ToKoSie ー トコシエ

25年暮らした物件を半リノベーション 大好きなお店で買い集めた家具を主役に

6年間、コツコツと買い集めた家具をデザインの中心に。

結婚29年目を迎える小林家は夫婦2人暮らし。結婚当初に新築で購入した団地内のマンションを、3年前にリノベーションした。
「4年前、一人息子が就職と共に巣立ったのをきっかけにリノベーションを決めました。ただ予算的な都合もあって、手を加えたのは物件全体の3/4ほどです」と話すのは、妻の恭子さん。
リノベーションでは、玄関からリビングの入り口までに位置するトイレ、お風呂、個室には手を加えず、リビングの扉より奥に位置するリビング、キッチン、恭子さんの寝室を新しくした。
内装のデザインは、恭子さんのアンティーク家具のコレクションを軸にまとめられている。そのほとんどがセレクトショップ「REFACTORY antiques」で買い集めたものだ。埼玉県飯能市にあるお店では、オーナーの渡邉優太さん自らが足を運び買い付けと手入れをしたアンティーク家具や雑貨を扱っている。
「アンティークといってもシャビーなものから民芸テイストなものまで幅広いので、自分にどれが一番ぴったり来るのかわからず、ずっと迷走していました。でも「REFACTORY antiques」と出会ったときに「あ、ここだ!」とピンときたんです。それからコツコツ集めはじめて、今ではうちにある家具のほとんどがそこで出会ったものですね」と恭子さんは話す。
築30年、総面積は約75㎡。
築30年、総面積は約75㎡。
寝室は修道院をイメージした質素なデザインに。
寝室は修道院をイメージした質素なデザインに。
収納棚付きミニベンチは英国で買い付けられたもの。
収納棚付きミニベンチは英国で買い付けられたもの。
和室にあった障子の枠をDIYで白くペイントした窓枠。
和室にあった障子の枠をDIYで白くペイントした窓枠。
ベッドフレームはかつて修道院で使われていたもの。
ベッドフレームはかつて修道院で使われていたもの。
部屋の中央には山小屋をイメージしたWICを設けた。
部屋の中央には山小屋をイメージしたWICを設けた。
WICには昭和初期のダイヤガラスを使った古窓をはめて。
WICには昭和初期のダイヤガラスを使った古窓をはめて。

寝室、リビング、キッチン。それぞれ異なるテーマをもつ空間。

2012年のオープン当初から「REFACTORY antiques」へ通っている恭子さんは、今回のリノベーションに使用する引き戸やドアのセレクトをオーナーの渡邊さんに依頼した。
「リビングと寝室を仕切っている引き戸は、もともと昭和初期の小学校で使われていたものです。渡邊さんに相談しながら、引き戸のアイスグリーンの色味はそのまま残して、引き戸を支える柱にはホワイトのウッドワックスをDIYで塗りました」と恭子さん。他には玄関とリビングを繋ぐドアや、キッチンの食器棚になっている水屋箪笥なども今回のリノベーションのために渡邊さんが選んだものだ。
また寝室、リビング、キッチンには、それぞれ異なるテーマを設けたという恭子さん。
「寝室は心を鎮めて過ごせるように質素な空間にしました。寝室のベッドや机は実際に修道院で使われていたものです。逆にキッチンは、ワイワイと活気に溢れた雰囲気を意識したインダストリアル系に。そしてリビングはみんなが集ってリラックスできるようにナチュラルな空間にしました」
家具や建て具を同じお店で揃えたことで、それぞれの部屋が異なるコンセプトをもっていながらも、空間全体としての統一感も持ち合わせたバランスのよい空間が完成した。
キッチンは無骨なインダストリアルスタイルを意識した。
キッチンは無骨なインダストリアルスタイルを意識した。
食器棚は昔ながらの水屋箪笥。
食器棚は昔ながらの水屋箪笥。
古賀秀幸氏のリメイクランプを吊るして。
古賀秀幸氏のリメイクランプを吊るして。
学校の図工室の作業台の天板だった木を利用した収納棚。
学校の図工室の作業台の天板だった木を利用した収納棚。
調理器具や調味料にパッと手の届く使い勝手のいい台所。
調理器具や調味料にパッと手の届く使い勝手のいい台所。
リビングのドアも「REFACTORY antiques」のもの。
リビングのドアも「REFACTORY antiques」のもの。
町工場で使われていたロッカーをリメイクした収納棚。
町工場で使われていたロッカーをリメイクした収納棚。

マンションの中に小屋を作りたい。

この物件を語る上で欠かせないのが、キッチンと寝室の間に設けられた小屋のようなWIC(ウォークインクローゼット)だ。
「山の中にひっそりあるような小屋がとにかく好きで。どうしたらマンションの室内に小屋を作れるのか、リノベ会社の担当デザイナーさんや渡邊さんと考えました。たとえば壁面は専門の業者さんにお願いして外用の特殊な塗料で仕上げたり、小屋の前方の床をモルタルで塗装して小さな土間をつくったり、趣きのあるダイヤガラスの古窓をつけたりと、より小屋の雰囲気を出すために色々と工夫を凝らしました」
最後に将来について聞いてみた。
「今回のリノベでDIYの楽しさを知ったので、リノベをしなかった玄関周りはこれから自分で少しずつ手を加えていこうかなと考えています。夫婦2人で住むにはちょうどいい大きさなので、基本的にはずっとここに住み続ける予定です」と答えてくれた。
またリノベーションを通して、恭子さんのキャリアパスにも大きな変化があったという。ますます家具の魅力に目覚めた恭子さんは9年間勤めた小学校の非常勤講師から一転して、竣工の翌年から「REFACTORY antiques」で働くことに。そこで約2年の経験を積み、この秋からはさらなる夢を叶えるべく不動産業へと歩みを進めた。
「自分で売買契約をできるように宅建の資格を取ろうと思っています。今の夢は家具選びだけでなく、家を買うところからリノベーションをする方たちをサポートしていくことです」と笑顔で締めくくってくれた。
リビング中央に設けられたワークデスク。
リビング中央に設けられたワークデスク。
「Butterfly」のケロシンランタン。
「Butterfly」のケロシンランタン。
寝室とリビングを仕切る引き戸は昔の小学校で使われていたもの。
寝室とリビングを仕切る引き戸は昔の小学校で使われていたもの。
家具のほとんどは「REFACTORY antiques」で購入したもの。
家具のほとんどは「REFACTORY antiques」で購入したもの。
ダイニングテーブルは「REFACTORY antiques」の渡邉優太氏が製作したもの。
ダイニングテーブルは「REFACTORY antiques」の渡邉優太氏が製作したもの。
「riverside farm」のテーブルランプ。
「riverside farm」のテーブルランプ。
共に暮らすマメルリハインコのピちゃん。
共に暮らすマメルリハインコのピちゃん。
リノベーションは「nu(エヌ・ユー)リノベーション」に依頼。
リノベーションは「nu(エヌ・ユー)リノベーション」に依頼。