無印良品が考えるリノベーション 自由にカスタマイズできる フレキシブルな白い箱

無印良品が考えるリノベーション 暮らしに合わせて編集できる
フレキシブルな白い箱

光と風が通り抜ける設計

無印良品が中古マンションをリノベーションする「MUJI INFILL 0」。物件探しからサポートするワンストップサービスに加え、完成済み物件の販売もスタートした。今回はその中の1軒である、府中市の車返団地をリポート。築46年の団地の1室を訪れると、そこには自然素材に包まれた、明るく開放的な空間が広がっていた。
「部屋数重視ではなく、大きな空間にして開口部を有効に使い、光と風を通すことを大切に考えています。無印良品と団地、というのは相性が良いと思います。古い物件ならではの魅力を活かしながら、今の暮らしに合うようにプランを立てました」。
と、設計にあたった建築士の浅見一也さんは語る。無印良品ならではの、リノベーションのアイデアを見せていただいた。
広々としたスタジオのようなLDK。南側の開口から明るい光が差し込む。

広々としたスタジオのようなLDK。南側の開口から明るい光が差し込む。

仕切りを設けないことで、南側の開口から北側へと光が抜ける。壊せない構造壁がフレームとなって、空間を緩やかに分ける。

仕切りを設けないことで、南側の開口から北側へと光が抜ける。壊せない構造壁がフレームとなって、空間を緩やかに分ける。

無駄のない可変性のある空間

和室のあった2DKをスケルトンにして、LDK+ベッドルームに。南側と北側の開口から光が通り抜ける空間は、48.9平米とコンパクトにもかかわらず、広々として開放感が感じられる。
「家族構成や家族の成長などによって空間の使い方は変わりますが、さらに最近では働き方によっても変化するようになりました。ひとつながりにしておけば、後からカーテンで仕切ってもいいし、家具を置いて区切ってもいい。住む人によって変えられる可変性を残しました」。
もともと廊下だったところはLDKの一部に取り込み、玄関に近い位置に洗面台を設置。閉じられた光の差さないスペースがここにはない。
「玄関を開けるとまっすぐ視線の突き当たりにくるスペースは、ディスプレイに使ってもいいし、リモートワークの場合にはワークスペースにすることもできます。家に入ったときに視界を遮るものがなく、広がりを感じられることも、大切にしているポイントです」。
玄関を入ると正面に見える空間。遮るものがないことで広がりが感じられる。構造壁とカーテンの間は、自由な使い方を考えたいスペース。

玄関を入ると正面に見える空間。遮るものがないことで広がりが感じられる。構造壁とカーテンの間は、自由な使い方を考えたいスペース。

もともと和室だったところをLDKの一部に。カーテンで仕切れば、障子のように光を通すことができる。

もともと和室だったところをLDKの一部に。カーテンで仕切れば、障子のように光を通すことができる。

廊下の仕切りを取り払うことでLDKと一体となった空間に洗面台を。玄関から直行することができる。

廊下の仕切りを取り払うことでLDKと一体となった空間に洗面台を。玄関から直行することができる。

古さを残してアップデート

白い塗装とオークの床。心地よい自然素材の空間の中に、所々70年代の物件ならではの味わいも感じられる。
「むき出しのコンクリートや電線管はあえて覆わないようにするなど、古さを残しました。壁は塗装にすることで、汚れたら上から塗り重ねられるメリットもあります。躯体そのものと、石膏ボードの上から塗装している部分があるので、同じ白でも微妙に違う表情が出ています」。
生活する上で大事な設備面には最新の機能を取り入れた。
「断熱性には特にこだわりました。共用部として取り替えられない既存の窓に加え、ペアガラスのインナーサッシを合わせて3重にして、壁には高機能な断熱材を入れています」。
唯一の個室の仕切りであるベッドルームの扉は引き戸になっているので、開け放てば全体が一室空間になる。高い断熱性によりエアコン1台で家全体に空気をまわすことも可能だ。
スポットライトをメインに多灯照明で。展示の家具など(アート、グリーンを除く)は、物件購入価格とセットになっている。低めの天井に合わせて、高さの低いダイニングテーブルをセレクト。

スポットライトをメインに多灯照明で。展示の家具など(アート、グリーンを除く)は、物件購入価格とセットになっている。低めの天井に合わせて、高さの低いダイニングテーブルをセレクト。

ベッドルームの引き戸を開放すれば家全体がワンフロアに。

ベッドルームの引き戸を開放すれば家全体がワンフロアに。

壁面に長押の跡が残る。カーテン越しにやわらかな光が。

壁面に長押の跡が残る。カーテン越しにやわらかな光が。

インナーサッシの外側は共用部である窓。70年代仕様が味。 

インナーサッシの外側は共用部である窓。70年代仕様が味。 

電線管はむき出しに。現しの躯体と石膏ボードの上に塗った塗装は、表情が微妙に違う。

電線管はむき出しに。現しの躯体と石膏ボードの上に塗った塗装は、表情が微妙に違う。

暮らしに合わせて変えられる

可変性のある広々とした一室空間は、どのように使うか、自分の生活スタイルに合わせて考えるのも楽しみ。
「“大きくつくって後から考える”がテーマなので、設備は簡素完結です。キッチンなど収納の使い方も、住む人によってカスタマイズしていただければ」。
組み合わせ自由な収納アイテムが充実した無印良品。様々なアイテムを使って、キッチン下や洗面台下など、自分の暮らしに合わせて活用したい。さらに、「MUJI INFILL 0」のリノベーション済み完成物件は、展示されている家具や収納もセットでついてくるのがうれしいところ。
「どのスペースでどのように使うかも、生活に合わせて決めていただければ。自由にパーツやアイテムをプラスして暮らしを設計していただくのが、INFILL 0(原点)のコンセプトです」。
ユニットシェルフをアイランド兼キッチン収納に。オリジナルのキッチン台は、シンクの蛇口の位置に注目。

ユニットシェルフをアイランド兼キッチン収納に。オリジナルのキッチン台は、シンクの蛇口の位置に注目。

オープンなシンク下は扉を開ける手間要らず。ゴミ箱やシェルフなど、使い勝手に合わせて組み合わせたい。

オープンなシンク下は扉を開ける手間要らず。ゴミ箱やシェルフなど、使い勝手に合わせて組み合わせたい。

洗面の下もオープン。掃除ロボットのステーションにすることも。

洗面の下もオープン。掃除ロボットのステーションにすることも。

子ども部屋が必要になったら、カーテンで仕切ることも。IDÉEのクッションや無印良品のカーテンもセット。車返団地は1975年築。新耐震基準と同等の耐震性が確認されている。

子ども部屋が必要になったら、カーテンで仕切ることも。IDÉEのクッションや無印良品のカーテンもセット。車返団地は1975年築。新耐震基準と同等の耐震性が確認されている。

スチールユニットシェルフをデスクに。

スチールユニットシェルフをデスクに。

縦にも横にも使えるスタッキングシェルフは、TVボードにも。

縦にも横にも使えるスタッキングシェルフは、TVボードにも。

「無印良品のリノベーション」青山店・浅見一也さん。

「無印良品のリノベーション」青山店・浅見一也さん。

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