たリビング。整列された照明が美しい。
寝室から見たリビング。整列された照明が美しい。
生活空間では、なるべく物が見えないよう、住居奥に収納部屋を設けた。
生活空間では、なるべく物が見えないよう、住居奥に収納部屋を設けた。
alcarol製のスツールは、シンプルな空間でアクセントになっている。「見ているだけで癒やされます」(西原さん)
alcarol製のスツールは、シンプルな空間でアクセントになっている。「見ているだけで癒やされます」(西原さん)
西原さんが前職の職場にあったことを思い出し取り付けたというHDMI用コンセント。映像機材と壁掛けテレビに繋げる時に便利。
西原さんが前職の職場にあったことを思い出し取り付けたというHDMI用コンセント。映像機材と壁掛けテレビに繋げる時に便利。